2018年11月に入ると山々は紅葉期を迎えたので、尾根の紅葉を楽しもうと須留ヶ峰に向かったのは10日の土曜日のことだった。朝来市の空は快晴で、絶好の登山日和だった。ところが須留ヶ峰林道の起点に着いてみると、林道は工事中のようで入口から通行止めになっていた。更にまったけ山があるようで、入山禁止にもなっていた。そうなると目標を切り換えざるを得ず、近くの山を思い巡らしてみたところ、すぐに御祓山が思い浮かんだ。県道6号線に戻って北に向かうと、すぐにみづめ桜の案内板が現れてすんなりと登山口駐車場に着くことが出来た。桜の季節ではないとあって、駐車場には1台の車も見なかった。時間は9時20分になっており、ハイキングを開始するには手頃な時間だった。但し御祓山の地図は持っていなかった。それも御祓山の登山コースは途中のみづめ桜まではハイキングコースになっており、標識があって地図を見なくとも歩けるはずだった。またガーミンもコンパスも持っていたので、何の心配もなくスタートした。始めに坂尻川沿いを歩いて行くと、右手に石垣を見るようになった。今は植林地になっていたが、以前は棚田があったのではと思われた。登山口から500mほど歩いたときに現れたのが東屋で、そこからは尾根を登るようになった。その東屋ではみづめ桜まで800mとなっていたのだが、東屋から500mほど進んだときに現れた次の標識では、みづめ桜まで1700mと書かれていた。何とも混乱させる距離表示だった。尾根を登るようになると周囲は自然林となり、木々は紅葉を始め出していた。紅葉の見頃は今少し先かと思っていると、登るほどに木々の色付きは進んで見頃となってきた。そうなるとすっかり紅葉ハイキングの雰囲気となった。ただ登山道は階段部分もあって概ね易しく歩けたのだが、あまり整備されていないようで礫が目立つ所や崩れている所があって易しい道とは言えなかった。はっきりしない所もあって目印を追うようにして登った。ときおりは展望も現れて、南に須留ヶ峰が大きく眺められた。また西に銅山を、北西に氷ノ山を見ることもあった。登山口からみづめ桜まではやはり距離があり、40分ほど歩いたとき桜まで300mの標識が現れた。漸く近づいたと思っていると、すぐ先で今度は800mの標識が現れた。どうも距離標識は信用できかねた。漸くの思いでみづめ桜に着いたのは、歩き出してから70分後だった。先ほどの標識では後300mが正しかったようだった。みづめ桜は11月とあってすっかり葉を落としており、老木となっていることもあってさほど大きな木にも見えなかった。そのみづめ桜の位置からは東へとトラバースするように歩いて御祓山の南尾根に合流した。後は真っ直ぐ北へと登るだけだった。尾根は始め急坂になっておりロープを伝って登ったが、程なく尾根は緩んで適度な歩き易さとなった。そしてこの尾根でも見頃の紅葉を楽しみながら登ることになった。紅葉と言うよりも黄葉が主体だったが、黄色の美しさも悪くなかった。この尾根でもときおり展望があり、西には和田山が姿を見せていた。また銅山の背後に藤無山を見るようになった。紅葉を愛でながらの登りが続いて山頂が近づくと、周囲にアセビが増えてきた。そのアセビの中に倒された共同アンテナを見ると、その先が山頂だった。山頂もアセビが増えており、休めるスペースは少なくなっていた。また展望も悪くなっていた。それでも氷ノ山は木々の隙間から山頂を覗かせていた。比較的良く見えていたのは東から南東にかけてで、その中では粟鹿山の端正な姿が目立っていた。山頂では始め三角点のそばで休んでいたのだが、そこは少し北風を受けることになり休んでいると肌寒くなってきた。そこで風を避けられる南面側に移ってそちらで休憩をやり直した。陽射しの下では20℃を越えていると思える暖かさがあり、風も無く良い感じで休憩出来た。その快さに少しばかり昼寝も楽しんだ。久々の御祓山山頂を楽しむと、下山はすんなりと往路を戻った。再び紅葉を愛でながらだった。午後の光に照らされて、紅葉は一段と鮮やかになったように思われた。そしてみづめ桜を過ぎて順調に下っていたところ、少しヤブっぽくなっている所でコースを外してしまった。道が消えたことで誤りに気付いたが、ガーミンが無ければコースに戻るのに手間取っていたと思われた。それこそ山慣れしていないみづめ桜を目的としたハイカーなら、道誤りで難儀したのではと思われた。みづめ桜までのコースは再整備が必要のようだった。後は順調で、無難に東屋に戻って来ると、後が坂尻川沿いを歩いて登山口へと戻って行った。
(2018/11記) |