TAJIHM の 兵庫の山めぐり <中播磨編
 
大天井岳 (雪彦山) 811.1m 姫路市夢前町
 おおてんじょうだけ
1/2.5万地図 : 寺前
 
【2010年1月】 2010-04(TAJI&HM)
 
    南麓の坂根集落より  2010 / 1

 雪彦山と言えば、大天井岳の姿が思い浮かぶ。この大天井岳だけを目指せば1時間ほどで山頂に立てるので、急峻な姿にしては短い時間で山頂に立てる山と言えそうだった。ただその短い時間でひたすら一所懸命に登ることになり、ロープ場、クサリ場、手を使っての岩場登りもあって、けっこう中身は充実している。2010年正月休暇の最終日は、この大天井岳に向かった。ちょっと食べ過ぎですっきりしない体に活を入れたいと思ったとき、大天井岳が思い浮かんだものである。
 よく晴れた空の下、いつもの通り賀野神社へと車を進めた。この日はパートナーは仕事始めとあって、単独行動となった。賀野神社の駐車場には数台の車が止まっていたが、入れ替わるように立ち去った。初詣に来ていたようだった。この日はいつものコースを写真を撮りながらのんびり歩く予定だった。いつものコースとは、賀野神社から歩き出して坂根の登山口に下りる。その後は登山コースのままに登って、出雲岩経由で山頂に立つ。そして山頂で昼を済ませて、下山の最短ルートとなる虹ノ滝コースを下って林道に出る。そして賀野神社に戻るというコース設定だった。よく晴れている割には冷え込みは少なく、少しひんやりとしている程度の中、林道歩きでスタートする。登山口までゆっくりと30分かけて下りた。登山道を登り始めると、以前のままの佇まいだったが、コース標識や目印が増えていることに気が付いた。少し赤矢印が目立ち過ぎるきらいはあったが、多くの人が登る山だけに仕方のない事と言える。陽射しの当たる尾根を登っているうちは、木陰に僅かに雪を見るだけだったが、出雲岩が近づいて陽射しを受けにくくなると、登山道上にちらほら雪を見るようになった。出雲岩を過ぎると山かげを登るようになったため、白さが目立ってきた。但しうっすらと積もっているだけなので、特に気になるほどでも無かった。覗き岩を過ぎると陽射しを受けて岩場を登るようになり、気持ちよく登って山頂へ。写真を撮りながらゆっくり登ったので、登山口から山頂まで70分かかっていた。これだけゆっくり登れば足に疲れは無く、いたって気楽だった。天気は良く、まだ正月休暇の人も多いと思われたので、そこそこ人と会うと思っていたのだが、登る途中で人を見かけることは無く、山頂でも一人を見るだけで、何とも静かなものだった。大天井岳に立てば、南に広がる展望を見るのが楽しみとなるが、この日の視界は少しうっすらとしており、瀬戸の島が薄ぼんやりと見えるにとどまった。ところでこの山頂に立つまでは、下山のコースは虹ノ滝コースと考えていたのだが、山頂にあった案内板に書かれていた新しい登山道が気になった。それは虹ノ滝コースの少し北に作られたもので、「新下山道」の名が付いていた。少しある雪を見て、虹ノ滝コースのクサリ場は注意せねばと思っていたのだが、この新下山道に興味を持って、これを下ることにした。山頂の雪は多い所で10センチほどあり、これが北側では少し凍り気味になっていた。そこは急斜面の下りだったため慎重に下ったが、特にアイゼンを必要と感じるほどでも無かった。急斜面を下りきると、その先は雪道ながらごく普通に歩いて行けた。尾根の縦走コースを辿って行くと、程なく新下山道の分岐点に着いた。大きな案内標識があったので、見落とす心配は無かった。この下山道は支尾根に付いており、ごく無難に下って行けた。急傾斜の所にはロープも張られており、虹ノ滝コースと比べると、かなり楽と言えそうだった。分岐点から20分ほどで沢そばに下り着いた。後は沢沿いの道を7,8分下ると、虹ノ滝コースに合流した。新下山道は地蔵岳に立ち寄る楽しみは無いが、多くの人は大天井岳の山頂が目的なので、下山は楽に下れる新登山道が主流になっていくのではと思われた。後は林道に出て、数分歩けば賀野神社だった。この日の登山を振り返ると、やはり山頂が近づいたときの岩場登りは面白く、また新登山道を歩くという新鮮さも味わえたのは良かった。大天井岳登山はやはり楽しかったの思いで帰路についた。
(2010/1記)(2020/8改訂)
<登山日> 2010年1月4日 10:14賀野神社スタート/10:44〜47登山口/11:03〜06展望岩/11:19[A−4]ポイント/11:28〜32出雲岩/11:50馬ノ背/11:56〜12:41山頂/12:51新下山道/13:11沢そばに下り着く/13:19沢を渡る/13:35林道に出る/13:42エンド。
(天気) 少し雲がある程度で、穏やかに晴れていた。風は少し吹く程度。気温は4℃前後。登るほどに雪が見られたが、山頂でも10センチまでだった。視界は南の方向が少しうっすらとしている程度で、悪くもなかった。
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賀野神社を後にして林道を下って行く 林道から足下に坂根集落を見る 林道からは何カ所かで大天井岳が眺められた
登山口に着く コテージが明るい陽に照らされ
ていた
登山道を登り始めたとき、小さな祠を見る 周囲は手入れの悪い人工林だった
自然林が増えてきて、大きな岩も現れる 木の根が大きく露わになっている 展望岩に着いて大天井岳を見上げる
行者堂跡を通る 暫くは緩やかな道が続く ガンバレと書かれた木を見る
急坂部を登って行く 大岩の前に出るとそこからは左手にトラバース
する
龍王講と書かれた位置を通り過ぎる
出雲岩に着いて岩壁を見上げた 岩伝いに出雲岩を抜けて行く 山かげに入ると、一気に雪を見るようになった
岩場の登り始めは、クサリを掴んでだった 覗き岩のそばは展望地だった 覗き岩を通り抜ける
うっすらと付いた雪を踏んで行く 新たにロープの張られている所があった 岩場登りが続く
馬ノ背を通り過ぎて振り返る 山頂が近づいてきた 山頂に出る 祠が一つある変わらぬ風景だった
山頂に立って東から南、南西の展望を楽しむ この日の視界は少しうっすらとしていた
上の写真の七種山を大きく見る 上の写真の明神山を大きく見る

 南東方向の低い位
 置に賀野神社を見
 る

 明神山の右手遠く
 に瀬戸の島を見る
西にウリュウドを見る 山頂から北に天狗岩を見る 左の写真で小さく見えている黒尾山を大きく見る

 山頂の北側にも
 展望地があった


   北側の展望地より
   北の尾根を眺める
右上の写真の右手となる北東方向を見る 千ヶ峰を大きく見る
山頂を離れると急斜面を下るが、少し凍っていた 陽の当たる所は雪は少なかった 程なく新下山道の分岐点に着く
新下山道は支尾根に作られていた 急坂部にはロープが付けられていた 沢そばに下り着いた
沢の右岸を登山道は続く きれいな滝を見る 地蔵岳そばを通るコースと合流した ここで沢
を渡る
陽射しをいっぱい浴びた登山道を歩いて行く 木立を通して不行岳が見えていた この丸太階段を上れば林道に出る
後は林道を歩いて駐車地点に戻るだけだった 赤い実をいっぱい付けたイイギリを見る 賀野神社の境内に立って、大天井岳を見上げる