ブナ林の美しい白菅山に南西尾根を登るコースがあると知ると、是非とも新緑の美しい季節に登ってみたいと思った。向かったのは2021年5月4日、ゴールデンウィーク中のことで、前日も但馬の山を登っており、二日続けての但馬の山だった。前日は朝から快晴だったが、この日の朝も快晴で、青空に雲は見られなかった。白菅山登山口へのアプローチとしては、国道482号線を東から走って蘇武トンネルを抜けると、国道9号線に合流する手前で林道に入った。林道は枝分かれ道もあったが、標高の高い方へと意識しながら走ると、最後は支林道に入って正しく標高630mの登山口に到着となった。登山口そばには数台分の駐車スペースがあり、そこに駐車とした。登山口には標識があり、細々とした登山道が始まっていた。そこからの登山の様子は下の写真帳をご覧いただきたい。山頂までには幾つかのピークを越すことになり、けっこうアップダウンのあるコースだった。最初のピークは三段山で地図では標高734mとあったが、三段山山頂の標識は716.9mと書かれていた。そして次の720mピークにも山名標識があり、笹原山となっていた。その山頂の標識に書かれていた標高が、また地図と違って710.8mになっていた。笹原山の先ですぐに小さなピークが二つあり、その次が748mピークだった。その748mピークでコースは二手に分かれて、直進が白菅山で南に向かえば鉄山だった。往路は真っ直ぐ白菅山に向かって、最後は150m近くの急坂登りが待っていた。白菅山山頂の標識の標高は地理院地図と同じだった。下山は往路を戻るも、748mピークまで戻ってきたとき、鉄山に向かった。鉄山は南の尾根の次のピークで、地図では標高789mだったが、山頂の標識は788.7mだった。ことごとく標識の標高と地図の標高が違うのは、標識の方は個人測量によるものと思われた。鉄山から748mピークに戻ると、後は往路コースを歩いて登山口へと戻った。この日の登山で一番驚いたのは展望のことだった。展望の悪い白菅山なのでこのコースも展望は少ないと思っていたのだが、全く違っていた。三段山も笹原山も素晴らしい展望地だった。ピークの樹林が伐られており、南から西へと広々とした展望が得られた。それは白菅山もしかりで、山頂こそ東の方向に少し展望があるだけだったが、少し手前は広く木が伐られており、この日一番の展望が広がっていた。鉄山も同様にピークの手前に展望地があった。ただどの山も少々伐り過ぎではと思えた。ブナ林に関してはコース中には意外にも無く、白菅山の東面に見るだけだった。尾根筋の樹林も鬱蒼感を感じなかったのは、地表に裸地が多かったことによるもので、この尾根は以前は笹で覆われていたのではと思われた。新緑に関しては登山口から暫くはまだ若葉が出始めた段階だったが、登るほどに瑞々しい新緑を見るようになった。白菅山のブナ林はすっかり新緑色だった。ところで往路の笹原山で、山頂近くの南尾根で登山道を整備している人を見かけた。声をかけて話を聞くと、白菅山へと通じる登山道を整備した本人とのことで、標識を付けるだけでなく木も伐ったとのこと。木に関してはこの山域は町の共有林とのことだった。
白菅山の山頂に立ったとき、三つの登山コースが示されていた。この日の三段コースの他は東からの林道コースと北からの和佐父峠コースだった。どちらのコースも歩いているが、簡単に登るのであれば林道コースだろうが、じっくり登りたいときは三段コースは展望も十分に楽しめるので、コースの認知度が上がれば今以上にハイカーの訪れが増えるのではと思われた。
(2021/6) |