2020年は7月いっぱいまで梅雨が続き、8月に入ると一変して盛夏の日が続いた。その中で登山を考えたとき、手頃な標高であって登山道は木陰が多くあり、山頂でも木陰で休める山を登ってみたいと考えた。そして思い浮かんだのが笛石山の松の木公園コースだった。何より登山時間が手頃で登山道もヤブっぽさの無いのが良かった。向かったのは8月5日で、この日も朝から良く晴れていた。松の木公園に着いたのは10時15分。何度か歩いているコースでもあるので、そのハイキングの様子は下の写真帳をご覧いただきたい。河久保林道を起点から歩き始めると、5分ほどで登山口に通じる小橋のそばに着いた。小橋の先に登山口標識が立っていた。植林地の斜面を少し登ると、すぐに沢側に出て沢を渡った。後は西へと沢に沿って歩いて行く。沢風があり、その風が何とも快い涼しさだった。沢筋を離れると右岸側の斜面を登るようになった。一帯は植林地で、ジグザグに登って尾根に近づいた。尾根に出ると南西方向へと尾根なりに登るだけだった。植林地の中を登って行くが、木陰であるだけでなく、意外と尾根にも風があって涼しさを感じながら登れた。その良い感じの登りが一変したのは尾根の途中からで、伐採地なのか樹林が途切れることになり、暑い陽射しを受けるようになった。一気に大汗となり歩度が鈍ってきた。そのため何度か休みを取りながら登ることになった。代わりに展望は良くなり、北には三室山が眺められた。残念だったのはこの日の視界で、好天続きのために濁った感じになっており、薄ぼんやりとした風景になっていた。また伐採の跡地はイワヒメワラビが繁茂しておりヤブっぽくなっていたが、ヤブコギになることは無かった。伐採地もずっと続くのでは無く、また樹林を歩くこともあった。山頂が近づくと右手に猫石への道が分かれるも、まずは山頂に立とうと直進した。その頃にはずっと樹林の中を登っており、猫石コースとの分岐点より4分で山頂到着となった。山頂は北から東にかけて展望があり、三室山から植松山までの尾根が眺められた。展望があるだけに陽射しを受ける訳だが、木陰も期待通りたっぷりあり三角点に近い位置で休憩とした。山頂も涼しい風があり、その風の快さを楽しんだ。ただ風にひんやり感は無く、夏の風らしく生ぬるさがあった。山頂では一時間ほどと十分に休憩をとると、笛石山に来たからには猫石を見ようとそちらに向かった。ただ記憶が曖昧なまま適当に下ったため少し西寄りに下ってしまい、少し時間がかかって猫石のそばに下りて来た。猫石の北側の木が大きくなっており、上から近づくと間近になるまで猫石が見えなかったが、東に回ると以前のままに猫が座っている姿として眺められた。猫石の上に立ってそこからの展望を楽しむと、登山コースに戻るべく北東尾根へと向かった。登山道を探さず、適当に斜面をトラバースしたため尾根コースに出るのに少し手間取ったが、コースに出ると後は下る一方とあって気楽なものだった。尾根筋から沢筋へと移ると、期待した沢風はもう午前のようなひんやり感は消えていた。その沢筋も緩やかに下るだけなので、ごく気楽に下って行けた。おかげで猫石から一時間で松の木公園に戻って来られた。やはり笛石山は短時間登山で済ませたくなる夏には適した山だったと言うのが、この日の感想だった。
(2020/8記) |