大天井岳を楽しむにはやはり坂根登山口から入って出雲岩から馬ノ瀬へと岩場コースを登るのが一番と思えるが、簡単に山頂に立とうと思えば賀野神社に近い林道の展望台を起点として、虹ヶ滝から新下山道コースを登ってとなりそうだった。それでは少々もの足りないので、虹ヶ滝からは沢沿いを北へと向かい、鉾立山を含めて周回コースとすればハイキングとして適度になるのではと思えた。その考えで向かったのは2018年11月の文化の日だった。
大天井岳を休日に登るのは久々だったが、坂根登山口に着くとまだ7時半を過ぎたばかりの時間なのに、駐車場には20台ほどの車が止まっており、ほぼ満車状態だった。こちらはその先の雪彦峰山林道に入って賀野神社の先にある展望台のそばに駐車とした。普段はそこに車を見ることはほぼ無いのだが、この日はそこにも5台ほどの車を見た。どうも大天井岳はけっこう人気があるようだった。朝の空は素晴らしい快晴で、澄んだ空に雲はほとんど見られなかった。視界も澄んでおり絶好の登山日和だった。その展望台のそばから遊歩道が始まっており、すぐに坂根登山口に通じる下山路コースに合流した。その下山路コースを逆に歩いて虹ヶ滝のある沢に出た。沢の右岸側にも左岸側にも登山道はあるのだが、左岸側は橋の崩壊で通行禁止になっていた。そこで沢を渡って右岸側に出ると、そちらの小径を北へと歩いた。虹ヶ滝のそばを過ぎた先で新下山道コースが左手から合流した。そこまでは岩場が多かったが、その先は易しく歩けるようになった。その沢沿いコースは水害があったようで、登山道が崩れていたり倒木が行く手を塞ぐことがあった。ただ倒木帯は通り道が作られており、跨ぐこともなく無難に通過出来た。周囲は植林が多いものの自然林も見られて、その自然林は色付きが進んでいた。沢沿いコースは沢を渡ることがあり、二度目の左岸側に出た後に登山道の傾斜が増してきた。そして沢がはっきりしなくなると、程なく尾根上に出ることになった。その尾根との合流点に着いてみると、そこには真新しい林道が来ており、様変わりしていた。林道は尾根を境に北西方向と南西方向とに分かれていたが、その林道工事で木が伐られたようで、ちょっとした展望地になっていた。南の方向の展望が良く、瀬戸内海まで一望だった。この日は視界が澄んでいるとあって小豆島も望めた。その林道から尾根への道も作られており、ごく簡単に尾根コースに入ることが出来た。左手前方には鉾立山が望まれて、その鉾立山へと尾根歩きを開始した。道ははっきりしており、適度な傾斜の上り坂だった。そして尾根に入ってから十数分で鉾立山山頂に到着した。そこにはグループが先着しており賑わっていた。鉾立山は北に向かって展望の良いピークだったが、樹木の生長により見える範囲は狭まっていた。それでも氷ノ山に三室山と兵庫を代表する高峰が望まれた。人の多いこともあって鉾立山では休憩をとらず先へと進んだ。緩く下って緩く登り返すと平らなピークに出たが、そこは三角点の位置では無くその次のピークで四等三角点に出会った。そこが三角点雪彦山のピークで、以前と同様に展望の無いピークだった。次は目的とする大天井岳で、三角点雪彦山よりも100mほど低いとあって概ね下り坂だった。尾根道は易しくもなかったが、まずは適度な歩き易さで歩いて行けた。途中で左手に新下山道コースが分かれ、大天井岳が近づくと旧下山道コースが分かれて、その先の岩場を登って大天井岳のピークに出た。狭いピークには10人以上のハイカーが休んでおり、少し離れた所にも数人が休憩していたので、まずまずの賑わいだった。こちらは南の展望が良い所で休憩とした。その南の方向は遮るものが無く瀬戸の海まで一望で、その風景をのんびりと楽しんだ。大天井岳で20分ほど休むと、引き返す形で下山に移った。北へと歩いて新下山道の分岐点まで戻ると、その新下山道へと入った。新下山道は旧道コースと比べると岩場を歩くことはほとんど無く、やや急坂程度で樹林の下りが続いた。赤テープや標識に従って下ると、新登山道に入って20分ほどで沢筋に下り着いた。その辺りの沢は沢床が広く現れており憩うには良い所だった。その沢床で少時の休憩を済ませると、後は沢沿いを下って虹ヶ滝のそばを通り、その先で沢を渡って対岸に出た。もう後は易しい道で、駐車地点まで10分ほどの距離だった。
(2018/11記) |