TAJIHM の 兵庫の山めぐり <西播磨 
 
船越     ふなこしさん 726.9m 佐用町
点名・西谷 740.0m
 
1/2.5万地図 : 千草
 
【2018年12月】 No.3 2018-166(TAJI&HM)
 
    《船越山》 北向かいの740mピークより 2018 / 12

 ガイドブックの「佐用ハイキング」には船越山が紹介されており、その項を見るとどうやら山頂は展望が良くなっているようだった。確か2003年に登ったときに見た案内板には100年は木を伐らないと書かれていたのだが、事情が変わったようだった。そうなると改めて山頂に立ちたくなった。向かったのは前回登山から15年後となる2018年12月中旬の好天の日だった。易しく登ろうと船越山から見ると北東方向となる倉谷集落から林道を歩いてアプローチすることにした。
 県道72号線を北上して千種町の下河野地区を過ぎると、千種川に架かる七野大橋を渡って七野集落に入った。集落内の細道を南へと走って行くと倉谷集落に入り、西谷に近づいた。車道は西へと向かい出して最後の民家を過ぎると、西谷林道の入口に着いた。そこには害獣避けゲートがあり、それを抜けて今少し車を進めてもよかったが、ゲートの手前で見た路肩が広くなっている所に駐車とした。スタートしてすぐにゲートを通過すると、林道は西谷に沿ってほぼ西へと続いていた。林道名は西谷支線で簡易舗装されていた。林道は少し傾斜がきついとあってしっかり登ることになった。沢は水害があったようで荒れている印象は否めなかったが、渓谷美を見せている所もあった。周囲は概ね植林地でそこにミツマタの木が混じっていた。沢は次第に細ってその沢を林道が横切った先で、左手に船越山林道が分かれた。船越山林道に入ると沢と分かれることになり南の方向へと登った。その坂を登りきった所が千合地峠だった。そこで林道はまた二手に分かれたが、左手の道が船越山に近づく道で、もう作業道と呼ぶのが相応しい簡易的な道だった。その作業道は地図には載っていない道で、船越山へと続く尾根に平行しており、尾根との標高差は少なかった。作業道を歩くうちに山頂への標識が現れるだろうと安易な気持ちで歩いていると、作業道は次第に荒れてきた。道路上に灌木まで生えている始末で、どうも車の通行は無さそうだった。そして気が付いたときは船越山の西側まで来ており、どうやら尾根筋への取り付き点を見落として通り過ぎてしまったようだった。もう山頂までの距離は僅かだったので、適当に斜面に取り付いて支尾根に出た。その支尾根を歩いて山頂へと向かったが、木々は疎らなものの倒木が多くあって少々歩き難かった。それでもその程度で山頂に着けると思っていると、山頂が目前となって俄然厳しくなった。急にイバラヤブが現れてそこをどうにも回避出来なかった。仕方なくイバラをハサミで伐りながら進むことになった。数メートルを苦労して進むと、いきなりの感じで登山道に合流した。その登山道を数メートル歩いて山頂到着となった。山頂へは今歩いてきた東からの小径とは別に北からも小径が来ており、どうやらその北からの道を見落としたようだった。山頂は山名標識こそ以前のままだったが、樹林が伐られて様変わりしていた。ただ疎らに木が残されており、すっきりとした感じでも無かった。それでもまずまずの展望が得られて展望を楽しむことが出来た。北には日名倉山が近く、その背後には後山だけでなく三室山もすっきりと眺められた。東にも展望があって東山や黒尾山の姿が認められた。山頂では昼食をとったこともあって一時間ほど休んだ。そして下山は北へと尾根筋の小径を辿って行くことにした。そこには境にネットが張られており、ネット沿いを歩くことになった。ごく緩やかな尾根を下るとあって気楽に歩いていると、突然ハプニングが起きた。近くで物音がしたかと思うと、すぐ前方に雌鹿が現れた。雌鹿はネットにひっかかっており大暴れしていた。どうやらこちらの気配に気付いて逃げ出したものの慌てたのかネットにぶつかったようだった。鳴き声をあげてもがいていたが、近づくのは危険なためどうしようもなく、遠巻きに歩いて離れたが、何とも後味が悪かった。尾根道は程なく作業道に合流したが、その合流点に標識は無く目印テープを見るのみだった。後は作業道を歩いて千合地峠に戻ってきた。まだ時間は13時だったので、近くの尾根を歩いて740mピークに置かれた三角点を訪れることにした。それは千合地峠から東に延びる尾根で、最初の船越山登山で歩いている尾根だった。始めに船越山に戻る形で南へと尾根を歩いたが、意外にヤブ尾根でここでもイバラを伐りながら進むことになった。それでも歩くうちにイバラは無くなって無難に歩けるようになった。東尾根が分岐するとそちらに入った。東尾根は概ね植林地になっていたので易しく歩けるようになった。それでも一部はヤブっぽくなっていた。そのうちに展望が現れて、船越山で見たときよりも日名倉山を近くで眺めることになった。気が付くと尾根の間近を作業道が走っていたので、一度作業道に下りて作業道歩きで740mピークに近づいた。作業道の終点は740mピークにそばで、そこよりやや急斜面を登って740mピークに立った。そこに四等三角点(点名・西谷)を見たが、周囲はすっかり植林地とあって見所は無かった。740mピークを離れるとほぼ歩いて来たルートを辿って船越山へと通じる尾根との分岐点に戻ってきた。その先はヤブになるので、そこからは西の斜面に入った。そして斜面を適当に下って作業道に下り着いた。後は作業道を歩いて千合地峠へ、更に船越山林道、西谷林道と歩いて倉谷集落の駐車地点へと戻って行った。それにしてもネットに捕らわれた鹿のことが気になったので、倉谷集落に入ると出会った里人に事の次第を告げてから帰路についた。
(2019/1記)
<登山日> 2018年12月21日 10:26西谷林道のゲート近くからスタート/11:14千合地峠/11:45〜12:41山頂/13:01千合地峠/13:51点名・西谷/14:26千合地峠/15:04エンド。
(天気) 朝の空は快晴で、雲は全く見られなかった。林道の気温は6℃、山頂の気温は11℃。山頂で休むうちに14℃まで上がってきた。風はほとんど無し。視界は少しうっすらしている程度だった。
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西谷林道に近い位置から歩き始めた 振り返ると東向かいの尾根が眺められた 害獣避けゲートを抜けて西谷林道に入った
西谷林道は舗装路だった 左手は沢だった 周囲は植林地が囲むようになった
棚田跡が植林地になっていた ほぼ真っ直ぐに続く所があった そばの沢が少し渓谷美を見せていた
林道が二手に分かれると、左手の道に入った その辺りではミツマタの木が茂っていた この船越山林道は一般車通行不可となっていた

左手に740m
ピークを見るこ
とがあった

千合地峠に着くと
左手に尾根に沿っ
て作業道が始まっ
ていた
作業道に入った 作業道は船越山に向かっていた 作業道が枝分かれしても尾根に沿う方を歩いた 木漏れ日が作業道に当たっていた
尾根道への標識が現れるだろうと期待して歩いたが 標識を見ないまま、作業道は荒れてきた 路上に灌木を見るまでになってきた
山頂の真西の位置まで歩いてしまった 分岐点を見落
としたので、そばの斜面に取り付いた
すぐに支尾根に着いて山頂へと向かうが、尾根は雑然
としていた
倒木を乗り越えたりしながら山頂を目指した
山頂が間近となった このまま山頂と思っていると 俄然イバラヤブが現れて、それを切りながら進んだ すぐにヤブを抜け出して小径に合流した

(←)
船越山の山頂に立った
以前と比べて多くの木
が刈られていた

   (→)
   ネットのそばに三等三
   角点(点名・船越山)
   を見た

山頂からは北の展望
が良かった

日名倉山がすっきり
と眺められた
上の写真に写る植松山の方向を少し大きく見る 場所を変えて東を望めば黒尾山も眺められた
日名倉山の右手後方に見えていたのは後山だった 少
し大きく見る
下山は北へと尾根の小径を辿った このネット沿いの
小径が正しい登山コースだった
緩やかな尾根道を下っていたところ、突然ハプニング
が起きた
雌鹿がネットにひっかかっており、大暴れしていた 
助けようと近づくのは危険だった
仕方なく遠巻きにして通り過ぎたが後味は悪かった 自然な感じで作業道に合流した そこに目印テープを
見たが、標識は無かった
作業道を歩いて千合地峠に向かった 千合地峠が見えてきたが、まだ13時だった 尾根に上がると近くのピークを目指して南に向かった
尾根は意外やヤブになっており難儀することになった 歩くうちにヤブは見なくなった そのまま南に向かう
と船越山だった
途中で東に尾根が分かれた そちらのピークが740
mピークだった そこを訪れようと東尾根に入った
植林地を歩くようになった 植林地だったが、倒木も多かった この尾根からも日名倉山が眺められた

(←)
歩くうちに三室
山を望めること
があった

  (→)
  三室山を大きく
  見る
近くに作業道を見たので、作業道を歩くことにした 作業道はすぐに終点となったので、尾根に向かった 尾根に戻ると740mピークは間近だった

740mピーク
に着いた 樹林
に囲まれて展望
は無かった

四等三角点(点名
・西谷)を見る
ピークの近くから船越山を望む 下山は始めに作業道に下りて、作業道を歩いた 作業道が尾根筋から離れ出したので尾根に戻った
また植林地を歩くことになった 船越山に通じる尾根との合流点に戻ってきた 尾根を北に向かわず、西斜面を適当に下った
すぐに作業道が見えてきた 再び作業道を歩いて千合地峠に向かった 千合地峠に戻ってきた この日三度目の千合地峠だった
西谷林道へと向かった 少し雲が出てきた 木立が切れたとき、北東方向が望めた 西谷林道に入った
後はただ真っ直ぐ下るだけだった マンボウに似た岩を見た ゲートの位置まで戻ってきた その先が駐車地点だった