易しい雪山はないかと考えたとき、笛石山を思い付いた。前年8月に登ったばかりだったが、冬はまた違った印象を受けられるだろうと思った。向かったのは2021年1月下旬のこと。宍粟市内でも千種町は雪の多い所なので、白い山並みが眺められると思っていたのだが、いざ千種町に入ってみると、後山と三室山が白いだけで、目的の笛石山は雪が付いている感じは全く無かった。そこで松の木公園に着いてそこに車を止めると、スノーシューは車に残してスパッツを付けただけのスタイルで登山開始とした。松の木公園からのコースは5ヶ月前に歩いたばかりとあって、地図を開く必要もなく歩いて行けた。沢筋に雪は無く、尾根歩きに入っても雪は全く見られなかった。ただ夏期と違って自然林は葉を落とした姿になっていたので、展望は幾分良いように思われた。前回は先に山頂に立ってから猫石を訪れていたが、この日は先に猫石を訪れた。猫石は南斜面側にある上に一帯は伐採されて陽当たりが良いとあって、雪は欠片も無かった。その中に見る猫石は、背中に生えている灌木が葉を落としており、夏に見るよりも本来の猫の姿に戻っていた。その猫石からは真っ直ぐ北へと登って山頂に出た。山頂にも雪は無かったが、さすがに北斜面には雪が残っていた。ただいかにも残雪と言った感じがあった。山頂は北への展望があったが、一休みした後に少し後山の方向に歩いてみたところ、北の方向が広く眺められる所が現れた。白くなっていたのは三室山の他には天児屋山とくらますぐらいで、植松山も竹呂山も青々とした姿だった。ただこれからも雪は降るはずなので、雪山に戻ることはあるだろうとは思えた。山頂で休んでいたのは30分ほど。下山は松の木公園コースをすんなりと下ったので、山頂から1時間とかからず駐車場に戻ってきた。雪が無かったのは残念だったが、冬の猫石に出会えたのは良かったと思いながら帰路についた。
(2021/2記) |