TAJIHM の 兵庫の山めぐり <丹波 
 
カヤマチ山 748.3m
No.2
方須張山  ほうすばりやま 716m
  No.1
1/2.5万地図 : 大名草 丹波市
 
【2007年2月】 2007-14(TAJI&HM)
 
    《カヤマチ山》  播州峠より  2007 / 2 《方須張山》  北西麓より  2007 / 2

 現在は丹波市で一つになっているが、旧青垣町と旧氷上町を限る尾根は700メートル前後あって、丹波では比較的標高のある山域になっている。その尾根の最高峰がカヤマチ山で、そのカタカナ名が珍しく、この山を目的として水山からの尾根を歩いたのは1994年4月のことだった。春に入っていたのに北風の非常に冷たい日で、その冷たさで冷えきった体で着いたカヤマチ山の山頂は、雑木が茂って少し雑然としていた。展望も無く、少々落胆することになった。カヤマチ山からは葛野峠へと下ってその日の登山は終了としたが、それ以後はカヤマチ山への思いはどうも薄いものになってしまった。そのカヤマチ山を再訪したのは、13年後の2007年2月のこと。前回に今一つ展望に恵まれない山との印象を持ってしまい、もう一度という気持ちはなかなか起きなかったのだが、冬の季節に播州側から登ればまた違った印象を受けるのではとの考えが浮かんだとき、再訪してみたい気持ちが起きた次第だった。ただ播州側からこのカヤマチ山だけを登るのは少し簡単過ぎるので、どうしようかと思案していたとき、南隣の方須張山とセットで登ることを思い付いた。方須張山もその一風変わった名前で気になっており、折りがあれば訪ねたいと考えていた。この二つの山を登るアイデアが浮かんだことで、早速の実行とした。
 2007年は暖冬で始まったが、2月に入ってすぐに、兵庫北部は久々の雪となった。長くは続かず、3日の土曜日はもう晴れの予想だった。そこでその降ったばかりの雪を楽しもうと考えた。但しさほど雪の積もらぬ所でと考えて、カヤマチ山を目指すことにした。3日は朝から快晴だった。北の空も同様で、高坂トンネルを越えて多可町に入っても、空にはほとんど雲は見られなかった。ただ、どうも前日に降った雪は少ないようで、千ヶ峰は黒っぽく、1月初めに見たときのほうが雪の量は多かったように思われた。少し拍子抜けの気持ちで北へと向かい、車を止めたのは播州トンネルの南口そばにあった駐車場だった。国道には雪は見られなかったが、そのそばにある旧道や林道には新雪が5センチほど積もっていた。播丹尾根は播州峠を通って南へと回り込んでいるが、峠からの登り返しは急尾根となって旧町境(加美町、氷上町、青垣町)へと延びている。その急尾根を登ろうと、旧道で播州峠へと向かった。僅かな新雪だったが、車道を真っ白にしており、そこに足跡を付けながら登って行くと、峠では10センチほどの雪になっていた。その位置より右手の急斜面に適当に取り付くと、すぐに尾根を追えるようになった。急斜面だったが、掴まる木があって登る助けとなった。腕をしっかり使うので、全身運動として身体には良いことではと思いながら登った。登るほどに雪は増えて来るかと思っていたが、そのようなことはなく、主稜に出ても雪は10センチほどだった。その主稜に着いた位置より尾根なりに北東へと向かって行くが、もうそこからは丹波の領域だった。雪で尾根道は隠されているものの、尾根筋は空いており、適当に歩いて行けた。サラサラ雪は足の妨げにはならず、尾根もアップダウンが少なく歩くのは楽だった。但し展望には恵まれない尾根のようで、冬枯れの木々を通してしか展望は得られなかった。その僅かな眺めながら三国岳や粟鹿山が間近に見えていた。どちらも前日の雪で白くなっていた。尾根歩きに専念していると、程なく尾根は東の方向へと折れた。展望の悪さは相変わらずだったが、木々が幾分空いたとき、前方に二つの鋭角的な山がけっこう近くに見えた。左がカヤマチ山で、右が方須張山と見た。二つは共に円錐形の山容だったが、方須張山は幾分ふっくらとしており、カヤマチ山はひたすら鋭角的な姿で、尾根から際だって見えていた。その姿がもっと良く見えないかと、近づくほどに期待したが、逆に木々が増えてその期待は叶わなかった。尾根は雑木が広がるかと思うと植林地に替わったりと、少し雑然とした様子だった。もう方須張山の山頂が近いのではと思われた頃、尾根に雪が見られなくなった。その一帯は陽当たりが良いようで、もう雪は溶けてしまったようだった。尾根歩きの間、少し冷たい風を受けていたのだが、そこは風も無くポカポカ陽気だった。時間も昼が近づいていたことでもあり、陽溜まりの一角で昼休憩とした。そこは南に面しており、少し下った所に木立の空いた所が見られた。そこに下りてみると、この尾根歩きを始めてから初めてと言える展望が広がっていた。真南に見える姿の良い山は鳴尾山のようで、その奥には篠ヶ峰、南西遠くには千ヶ峰の頂も見えていた。その展望を楽しみながら、半時間ほど過ごした。そして12時を回ったところで、この日の最初の目的地、方須張山へと尾根歩きを再開した。少し進むとまた雪の尾根歩きとなり、10分も歩けば方須張山の山頂に着いた。そこはヒノキの植林と雑木とですっかり占められており、三角点も無いため、単に尾根の一ピークと言った雰囲気だった。どうも通過点に立っている感じで、漸く山頂に立った到達感は湧いてこなかった。ただ方須張山と言う一風変わった名の山に立っているのは事実で、そのことを実感をしようと暫く佇んでいた。そして気持ちに整理がついたところで、方須張山の山頂を離れた。向かったのは次の目的地となるカヤマチ山で、まずは葛野峠へと急斜面を下った。 方須張山の北面はすっかり植林地で、雪は10センチ以上は積もっていた。150mほどを一気に下って葛野峠に着くと、そこも植林地で薄暗い中だった。この日は快晴で視界もまずまずとあって、カヤマチ山では何とか展望を望めないものかと思いながら(十年以上経っておれば山頂の様子も変わっているのではと期待して)、カヤマチ山への登りにかかった。登り出すと一気に雪が見られなくなった。カヤマチ山は南面とあって陽当たりが良いだけでなく、樹林も植林から雑木へと替わって明るくなったためのようである。振り返ると木々を通して方須張山の輪郭が見えていた。陽射しの中とあって少し汗をかきながら登って行くと、峠から24分でカヤマチ山の山頂だった。幾分平らになった山頂は雑木林が占めており、14年前の記憶とさほど変わっていないようだった。ただ山頂は5センチほどの積雪になっており、二等三角点(点名・葛野峠)も雪に隠され気味だった。その山頂も幾分木々は空いたようで、その一角からは弘浪山が望まれた。また小枝の隙間から水山へと続く尾根も眺められた。まずは雪の季節に訪れたいとの思いを叶えたことで、カヤマチ山再訪を終えることにした。この下山は葛野峠には戻らず、北西隣の700mピーク経由でと考えていた。それはカヤマチ山を展望したいとの考えからだった。尾根を下り出すと、その尾根には少し雪があり、多い所では10センチを越えており、この日一番のスノーハイクだった。ただ尾根は相変わらず植林や雑木に覆われていた。その様子が変わり出したのは、鞍部を過ぎて700mピークへ登り返す辺りからで、右手に伐採地が見られるようになり、展望が現れた。始めに北東方向に岩屋山が現れると、700mピークが間近になってカヤマチ山の全貌が現れた。その姿は他の方角から見せる鋭さは無く、豊満な姿で、どうやらカヤマチ山は色々な姿を見せるようだった。そのカヤマチ山の左手も遠くまで見えており、がっしりした山はどうやら五台山のようだった。この展望に出会えて、この日の登山を終えた思いを持つことが出来た。その700mピークからは南西尾根を下って麓に向かった。また展望に恵まれない尾根歩きとなり、雪はもうザラメ雪に変わっていた。その雪も麓が近づくとほとんど見られなくなった。樹間を通して見えた粟鹿山も午前の白さは消えていた。この日、車を止めていたのは、播州トンネルの南口近くだった。そこまで戻るのに、通行止めとなっている播州峠越えの旧道を歩いた。その旧道にはまだ雪が残っており、その雪面に足跡を付けながら播州峠に近づくと、忽然とカヤマチ山が姿を現わした。夕暮れの迫った澄んだ光の中で、その姿はピンと張りつめた美しさを見せており、思わず見とれてしまった。
(2007/2記)(2012/6改訂)(2022/3写真改訂)
<登山日> 2007年2月3日 9:42播州トンネル南口スタート/10:28播丹尾根に出る/11:35〜12:05方須張山手前の陽溜まりで休憩/12:15〜20方須張山/12:38葛野峠/13:02〜17カヤマチ山/13:53〜14:03[700m]ピーク/15:03林道に下り着く/16:00播州トンネル南口エンド。
(天気) 快晴。朝の多可町は霜で白くなっていた。麓との気温は1℃だった。播州峠付近も尾根も積雪は10センチ程度あった。尾根では冷たい風を受けたが、強くは無かった。視界は遠方が少しうっすらと見える程度で悪くはなかった。昼の山上の気温は3〜4℃。カヤマチ山の雪は5センチほどで、700mピークとの鞍部へと下って行くと、その辺りは10センチを越えていた。
<< Photo Album 2007/02/03 >>
播州トンネル南口そばにあった駐車スペースに車を止める 旧道を歩いて播州峠に着くと、積雪は10センチほどだった 斜面に取り付いて主尾根を目指した 途中で「村」と書かれた石柱を見た
植林の尾根は急坂で続いていた 主尾根に出て尾根歩きを始めたが、尾根は木々が茂って展望を妨げていた これは三国岳だった 木々の隙間から粟鹿山を見る 粟鹿山はけっこう白い姿だった

尾根が東へと折れ
ると、二つのピー
クが見えてきた

左がカヤマチ山で
右が方須張山だっ


尾根の途中でカヤ
マチ山がはっきり
と見えた
立つ位置を変えるとカヤマチ山の左手が少し見えた 方須張山の手前で陽溜まりの草地に出会った その草地は尾根歩きで初めて出会った展望地だった
展望地で昼休憩とした 昼食後に今少し辺りを探ると、深谷山まですっきりと眺められる位置があった 左の写真に写る篠ヶ峰を大きく見る

(←)
深谷山の方向を大
きく見ると、千ヶ
峰の山頂が覗いて
いた

 (→)
  方須張山の山頂は
  木々が繁って雑然
  としていた
方須張山の山頂からは東へと尾根道が続いていた 方須張山を離れて葛野峠へと下って行った 下る途中で前方にカヤマチ山の山頂が望まれた
葛野峠を過ぎてカヤマチ山へと登って行く 一帯は植林地だった 登るうちに周囲が雑木林になると、雪は消えていた カヤマチ山の山頂が近づいたとき、梢越しに東に続く尾根が眺められた 水山のようだった
カヤマチ山の山頂に着く そこは木立に囲まれていた 三角点は雪に隠れ気味だった 山頂では南東の一角で木々が空いており、そこから見えていたのは弘浪山だった 山頂では東へと続く尾根が木立の間から僅かに眺められた
カヤマチ山を離れて北西へと尾根を辿ると、700mピークが近づいて来た 700mピーク手前の鞍部は伐採地になっており、そこから北東方向に岩屋山が望まれた 立つ位置を変えて、岩屋山の右手を眺めた

(←)
700mピークのそ
ばに好展望地があり
カヤマチ山が豊満な
姿で見えていた

 (→)
  東の山並みを遠望
  する

カヤマチ山をすっ
きりと眺める

700mピークか
らは南西尾根を下
った 尾根の途中
から西の山並みを
木々を通して眺め


粟鹿山の雪は朝と
違ってほとんど消
えていた

麓に着いてからは
車は通行止めとな
っている播州峠越
えの旧道を歩いて
戻った
 
播州峠からはカヤ
マチ山が眺められ