初めて大野山を登ったのは1998年7月のことで、往路は西軽井沢コースを登り、下山は三角点ピークの近くから始まる猪村コースを下った。猪村まで下ると、後は西軽井沢近くの駐車地点までひたすら車道歩きだった。この1回目の登山はガスの漂う山頂だったこともあって印象は薄かった。そして18年が経過すると、記憶も曖昧になってきた。そこで改めて大野山を知ろうと向かったのは、2016年11月の第二日曜日のことだった。柏原から登るコースで考えていたのだが、何となくナビの目的地を大野山の山頂にセットして向かった。国道372号線から県道12号線へと走ったので、大野山には北から近づくことになった。そして城東トンネルを抜けて後川上地区に入ったとき、大野山の山頂に建つ天文台が見えてきた。そこからは大野山の北麓側を走ることになり、「渓谷の森公園」の前を通ることになった。そしてその入口に見たのは大野山の文字だった。どうやら渓谷の森公園からの登山コースがあるようだった。それに興味を持って、予定を変更することにした。但しキャンプ場に車を止めるには駐車料金(500円)が必要のようだった。そこで管理事務所に入り、大野山に登りたい旨を言って駐車を申し込んだところ、何と無料で駐車許可証を借りられることになった。しかもキャンプ場の入口では無く、奥の登山口に近い駐車場に止めても良いとのことだった。おかげで登山口のそばから歩き出せることになった。キャンプ場は大勢のキャンパーで賑わっており、それを横目に奥へ奥へと進んで、トイレのそばにあった駐車場に車を止めた。登山口はトイレの先にあり、ごく自然な山道で始まっていた。すぐに害獣避けゲートを抜け、その先は植林地だった。概ね植林地を登って行くのかと思っていたところ、小さな沢に沿って歩くようになると、周囲は自然林に変わってきた。標識も的確に付いており、ハイキング道として整備されていた。沢を離れて斜面を登るようになると、周囲は自然林とあって次第に色付いた木を見るようになった。紅葉はちょうど見頃と言ってよさそうで、何度か足を止めて美しく紅葉した様を眺めた。登る方向は南となり、はっきりと尾根を辿るようになった。そして方向が東に変わると、前方に白い建物が見えてきた。山頂の一角に着いたようだった。大野山は幾つかのピークからなっており、目立つのは天文台の建つピークで、その東にあって今少し高いピークが三角点ピークで山頂だった。先に天文台に向かった。大野山の山頂は大野山アルプスランドとして公園になっており、車で来られるとあって好天に誘われたのか多くの車が来ていた。また山頂ではキャンプも出来るようで、テントも多く張られていた。天文台ピークに着くと建っていたのは猪名川天文台で、その前は広場になっていた。東屋がありベンチも幾つか置かれており、そして絶好の展望地だった。昼になっていたので、まずは東屋で昼食をとり、その後で展望を楽しんだ。北には弥十郎ヶ嶽、西には白髪岳が見えており、南は六甲山と気持ちの良い展望が広がっていた。その展望を楽しんだ後に三角点ピークに向かった。そちらは天文台ピークほどの展望は無かったが、北から北東方向が眺められた。山頂を離れるとグラウンドに移動すると、そちらでは盛りとばかりに色付いたカエデやイチョウを楽しめた。陽射しの下では十分な暖かさがあり、そして空気はからっとしていた。おかげで山頂では一時間ばかり過ごすことになった。下山はすんなりと往路を戻った。おかげで再び尾根の紅葉を楽しむことになった。但し下山を始める少し前より、西の空から薄雲が広がってきていた。その雲が上空まで広がってきたので、紅葉は少しくすんだ色合いで眺められた。下る一方とあってごく気楽に歩けて、おかげで50分ほどでキャンプ場に戻ってきた。紅葉を楽しめ山頂展望も楽しめて、大野山を十分に満足することが出来た。
(2016/12記)(2019/10写真改訂) |