TAJIHM の 兵庫の山めぐり <西播磨編
 
水剣山    すいけんざん 871.8m 宍粟市
 
1/2.5万地図 : 山崎
 
【2005年10月】 No.3 2005-72(TAJI&HM)
 
    宍粟市山崎町上ノの尾根より  2004 / 11

 2000年4月の登山以降は暫くご無沙汰していたが、2005年10月末日に三度目の登山を目指した。この人の訪れの少ない山で秋を味わおうとの考えだった。また過去二度共に苦労させられた山だが、またぞろ別のルートで苦労してみようとの考えでもあった。今回考えたのは西からのコースで、西麓の明延集落からアプローチして北東へと延びる沢沿いを登り、北西尾根で山頂へ。そして明延集落の南を走る尾根で下山するというものである。
 前日の雨模様の空は終わって、この日は多少雲は見られるものの、快晴の空に変わっていた。山崎町内に入って蔦沢地区に向かう県道を走る。中野地区の都多小学校のそばから分かれる林道で明延集落へと向かって行くと、集落の手前にある明延第二加圧ポンプ場前に空き地があるのを見て、そこに駐車とした。10分と歩かず明延集落に着く。さほど多くない戸数の集落を抜けて行くと、最後の家のそばに「水剣山の名水」と示された水飲み場があったので、そこで水筒に水を詰めた。またそばの家の主人よりもぎたての柿をいただいた。その集落の外れより沢沿いにまだ車道が延びていたが、害獣除けネットが入口に張られていた。それをまたいで進むと、すぐに車道終点となった。明延配水池があり、そこまでの道だった。そこからは沢沿いに小径が続く。この小径の先に滝のあることが示されていたが、進めど滝は現れず、沢は次第に枯れて小径も怪しくなってきた。どうやら滝は枝分かれした沢にあったのかもしれない。そこで尾根を目指して沢筋を離れることにした。北の方向に適当に山肌を登って行く。植林地の急斜面で、その植林に掴まりながら高度をかせいでいく。やがて雑木が混じり出すと、ちらほらとキノコが見られるようになった。アカモミタケのようだったが、どれも新しいものばかりで、適度に摘ませていただいた。急傾斜のまま200mほど登っただろうか、漸く緩くなり出した頃は、もう尾根は近くなっていた。尾根に出て地図で位置を確認すると、759mピークの手前辺りのようだった。尾根歩きとなってもうきつい坂は無いので楽になるかと思っていたところ、やがて尾根は枯れたクマザサに覆われ出した。それをかき分けて進んで行く。多少煩わしい程度だったが、以前はびっしりとクマザサに覆われていたものと思われた。後数年も経てば、クマザサはすっかり消えそうだった。尾根に出て35分で、山頂の三つあるピークの北西ピークに着いた。そこより4分で三角点ピークだった。陽射しの中に現れていた三角点は、なぜか赤く塗られていた。北西ピークは初めてだったが、三角点ピークは以前に比べて展望は悪くなったように思われた。そこで展望の良かった北東ピークへとすぐに向かった。三角点ピークより4,5分で着くその北東ピークは地図では880mを越しており、三角点ピークより高いことになる。その最高点ピークに着くと、伐採地の様子は変わっておらず、以前のままの好展望が広がっていた。左手には日名倉山から後山の尾根が見えており、この日はモヤでうっすらとしていた。、正面には黒尾山が大きい。ただその黒尾山は、山頂近くを走る林道が傷口のように見えて痛々しい。右手遠くには雪彦から暁晴山へと続く山並みが望まれたが、そちらは更にモヤが強く判然としない。ともかくこの広い展望に再会して、暫しの時間目を楽しませた。昼時となって上空の雲は増えて来ており、その雲が風景を様々に変化させていたので、その移り変わりにも目をこらした。この他に誰もいない本当に静かな山頂でのんびりと過ごしていたが、上空に雲が居座って肌寒くなったため、13時となったのをしおに下山とした。まずは三角点ピークへと戻り、そこより南へと延びる尾根を辿った。この尾根は二度目となるが、目印が付けられており、また下生えも少なく急尾根のわりには楽に下って行けた。この尾根は下り坂のまま続くのでは無く、小さな鞍部から766mピークへと登り返す。その鞍部付近で西に展望の開けた所が現れた。そこからは日名倉山から後山までがすっきりと見えていた。766mピークからは、そこより西へと分岐する尾根へと入った。この尾根が明延集落の南を走っており、下り続けると駐車地点近くに下り着くはずだった。尾根を下り始めたときは木立も空いており、楽に歩いて行けたのだが、中間地点辺りで俄然倒木が増えた。立派な植林が何本と無く倒れているのである。倒木の根元は岩盤がむき出しになっており、どうやら地表の土が薄いようだった。倒木をまたいで越す動作を繰り返していると、登り以上に足にこたえてきた。やがて右手に明延集落が見えてきたので、そちらに一気に下ってしまおうかとも考えたが、この尾根を下りきることにも興味があって、そのまま下り続けることにした。尾根は植林地が終わって雑木帯になったかと思えばまた植林地に戻ったり、また歩き易くなったり歩きにくくなったりを繰り返しながら、最後は植林地の急斜面となって車道に下り着いた。そこは駐車地点とは100mも離れていなかった。登りに2時間、下山も2時間以上かかっており、本当に水剣山は簡単そうに見えて、意外と体力を使う山であることを再認識させられた。
(2005/11記)(2010/9改訂)(2020/10改訂2)
<登山日> 2005年10月30日 9:41スタート/9:50水剣山の名水/11:06尾根着/11:45山頂(三角点ピーク)/11:50〜13:00最高点ピーク/13:35[766m]ピーク/15:20エンド。
(天気) 快晴の空、雲はわずか。少し肌寒さの感じられる朝だった。山頂に着く頃には上空の雲は増えており、陽が陰ると薄ら寒くなった。風はほとんど無し。視界は近くはまずまずだったが、遠方はうっすらモヤがかっていた。特に南の空は強いモヤだった。下山を終える頃は、上空は薄雲がすっかり広がっていた。
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山頂に着くと、赤く塗られた三角点に光が当たってい
北東ピークに移動する こちらの北面は伐採地になっ
ていた
伐採地を少し下って北東ピークを仰いだ

 北東ピークに立つ
 と伐採地の北には
 黒尾山を中心に展
 望が広がっていた
北東ピークに立って西から北西にかけての山並みを見る 黒尾山を大きく見る 林道が傷跡のようだった

 北東ピークより東
 の方向を眺める
 (峰旗の右手に見
 える風景)

  下山はまずは南へと
  尾根を下った 尾根
  の先に766mピー
  クを見る

 766mピーク手
 前の鞍部では西に
 展望を得た 遠く
 に後山を見る

    下山を終えて、駐車
    地点近くより水剣山
    を仰ぐ