TAJIHM の 兵庫の山めぐり <西播磨編 
 
総検行山 823.7m
そうけんぎょうざん 美作市(岡山県)・佐用町
郷鴫山 783.7m
 ごうしきやま 佐用町
 
1/2.5万地図 : 千種
 
【2016年4月】 2016-29(TAJI&HM)
 
    《総検行山》 郷鴫山へと続く尾根より 2016 /4 《郷鴫山》 北向かいの789mピークより  2016 / 1

 2016年4月に入ってすぐのこと。ネットで国土地理員の地図を眺めていると、後山の南に全く知らない山名が載っていた。総検行山とあり、どの山のことかと調べると、兵庫岡山県境にある824mピーク(点名・杉ノ奥)のことだった。何らかの理由により、地図に山名が表記されたようだった。今少し情報を得ようとガイドブックの「佐用ハイキング」を見ると、そちらに総検行山の名は無かったが、県境尾根はハイキングコースになっており、総検行コースと名付けられていた。またビューラインの名前もあり、展望コースになっているようだった。県境尾根は20年ほど前に歩いていたが、おぼろげな記憶では展望が悪かったはずで、どのように変わったのかとそのことの方に興味が湧き、登ってみたくなった。そこで翌日の2日に早速向かった次第だった。
 ナビが示すままに車を走らせると、中国自動車道から鳥取道へと入り、大原ICで降りることになった。そして国道373号線を古町交差点で右折して国道429号線に入ると、兵庫県境へと向かった。奥海乢に着いたときは9時半で、駐車地点は近くになった路肩が広くなった所とした。県境尾根の入口が登山口になっており、愛の村ビューラインの標識が立っていた。その標識には総検行コースの名もあった。そこから始まる山道は、ごく易しい道だった。この日は快晴で、空気が爽やかとあって気持ちの良いハイキングだった。但し周囲の木々は裸木のままだったので、雰囲気としては冬のハイキングのものだった。周囲の木々はけっこう伐られていたので、ゆったりと歩けた。ミツマタの木が目に付いたが、ちょうど満開だった。青空の下で見る黄色い花が鮮やかだった。歩くうちに後山の尾根を樹林を通して眺められるようになった。この尾根道には「ビューライン」の標識をよく見たのだが、その名の通りに登るうちに展望が良くなり、後方に日名倉山が眺められた。そして素晴らしい展望地が現れたのは819mピークの先で、そこにはパノラマ図が立っており、北に向かって遮るものの無い展望が広がっていた。雄大なのは後山から駒ノ尾山へと続く尾根で、立つ位置を変えると北西には那岐山も望まれた。そして足下には後山集落の美しい佇まいが広がっていた。この風景を見せるがためにビューラインとして登山道が整備されたものと思われた。そのビューポイントの先が総検行山の山頂で、数分歩くだけで到着となった。ただそこは四等三角点があるだけで、特に展望が良いとは言えなかった。すぐに総検行山を後にして、郷鴫山に向かった。それまでは「ビューライン」の標識があったのだが、ただピンク色の目印テープを見るだけとなった。またコースは少し荒れ気味となり、行く手を何度か倒木が塞いでいた。それも進むうちに優しい雑木林の風景となり、良い感じで歩けた。尾根を歩くようになると東に展望が現れて、後山から日名倉山までがすっきりと眺められた。やはりビューラインと呼んでも良さそうだった。郷鴫山へと尾根を辿って行くが、郷鴫山の少し手前で789mピークを持つ尾根が派生しており、寄り道として789mピークに立ち寄ることにした。ススキが増えてきて、ススキをかき分けるようにして歩くようになった。ススキは伐採後に生えてきたもので、高い木が無いとあってこの尾根も展望が良かった。789mピークもススキが繁茂していた。そこに立ち寄ったのは郷鴫山を間近で見たいためだったが、南の方向は少し木々が邪魔をしていた。それでも倒木があって何とか郷鴫山を望むことが出来た。尾根に戻って郷鴫山を目指す。程なく鋭いピークへの登りが始まったが、それは郷鴫山の手前にある790mピークで、そちらの方が数メートルほど高いようだった。そのピークが近づいたとき、ピークのそばを巻くように通過すると、郷鴫山が間近となった。鞍部へと下り、そして最後の登りにかかる。それにしてもそこまでの尾根道は倒木も多くあってけっこうマイナーな雰囲気だった。それも悪くないと思いながら郷鴫山の山頂に着いた。そこも好展望地で、北に向かって気持ちの良い展望が広がっていた。その風景を見ながら昼食としたが、尾根歩きの間に雲が増えており、青空はほとんど見られなくなっていた。さて下山だったが、その先に登山道は無かった。そのためガイドブックでは往路を引き返すことになっていたが、東に県道が走っているので、そちらに向かって適当に下ることにした。近くで送電線が東西に走っており、その送電経路で歩くことにした。始めは雑木ヤブを歩いたが、少し下るとスムーズに進めるようになった。程なく送電塔(山崎智頭線48番)に着くと、そこはけっこう展望が良く、南に広がる佐用の山並みが一望出来た。そこから巡視路があることを期待したが、見当たらなかったため、あくまでも送電線の下を歩いて行くことにした。その先は落ち葉で地表が隠された急斜面だった。谷筋に近づくと、そこはミツマタの花で埋められており、辺り一面が黄色くなっていた。またタムシバの真っ白な花もよく目にした。その後は谷筋を下って行くが、一度途切れたミツマタの群落がまた現れ、先ほど以上の壮観さだった。その先で送電経路は谷筋を離れたので、山襞なりに歩いて行くと、次の送電塔(山崎智頭線47番)が現れた。そこまで来ると県道は近く、県道沿いの奥土居集落が南に見えていた。そこからはネット沿いに下ることになり、一度植林地に入った後、県道に下り着いた。後は県道556号線を北へと歩いて奥海乢に向かうのだが、距離がある上に標高差は200mほどあったので、ちょっと気合いを入れて歩くことになった。その県道沿いの山の斜面がこれまたミツマタの花で見事に飾られていた。場所によっては斜面全体が黄色くなっており、ミツマタ街道と呼んでもよさそうで、何度も足を止めて見入ったものだった。そのミツマタも途中からは見られなくなり、ただひたすら上り坂を歩くのみ。漸くの思いで奥海乢に戻ってきたときは、県道を50分ほど歩いていた。
(2016/4記)(2020/7改訂)(2024/5写真改訂)
<登山日> 2016年4月2日 9:39奥海乢スタート/10:16〜24展望台/10:27総検行山/11:06[789m]ピーク/11:36〜56郷鴫山/12:05[48番]鉄塔/12:42[47番]鉄塔/13:01県道に下り着く/13:49エンド。
(天気) 朝の空は快晴だった。尾根の気温は16℃あり、空気が爽やかだった。視界はまずまず良かった。郷鴫山に近づくうちに雲が増えてきた。郷鴫山の気温は18℃で、風はほとんど無かった。下山中に雲は更に増え、県道を歩いているときはすっかり曇り空だった。
<< Photo Album 2016/04/02 >>
県境の奥海乢に登山口があった 登山口に「総検行コース」の標識を見た 自然な登山道を登って行く
道そばで満開のミツマタを見た 青空の下で見るミツマタの花はきれいだった 木々の向こうに後山の尾根が眺められた
登山道では「ビューライン」の標識をよく見た 前方に見えてきたのは819mピークのようだった 植林地を登ることがあった
新緑が芽生えだした木を見かけた 少し木が伐られたようだった 「ごうしき山」の標識もあった
819mピークが近づいてきた 振り返ると、日名倉山が姿を見せていた 傾斜がきつくなってきて、ロープを掴んで登った

(←)
819mピークが
目前になった

 (→)
  819mピークに
  着いて、漸く総検
  行山が見えてきた

(←)
総検行山に向かっ
て休まず尾根歩き
を続けた

 (→)
  中間地点に来ると
  そこは素晴らしい
  展望地だった

北に向かって遮る
ものの無い展望が
広がっていた

後山の尾根が雄大
だった

船木山と後山の並
ぶ姿を大きく見る


植松山の方向を大
きく見る

立つ位置を変える
と北西には那岐山
がうっすらと眺め
られた

那岐山にはガスが
うっすらとかかっ
ていた

大倉山の尾根を大
きく見る

(←)
陽射しを受けて明
るい駒ノ尾山を見


 (→)
  足下で美しい佇ま
  いを見せるのは後
  山集落だった

(←)
南には郷鴫山が山
頂を覗かせていた

 (→)
  郷鴫山を少し大き
  く見る

(←)
展望地を離れて総
検行山に向かった

 (→)
  すぐに総検行山の
  山頂に着いた
山頂の四等三角点(点名・杉ノ奥)を見る 山名標識は点名が書かれていた 郷鴫山の方向を示す標識に従って、南に向かった
少し尾根を外して歩いた 倒木が多くなり、マイナーな雰囲気となった コースの分かり難い所がありピンクのテープを追った
優しげな雑木林の中を歩くようになった 良い雰囲気だった 尾根を歩くようになると、また展望が現れた
ススキが増えてきた 満開のアセビを見た 尾根は緩やかだった

郷鴫山に向かって
いると、左手に尾
根が派生した

その尾根の789
mピークに立ち寄
ることにした
尾根は伐採地だったが、ススキが繁茂していた 北に向かって展望が広がってきた 先ほど立っていた総検行山も見えていた

(←)
789mピークに
着くと、南に郷鴫
山が望めた

 (→)
  コースに戻って郷
  鴫山に向かった
この尾根でも満開のミツマタを見た いつの間にか、上空は雲が広がっていた 倒木を越すことがあった
向かう先に郷鴫山が見えてきた ススキの茂る所を通る 木が伐られた所を通る
790mピークに近づいた 790mピークを過ぎて、次は郷鴫山だった 郷鴫山が間近になった

(←)
曇り空の下、郷鴫
山に着いた

 (→)
  三等三角点(点名
  ・奥海)を見る

郷鴫山も好展望地
だった

総検行山の尾根の
背後に後山が眺め
られた
上の写真に写る総検行山を大きく見る 総検行山の右手にパノラマ図がはっきり見えていた  日名倉山を大きく見る
近くに送電塔が見えていた その送電経路を下山ルートにすることにした 送電塔に向かうが、登山コースでは無いので少し歩き難くなった 少し下るとスムーズに歩けるようになった
送電塔(山崎智頭線48番)の建つ位置に出た 南に展望が広がっていた 南に見えていたのは大撫山だった
送電塔のそばから郷鴫山を振り返った スミレが咲いていた そこからは送電線の下を下って行くことにした

(←)
始めに斜面を下っ
たが落ち葉で埋め
尽くされていた

 (→)
  足下にミツマタの
  群落が現れた
ミツマタのそばを下って行く ちょうど見頃とあって一輪一輪がきれいだった タムシバの白い花もあちらこちらで咲いていた
タムシバの花を近くで見た 谷筋を下った またミツマタの群落が現れた

(←)
沢筋を離れて送電
経路を追った

 (→)
  次の送電塔(47
  番)に着いた
南に見えていたのは奥土居集落だった 北東には日名倉山も望めた 送電塔からはネット沿いを下った
少し下ると県道が見えてきた 最後は植林地を抜けることになった 無難に斜面を下りてきた
県道556号線を北へと歩いて奥海乢に向かった 県道の周囲もミツマタの群落だった そばの佐用川も渓谷美を見せていた

ミツマタの群落が
続いて、まさにミ
ツマタ街道だった

斜面を総てミツマ
タに覆われている
所もあった
沢でもミツマタの花がよく咲いていた 次第にミツマタは見られなくなった 日名倉ハウスの前を通った 奥海乢が漸く近づいてきた 奥海乢に着いたときは林道歩きを始めてから50分が経っていた