この日は高坂峠から縦走路を歩いて、入相山を越して笠形山まで歩く予定だった。ところが神崎町が近づくと、雲が増えてきた。神崎町の高い山にはガスさえかかっていた。それでも天気が良くなる気配はあったので、予定通り高坂峠に向かった。車は旧県道8号線に入って高坂峠まで進めたかったが、まだ新車だったためアクシデントを避けて高坂トンネルを抜けた先の駐車スペースに車を止めた。そこは以前は「松が井の水」の取水場だった所だった。駐車地点から旧県道8号線の合流点までは10メートルほどの距離だった。旧道は舗装された林道と言えそうな趣があった。その緩やかな道を登って行く。車の轍を見たが、峠までの中間地点にあるもう一つの「松が井の水」が目的ではと思われた。20分少々歩いて高坂峠に着いた。上空を見ると、天気が回復する気配は無くなっており、逆に雲は厚くなっているようだった。笠形山の方向を見ると、ガスはずっと低い位置まで下りていた。どうやら笠形山はガスに包まれていると思えた。そこで高坂峠から縦走路には入らず、峠の位置から分岐する林道を歩いて、空模様の変化を見ることにした。最悪は入相山のみで止める気持ちも起きてきた。その林道は作業道程度のもので荒れていた。ほぼ平坦だったが、何カ所かで崩壊があり、土砂が路上に滞積していた。車の通行は無理と思えた。その荒れ道を20分ほど歩くと、立派な舗装路に合流した。広域基幹林道笠形線だった。その基幹林道を歩き出すも縦走路からはかなり離れており、しかも山襞なりに作られていたのでくねくねしていた。合流してからは少し下り坂でもあった。これでは笠形山へは遠回りしていることになるし、上空はすっかりガス雲だった。これでは入相山もガスのように思われた。もうこの日の登山を中止しようかとさえ思ったが、入相山だけでも山頂を踏むことに予定を切り替えた。丁度その地点より主稜線へと続く支尾根が見えたので、それに取り付くことにした。支尾根には小径が付いており、けっこう気楽な登りだった。ただこの日の湿度は高く、大いに汗をかいての登りだった。小径は入相山には向かわず北の方向に延びていたので、むしろ高坂峠に戻る方向に歩いた。そのため遠回りで入相山に向かうことになった。登りきって主稜線に合流すると、縦走路に出会った。その辺りはうっすらガスが漂っていた。やはり入相山もガスのようだった。山頂での展望はすっかり諦めて、とにかく入相山を目指した。縦走路は荒れた所はなく、至って歩き易かった。まずは無難に山頂に到着した。山頂はガスがかかったり消えたりで、ガスが立ち込めることは無かった。9年ぶりの山頂は相変わらず雑木に囲まれており、北東方向に僅かに切れ目があるだけだった。休むうちにガスはほぼ消えたが、全体にモヤの強い視界で、妙見山がうっすら見える程度だった。展望は諦めて、昼食の後は昼寝と決め込んだ。ただ入相山の山頂を目指した気持ちの中に、前回以上の展望を得たい思いがあったので、一眠りした後は展望を探るため尾根を北へと辿ってみることにした。相変わらず歩き易い縦走路だった。北東隣のピークを越し、その先で展望地が現れた。それは西の方向で。南西に障子場から北の飯森山まで広く眺められた。西の方向は東の方向よりもモヤは少なく、まずまずの視界だった。ガスは遠方の山並みにはかかっていたが、白岩山は見えていた。その眺めに接して、少しはこの日の登山に満足することが出来た。帰路はそのまま縦走路を辿って戻った。縦走路は662mピークから先は稜線から離れて西側の斜面に付いていた。旧県道に出ると、後は旧県道を歩いて駐車地点へと戻った。
(2003/9記)(2026/1写真改訂) |