2016年3月に入って、六甲山系にある展望地のダイヤモンドポイントを訪れたときのこと、その素晴らしい展望の中で目を惹いたのが白髪岳の姿だった。隣の松尾山と並ぶ姿は堂々としており、登ってみたいと思った。そこで早速、一週間後に向かった次第だった。
この日は春分の日。三連休の最後の日で、朝から快晴の空だった。国道372号線をひた走って今田町に入ると、不来坂集落の位置で住山集落への道に入った。その車道を集落内にある駐車場まで進まず、国道に近い位置に車を止めて、そこから歩き出すことにした。ずいぶん手前だったが、そこからは白髪岳がすっきりと見えており、その姿を見ながら歩いて行きたいとの思いがあってのことだった。コースとしてはごくオーソドックスに歩こうと考えた。住山集落からは左回りに歩いて先に白髪岳を登り、そして松尾山へ。下山は真っ直ぐ南尾根を下って住山集落に下りるというものだった。よく紹介されているコースでもあるので、そのハイキングの様子はここには詳しく記さないので、下の写真帳をご覧いただきたい。住山集落に入るとコースはワン谷林道コースと松尾山直登コースに分かれたので、そこはワン谷林道に入った。林道を歩くこと25分で登山口に着くと、そこから漸く登山道を歩くことになった。樹林の中を北へと歩いて尾根に出ると、けっこう急斜面とあってしっかり登ることになった。気温は8℃のため尾根はひんやりとしていたが、急坂登りのため快く感じた。稜線に出ると始めは緩やかな尾根歩きだったが、岩場が現れてロープを伝ったり岩に手をかけたりしての登りとなった。手がかりの良い岩だったので、けっこう面白く登れた。登るうちに展望が現れて、北の山並みが眺められるようになった。くっきりとした視界で眺められたため足を止めたくなったが、山頂展望が待っていたので、休まず登り続けた。程なく山頂に着くと、10人以上の先着者がおり、賑わっていた。やはり白髪岳は人気の山のようだった。その山頂は東西南北遮るものの無い展望が開けており、その上この日は十分過ぎるほど澄んだ視界だった。下の写真帳の通り思う存分展望を楽しんだ。ただ3月とあって風はけっこう冷たく、一通り眺め終わると岩陰に待避した。そして早めの昼食とした。山頂では50分ほど過ごして松尾山に向かった。その間にハイカーは入れ替わり立ち替わり訪れており、静かになることは無かった。白髪山を後にするとすぐに急坂下りが始まって、それが暫く続いた。尾根が緩むと、それ以後は易しい道だった。但し展望は無かった。途中の689mピークを巻き道で通り過ぎると、それ以後は尾根伝いとなって松尾山に近づいた。白髪岳から松尾山までは40分ほど。松尾山の山頂は酒井城跡になっており、いかにも城跡と言った感じで平坦になっていた。そこを樹林が広がっており、展望は無かった。そのため長居はせず下山に向かった。南に延びる尾根を下って行く。少し下ると卵塔群が現れて、ちょっと珍しい風景を作っていた。そこからは愛宕堂に向かわずそのまま南尾根を下った。植林地の下りが続いたため、足を止めることもなく淡々と下って行くと、松尾山山頂から一時間ほどで麓に下り着いた。そこは二つのコースが合流する地点にごく近い位置だった。後は駐車地点まで住山集落の道をのんびりと歩いて戻った。12年ぶりの白髪岳だったが、兵庫50山に選ばれるだけあって、登山として十分に魅力のある山であることを再認識させられた。
(2016/5記)(2020/6改訂) |