TAJIHM の 兵庫の山めぐり <丹波
 
三嶽    みたけ 793.2m 丹波篠山市
 
1/2.5万地図 : 宮田
 
【2017年1月】 No.2 2017-16(TAJI&HM)
 
   丹波篠山市小多田より  2017 / 1

 2017年1月の最終土曜日は、久々に多紀アルプスの主峰、三嶽を登ろうと丹波篠山市に向かった。この日は兵庫全域に渡って快晴で、デカンショ街道から見る空に雲はほとんど見られなかった。しかも濁りの無い青空だった。雪に関しては少しは雪の上を歩く程度だろうと考えて、スパッツだけは準備していたのだが、丹波篠山市内に入ると田畑は雪で白くなっていた。また除雪され雪が道そばに続いていた。登山口の火打岩に着くと辺りはすっかり雪景色で、登山者用駐車場には一台の車も止まっていなかった。これでは麓から登るのは相当厳しいように思えて、除雪されているのを幸いに大タワまで車を進めることにした。その峠までの道は除雪された雪で狭くなっており、車一台分の幅で続いた。しかも路面に雪の残っている所もあって慎重に車を進めた。それでも対向車に出会うことがなかったので、無理なく大タワに到着出来た。峠の駐車場には2台の車を見たが、1台はすぐに下りてしまった。もう1台に乗っていたハイカーは小金ヶ嶽に向かったので、三嶽に向かうのはパートナーと二人だけとなった。大タワから登るとなると、もう単純に西へと真っ直ぐ尾根を登るだけであり山頂と峠との標高差は280mでしかなかった。しかもコース上にはこの日に歩いたトレースを見たので、これなら無理をすれば西ヶ嶽まで歩けるのではと思いながらスタートした。登山口辺りは雪が少なくトレースを追わずとも歩けたが、すぐに雪は増えてきた。そこでトレースを忠実に辿ることにした。そのうちに尾根の傾斜が増してきて、急斜面を登るようになった。その急斜面は丸太の階段道があって無雪期は易しいコースなのだが、積雪は50センチ以上になっており、階段はすっかり雪の下だった。そのためどこに段差があるのか全く分からず、普通の斜面よりも登り難くなっていた。トレースを踏み外すと、ときに膝まで潜ることがあった。それでもトレースを辿るとあって、自分でラッセルすることに比べればずいぶん楽と言えた。そのトレースが急斜面の途中で消えてしまった。どうやら深い雪との格闘に疲れて引き返したようだった。その先にもトレースはあったが、それは前日までのスノーシューによるトレースで、コースの目印にしかならなかった。こうなるとツボ足で一歩一歩踏みしめるようにしてラッセルするしかなかった。多量の雪を想定していなかった上にラッセルとなったことで少し心が折れそうになったが、大タワコースは距離が短いとあって、我慢の登りを続けることにした。前方に岩場が見えてそこを巻くようにして越すと、漸く尾根は緩んできた。振り返ると小金ヶ嶽が目線と同じ位置に見えていた。尾根が緩くなってもラッセルすることに変わらず、スノーシューの跡を追って山頂へと向かった。前方に見えているのは山頂手前のピークで、そこに着いて漸く山頂が見えてきた。そこまで来ると北の方向に京都丹波の山並みを見るようになった。その先で少し下ると石造りの祠が現れた。もう山頂まで100mほど残すだけだったが、スノーシュートレースは祠までで、その先は真っ白な雪面を見るだけだった。本当にラッセル状態となり、好きな所を歩いて山頂へと近づいた。そして御嶽山中継局が建つ山頂に着いたときは、歩き始めてから一時間半が経っていた。三角点は60センチ以上はありそうな雪の下とあって確認するのは諦めて、山頂からの展望を楽しむことにした。その展望だが、京都方向は少し望めたのだが、兵庫丹波の山並みは木立に遮られていた。そこで山頂に立つ手頃な木に登ってみたところ、思いのほか好展望が広がって、大野山から白髪岳、妙見山までの山並みを楽しんだ。その山頂はただ雪面が広がるのみだったので、昼休憩は少し戻って祠の位置でとることにした。尾根で測ったときの気温は3℃だったのに、そこは陽射しをいっぱい受けるとあって11℃まで上がっていた。しかも風が無いとあって良い感じで休憩出来た。もう西ヶ嶽まで歩きたい気持ちは消えていたので、下山はすんなりと歩いてきた尾根を戻ることにした。その下山では何人かのハイカーとすれ違ったが、誰もがこの雪の量を想定していなかったようで、ツボ足で苦労して登っていた。雪の下山は勢いのまま下れるので、休まず下って行くと祠から44分で駐車場に戻ってきた。上空は快晴が続いており、本当にこの日は行楽日和だった。この後は時間も十分にあったので、丹波篠山の市街地に入り、レトロな町並みの散策をしたり篠山城跡から三嶽を眺めるなどして観光気分を味わった。
(2017/2記)(2019/2改訂)(2020/4改訂2)
<登山日> 2017年1月28日 10:55大タワ駐車場スタート/12:22石の祠/12:26〜47山頂/12:50〜13:10石の祠で昼食/13:54エンド。
(天気) 快晴。雲はほとんど見られず、澄んだ青空が広がっていた。樹林帯の気温は3℃ほどだったが、山頂は陽射しをいっぱい受けているとあって11℃まで上がっていた。風は少し吹く程度。視界はややうっすらとしており、遠方ははっきりしなかった。
<< Photo Album 2017/01/28 >>
国道372号線を走っているとき、北に目を向けると多紀アルプスが快晴の下に眺められた

(←)
三嶽と西ヶ嶽の並
ぶ姿を見る


  (→)
   夏栗山と黒頭峰の
   並ぶ姿を見る
三嶽へと近づくと、白くなっているのが良く分かった 大タワまでは除雪されていた 大タワの駐車場から三
嶽の方向を眺めた
駐車場を離れて三嶽の登山口着くと、少し遅れてスタ
ートしたパートナーを待った

 登山口から尾根の
 方向を眺めた

 山頂まで1.2km
 だった
始めはトレースを追わずとも歩けた 始めはトレースを追わずとも歩けた 陽当たりの良い所は地表が見えてきた
トレースを追うので無理なく歩けていたが 尾根の傾斜が増すと、膝まで潜ることが増えてきた
そして突然ツボ足のトレースは消えてしまった
後は自分でラッセルして登るしかなかった 一気に
歩度が落ちてしまった
そのラッセル跡をパートナーが付いて来る 尾根が岩場になると、巻くようにして登った 尾根に戻って尾根登りを続けた
振り返ると小金ヶ嶽が目線の高さで見えていた 尾根が緩んできた 前方に山頂手前のピークが見えて来た
上空に雲はほとんど見られなかった 北に展望が現れて京都丹波の山並みが望めた 尾根は緩やかだったが、灌木の小枝が煩わしかった
小動物の足跡をよく見た これはイタチだろうか 次第に上り坂になってきた 前方が明るくなってきた 小ピークに着いたようだった

 小ピークに着いて
 漸く山頂が望めた

 漸く南の方向に展
 望を得た

 山頂との鞍部に石
 造りの祠が建って
 いた

 石の祠に近づいた
祠から先には古いトレースも無かった 傾斜が緩いので適当に登った 前方に建物が見えてきた

 山頂に着くと、建
 っていたのは御嶽
 山中継局だった

 三角点の辺りは雪
 が高く積もってお
 り、探す気にはな
 れなかった
南の展望を期待したのだが、木々に隠れ気味だった そこで間近にあった木に登ってみたところ一気に展望が広がった
上の写真に写る三国ヶ嶽から白髪岳までを大きく見る
大野山を大きく見る 三国ヶ嶽を少し大きく見る 山頂そばのこの木に登って展望を楽しんだ
白髪岳の方向を大きく見る 妙見山の方向を大きく見る
西の方向にも展望が得られた 左の写真に写る千ヶ峰を中心として少し大きく見る

 上の写真に写る
 三国岳の辺りを
 大きく見る

    東の方向にも展
    望を得た
北の展望も良かったが、こちらは別の場所で楽しむ
ことにした
山頂を後にすると、引き返して石の祠で昼休憩説い
た パートナーが先について待っていた
昼食後はそばの岩場から北側の展望を楽しんだ
岩場からは全く遮るものの無い展望が得られた 残念だったのは青い空にもかかわらず遠方の視界が少しうっすらとしていたことだった
上の写真に写る粟鹿山の方向を大きく見る 親不知の背後に二つの床尾山が見えていた

 三岳山の方向を大き
 く見る その右手は
 大江山の尾根だった
鹿倉山を大きく見る 弥山山を大きく見る 三峠山を大きく見る
長老ヶ岳を大きく見る 石の祠を離れて下山の途についた 東の方向にすっきりと展望が現れた

 小金ヶ嶽の方向
 を大きく見る

 小金ヶ嶽の山頂
 を大きく見る
上の写真の八ヶ尾山を大きく見る 左上の写真に写る地蔵岳を少し大きく見る 自分のトレースを追って下って行く
登山者とすれ違うようになり、トレースも大きくな
った
ときおり前方に小金ヶ嶽を見た 急斜面に入って、ロープに掴まりながら下った
雪の急斜面はどんどん下れた 小金ヶ嶽が現れると見上げるようになっていた 急尾根は終わって、緩斜面となった
雪も減ってきた 大タワの駐車場が見えて来た 車道を挟んで東に小金ヶ嶽の登山口が見えていた