TAJIHM の 兵庫の山めぐり <北播磨 
 
三国岳    みくにだけ 855.1m 多可町・朝来市・丹波市
 
1/2.5万地図 : 大名草
 
【2004年6月】 No.2 2004-46(TAJI)
 
    大井戸山より  2008 / 10

 二度目の三国岳は2004年6月のこと。この日は朝から快晴の空が広がっていた。その空を見て三国岳の登山を思い付いた。前回の登山から10年以上経っており、常々生野町側からも一度は登ってみたいとの思いを持っていた。それと前回の山頂展望がモヤですっきりとしていなかったこともあり、この日の快晴の空を見て三国岳に心を動かされたものだった。そこで生野町へと向かったのだが、播州北部の空は雲に覆われていた。少し嫌な感じを持ったが、生野町へ入り銀山湖のそばを走っている頃には雲は少なくなり、はっきり快晴の兆しが見えてきた。銀山湖を過ぎて長野集落への道を進む。そして集落に着き、最奥へ進もうとしたところ、数台の車が車道を塞いでいた。仕方なく集落の手前に駐車スペースを見つけて駐車した。もう上空は快晴だった。集落内へ入って行くと、狩猟期を過ぎているのに大勢のハンターが集まっていた。生野町の特別許可をもらっているらしかったが、そのハンターの輪の中に仕留められた鹿が見えていた。その横を通り過ぎて林道に入った。林道はすぐに二手に分かれたので、左手の山中に向かう方を選んだ。このときに地図を確認しておれば、三国峠への林道は沢沿いだと気付いただろうし、左手の林道は地図に無い最近に出来たものと分かったのだが、早く山へ向かう気持ちがあったためか、山中へ向かう方を選んでしまった。暫く歩くうちに林道が真新しいことに気付いた。標識があり林道・三国ヶ峰線と名付けられていた。この時点で漸く地図を眺め、間違いに気付いた。しかしこの林道にも興味があって進むことにした。すると程なく林道は終わってしまい、辺りは全て若木の植林が広がる風景になった。この植林のための作業道だったようである。その先はというと、小径が植林地内に付けられているのが見えたので、それをとにかく登ることにした。急斜面の山肌をどんどん登って行くと、一気に周囲の山並みが現れた。生野町と神崎町の町境尾根などが見えていた。まずは山頂を目指すために休まず登りを続けた。そのうちに小径が怪しくなって来た。そして足下にイバラが絡まるようになった。それでもとにかく上へ上へと目指すと尾根に出た。害獣避けネットが尾根に沿って張られており、その向こうにはハッキリとした尾根道が見えていた。どうやら三国岳への登山道に出たようである。尾根道に出る前に、改めてこの尾根からの展望を楽しんだ。まだ植林は若いため視野を妨げるまでにはなっていなかった。おかげで生野高原を始め西には宍粟の1000m峰、右手遠くは氷ノ山、妙見山と、視野いっぱいに山並みが広がっていた。害獣避けネットに架かるハシゴを登って登山道に出た。後は尾根を登って行くだけだった。東は喬木となった植林帯で、西は若木の植林帯が続き、程なく山頂に着いた。10時前とあって無人の山頂だった。そこは喬木の植林が占めており、東方向に僅かながら切り開きがあって、竜ヶ岳から篠ヶ峰の尾根が覗いていた。二度目の山頂だが、兵庫50山に選ばれた関係なのか人の訪れが多くなったようで、登頂記念のプレートがやたらと目に付いた。数えると9個がぶら下がっていた。せめて山名だけの標識一つにしてもらいたいものである。以前の記憶ではもっと展望が良かったと思い、少し尾根を北東方向へ歩くことにした。左手は植林帯で、右はカヤトの荒れ地が広がっていた。足下はササが多くて歩き難くなったが、東の展望が次第に良くなって来たので、一番展望の良さそうな位置を求めて今少しと歩いて行った。そして適当な所でカヤトの中に分け入った。以前よりも荒れ地はひどくなったようだが、展望は変わらず良かった。この日の空は十分に澄んでおり、目の前の岩屋山からカヤマチ山、そして竜ヶ岳、篠ヶ峰へと続く尾根だけでなく、遠くは京都丹波の山までがくっきりと見えていた。期待通りの展望に三国岳山頂で抱いたもやもやした気分はすっかり無くなり、暫しこの展望を楽しんだ。この後は尾根を播州峠方向へ向かうことも考えたが、この日の好天をもっと楽しみたく、三国岳は十分に山頂展望を楽しんだことでもあり、もう一つ別の山に登りたくなってしまった。そこで一時間と居らず下山することにした。下山は登山道を忠実に辿って、三国峠より長野集落に戻ることにした。この三国峠への尾根で数人の登山者とすれ違った。やはり名の通った山では人と会うものである。そして三国峠に着いたとき、そこに縦走路の案内板を見たが、それにはこの山域の尾根やピークに合戦尾根だとか槍ヶ峰など、色々と北アルプスに似せた名前が付けられていた。ちょっと遊びが過ぎるようで、もう少し地元らしい名前を付けられなかったものかと思ってしまった。峠からは長野集落へと沢沿いに道が続くが、こちらの道は人の訪れが少ないのか、あまり歩かれているようには思えなかった。そして長野集落に入ると、まだハンターが集まっており、どうやらもう一頭鹿を仕留めたようだった。
(2004/7記)(2009/7改訂)(2021/2写真改訂)
<登山日> 2004年6月13日 9:00スタート/9:46〜10:20山頂/10:40三国峠/11:10エンド。
(天気) ほぼ快晴の空。風が強く、少し冷たさが感じられた。山頂が近づくと更に強くなり、季節が一ヶ月は逆戻りしたのではと思えた。この風のおかげで視界は澄んでおり、空の色も青みが強く感じられた。
<< Photo Album 2004/06/13 >>
植林地を無理やり登って尾根に出ると、西に向かって広大な展望が広がった 左の写真に写る大持山を大きく見る
12年ぶりの三国岳山頂は、鄙びた感じが減っていた 山頂からの展望は狭く、東の方向のみが開けていた 山頂からは大井戸山も望めた
山頂より北東方向へ尾根を辿ると、すっきりとした展望が広がった
上の写真の岩屋山を大きく見る 上の写真のカヤマチ山を大きく見る

(←)
篠ヶ峰の方向を
大きく見る

  (→)
  千ヶ峰の方向を
  大きく見る

(←)
下山は三国峠へと
下ったが、南西方
向の展望を見る

 (→)
  下るほどに槍ヶ峰
  が立派に見えてき
  た