丹波篠山市と三田市を限る境界尾根上に二つの三国ヶ岳があり、地図に載っているのは三田市母子地区の北にある三国ヶ岳だが、丹波篠山市は後山地区の南側にある698mピークも三国ヶ嶽と呼ばれている。但しこちらは「岳」でなく「嶽」の字が使われている。その二つの三国ヶ岳を登ろうと向かったのは2023年の年末、会社の御用納めが終わった翌日の12月28日だった。先に後川の三国ヶ岳に向かった。地図では無名峰ながら三田市の最高峰でもあった。国道372号線を走って丹波篠山市に入ると、小枕交差点で県道49号線に入った。県道49号線は市境越えの道で、三田市に入ると母子小学校の前を通って永沢寺に向かうことになった。永沢寺の霊園前を通り南へと上り坂に入ったときに現れたのが花の里展望休憩所で、そこに数台分の駐車スペースを見たので、そこに車を止めてハイキング開始とした。市境尾根に取り付こうと県道49号線を南へと歩いて行く。上り坂の道でその上り坂のピークに着いたとき、左手に作業道を見た。そこが市境尾根に一番近く、登山口と言っても良さそうだった。少し作業道を歩くと山道が現れて、後はその山道を辿った。すぐに市境尾根を歩くようになり、ごくスムーズに三国ヶ嶽に向かうことになった。道ははっきりしており、傾斜も緩やかだった。その山道がはっきりしなくなっても目印テープや矢印の標識が斜面に点々と続いて、無理なく尾根筋を追えた。ヤブの箇所も無くスムーズな登りが続いた。但し周囲は植林を主体とした樹林が続き、展望は全く無かった。その緩やかな尾根歩きのまま山頂に到着した。山頂もすっかり樹林に囲まれていた。三等三角点(点名・天上畑)があるだけで何の変哲も無いピークにがっかりするところだが、三国ヶ嶽には山頂近くに天狗岩があり、そこが好展望地であるとネットで紹介されていたので、すぐに天狗岩に向かった。その天狗岩は東尾根上にあるようだったが、地図を見なくともテープの目印があってスムーズに向かって行けた。やや急坂を下ると少し登り返すことになったが、その辺りが岩場になっており、どうやらそこが天狗岩のようだった。南に向かって六甲連山まで見える展望が現れると、その先が更なる展望地で北に向かって多紀アルプスがすっきりと眺められた。東の方向も展望があり、大阪府の深山や大野山が一望出来た。その位置で昼休憩とした。この日は木陰こそ肌寒かったが、岩場の陽当たりは良く、暖かい陽射しを浴びながらの休憩だった。休憩を追えると山頂へと引き返した。山頂に戻っても足を止めず、すぐに下山に移った。山頂付近は尾根筋がはっきりしないため、ひたすら目印テープを追って下った。山道が現れると後はごく気楽に登山口へと戻った。天狗岩あっての三国ヶ嶽だと思いながら駐車地点に向かった。
(2024/2記) |