TAJIHM の 兵庫の山めぐり <中播磨
 
ウリュウド(馬ノ頭) 866.5m 姫路市
 
1/2.5万地図 : 寺前
 
【2014年7月】 No.3 2014-60(TAJI&HM)
 
    明神山より  2008 / 11

 梅雨どきは滝の水量が増すので、さぞかし鹿ヶ壺も十分な水量になっているのではと思えて、久々に訪れることにした。2014年の梅雨シーズンの最中、7月の第一日曜日のことだった。前日は雨がときおり降る天気だったが、この日は陽射しも現れるとの予想だった。ところが朝の天気予報は曇りに変わっていた。しかも夕方から雨となっていた。登山中は雨にならないだろうと予想して予定通り向かったのだが、夢前町の空は黒い雲が広がっていた。しかも高い山はガスに隠されていた。予想よりも悪い天気と言えそうだった。車は鹿ヶ壺山荘前の広い駐車場に止めることにした。案内板が立っており、すんなりと鹿ヶ壺への遊歩道に入った。キャンプ場のそばを通り、程なく鹿ヶ壺に通じる小径に入った。すぐに「尻壺」が現れて、後は階段になった遊歩道を歩いて、「五郎田壺」、「鹿ノ尾」と滝見物を楽しんだ。水遊びをするグループや沢登りのグループが来ており、やはり鹿ヶ壺は人気のスポットのようだった。その鹿ヶ壺の滝群を過ぎた位置で、遊歩道は沢筋を離れて千畳平方向に向かい出した。予定では千畳平から三角点雪彦山に向かうことにしていたのだが、遊歩道とは別に細々とながら沢沿いを杣道が続いていた。地図を見ると、そのまま辿って行けるのであれば、ウリュウドの近くに出られそうだった。その杣道に興味が出てきたこともあり、その杣道でウリュウドを目指すことにした。いざ杣道を歩き出すと、どうも失敗だったようで、沢沿いは山ヒルの巣窟だった。すぐに山ヒルが登山靴に貼り付いてきた。ショートスパッツを付けていたので、靴の中まで入られることは無かったが、なるべく立ち止まらないようにして歩いた。沢沿いの杣道はいつしか不確かになり、倒木も増えてきたので、沢を離れることにした。適当に斜面を登って行ったが、これがけっこう急斜面で、なかなかのハードさだった。いつしか支尾根を登るようになり、その支尾根が緩んできたので主尾根が近いのかと思っていると、その先でまた急尾根となった。なかなか主尾根は近づかないので改めて地図を見ると、鹿ヶ壺と主尾根との標高差は500mほどあった。その斜面にも山ヒルがいたので、どうやら雪彦山系は広い範囲で、山ヒルの生息地なっているようだった。いつしか辺りにはガスが漂い出していた。おまけに細かい雨粒も落ちてきた。かなりヘバりも出てきて、休み休み登るようになり、漸くの思いで主尾根に着いたのは、沢を離れてから1時間ほど経ったときだった。その着いた位置より南の方向が高いため、そちらに向かったところ、ごく僅かな距離でウリュウドの山頂に出た。そこは以前の面影は無く、アセビが見事と言えるほど茂っており、ササは全く見なかった。ただ三角点を中心に狭い範囲で開けていたので、そこで昼休憩とした。周囲は植林が占めて展望の無いのは以前と同じだったが、この日はガスの山頂とあって、僅かな展望も得られなかった。きつい登りで少々バテていたため、山頂では1時間近く休んでしまった。その休んでいる間に小雨となった。完全に天気予報は外れたようだった。そして下山だったが、往路を辿る気持ちは無く、千畳平へと通じる尾根を下ることにした。それは少し北の位置から西へと分かれる尾根で、16年前の1998年5月もその尾根を歩いているはずだった。引き返す形で主尾根を歩いて往路の合流点を過ぎると、緩やかな下り坂となり、予定の分岐点に着いた。そして西へと支尾根に入ると、踏み跡程度の小径があり、残骸となった害獣避けネットに沿って下るようになった。急坂になることもあったが、木に掴まって下れば特に問題は無かった。おかげでどんどんと下って行けたが、この尾根も山ヒルが居るようで、何度か靴に貼り付かれた。予定通り千畳平の林道に下り着くと、近くに三角点雪彦山へと向かえる登山コースの登山口が見えていた。その登山口のそばまで行くと、そこより逆方向への道を辿って行くことにした。そちらへ進めば、千畳平を横切って鹿ヶ壺へと行けることになる。道幅は十分にあり標識もあって、その標識に従うと鹿ヶ壺の遊歩道の最上部に出てきた。そこは往路で沢沿いのそま道を歩き始めた位置だった。再び鹿ヶ壺の滝群を眺めながら、遊歩道を歩いて駐車地点へと戻って行った。そして駐車場に着いてショートスパッツを外したところ、ズボンとの隙間に山ヒルが10匹ほど貼り付いていた。どうもこの季節にウリュウドを目指すのは敬遠した方が良さそうだった。
(2014/7記)(2020/10改訂)
<登山日> 2014年7月6日 10:46鹿ヶ壺山荘前駐車場スタート/10:54尻壺/11:01沢沿いの杣道に入る/11:37沢筋を離れる/12:41主尾根に出る/12:46〜13:40山頂/13:50主稜を離れる/14:24〜35千畳平/15:05鹿ノ尾/15:19エンド。
(天気) ガス雲がすっかり広がる空だった。気温は樹林帯で20℃ほど、山上に出ると少し下がって19℃だった。山頂も同じ。風はほとんど無かった。涼しかったが、湿度100%と言えそうな空気感だった。標高700m辺りから周囲にガスを見るようになり、山頂もガスが漂っていた。山頂に着く頃より霧雨となり、降ったり止んだりだったが、いつしか小雨となった。
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鹿ヶ壺山荘の駐車場からスタートした 案内に従って「ふれあい橋」を渡った コテージのそばを通る
キャンプ場のそばを通る 車道を離れて鹿ヶ壺に通じる小径に入った 滝が近づくと、大きな案内図が現れた
最初に現れたのは「尻壺」だった 沢に沿って、階段になった遊歩道を登った 「五郎在壺」を見る
「雑桶壺」のそばを通る 鹿ヶ壺で沢遊びをするグループを見た 鹿ヶ壺の最上部まで歩いてきた
登山道は沢から離れたが、杣道が沢に沿って続
いているのを見た それに興味を持って歩くこ
とにした
ときに沢を渡った けっこうワイルドな雰囲気
だった
歩いている途中で、靴に何匹も山ヒルが貼り付
いていることに気付いた ここは山ヒルの巣窟
のようだった 
赤テープを追うようにして歩いた 倒木が杣道を塞ぐことがあった 次第に杣道ははっきりしなくなってきた
沢筋を進むのは諦めて、斜面に取り付いた 植林の急斜面を登って行く まだ山ヒルに悩ま
された
一度、傾斜の緩むときがあったが
また傾斜がきつくなってきた そしてガスが漂
い出した
急尾根登りが続く 沢筋を離れてから1時間ほどかかって主尾根に
出た
頭上を見上げる ガスが辺りに立ちこめていた 南へと歩き出すと、足下でガマガエルを見た すぐに山頂が近づいてきた
山頂が間近になると、一帯はすっかりアセビが茂っていた 山頂もアセビに囲まれていた

 山頂を別の角度から
 眺めた

 アセビのまっただ中
 だった
 

 山頂の二等三角点
 (点名・馬ノ頭)
 を見る きれいな
 三角点だった

     山頂の周囲はすっか
     り樹林が囲んでいた
山頂で1時間近く過ごしてから下山とした 主尾根を北へと歩いた なだらかな尾根だった 足下にウリハダカエデの若芽をよく見た
山頂から北へと300m近く歩くと、840m
ほどの小ピークに着いた
そこより千畳平に繋がる尾根に入った 始めは
緩やかな尾根だった
害獣避けネットに沿って歩いた ネットは残骸
になっている所もあった
傾斜のきつい所も現れた 倒木もあったが、まずまず尾根道を歩けた 開いたままの扉が現れた
植林地の中を歩くようになった 林道が見えてきた 林道に出た 予定通り千畳平に下り着いた

 千畳平の方向を眺
 める

   林道を東の方向に
   歩くと、鉾立山へ
   と通じる登山道の
   登山口が現れた
登山口の位置で林道を離れて、千畳平に入った 周囲の山並みはすっかりガスに包まれていた 千畳平を貫く道の行き先は鹿ヶ壺だった
樹林帯に入り、林道を歩くようになった 林道を離れて鹿ヶ壺への遊歩道に入る 易しい道を歩いて鹿ヶ壺に近づいた
往路で沢沿いの杣道歩きを始めた位置に戻って
きた
鹿ヶ壺の遊歩道に入って滝群を眺めながら下っ
「鹿ノ尾」を見る
「駒ノ立洞」を見る 疲れていたこともあり、あまり立ち止まらずに
下った
道そばにヤマアジサイを見る
林道に近づいた キャンプ場のそばを通って行く 駐車場が間近
になった
「ふれあい橋」を渡る手前で四等三角点(点名
・鹿ヶ壺山荘)に気が付いた