◆ TAJI&HM の 兵庫の山めぐり <西播磨編> | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
深山 ふかやま | 907.8m | 宍粟市 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
南深山 みなみふかやま | 916m | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1/2.5万地図 : 安積 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
【2005年1月】 No.2 | 2005-05(TAJI&HM) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
東山より 2005 / 1 |
夏の深山は展望の良さとクマザサの厳しさが印象に残ったが、この深山を雪山としても楽しんでみたい気持ちが次第に芽生えてきた。林道が尾根近くまで付いており、そこから山頂までも近いので、雪山であってもさほどの厳しさは無いだろうと考えられた。そして実行したのは2005年1月に入って二度目の日曜日。その一週前にはこの深山に近い東山に登っており、まずは雪山に体を慣らしていた。この深山となるとずいぶんマイナーな山となるため、自分でトレースを付けなければならないが、まだ1月初めなら雪の量は少ないだろうと考え、ワカンは準備せずに出かけた。この日の天気予報は兵庫北部は曇りか雪、南部は快晴との予報で、その通りの快晴の姫路を後にした。その天気は山崎町に入って県道を上ノ地区へと近づく頃も変わらなかった。道を伊沢川沿いに真っ直ぐ北に進み、岩上神社の駐車場に駐車する。そしてそこより始まる岩上谷林道を歩き始めた。路上の雪は少なく数cm程度だったが、朝の冷え込みで固く凍りついていた。また水たまりも全て凍っていたので、滑らないように慎重に歩いて行く。ただ陽射しの当たる所ではすっかり溶けている所もあった。標高も600mを越して山かげを歩くようになると、徐々に雪は増えて来た。40分ほど歩いて標高700m辺りとなると、雪は20cmほどになってきたので、ここでスパッツを付けた。もうひたすら自分自身で真っ白な雪面にトレースを付けながら黙々と歩くのみである。歩き始めてから1時間15分で漸く林道終点に着いた。雪は30cm程になっており、上空を見ると青空の中に白い雲が速い勢いで流れていた。そこからは尾根を目指して好きなように歩くだけである。北の方向を目指して始めは沢沿いを歩いていたが、倒木もあって歩きにくいため、右手の支尾根に取り付いてそちらを登ることにした。植林地の中を辿るのだが、初めのうちは傾斜も緩く無理なく登って行けたが、次第に傾斜がきつくなり木に掴まりながら登ることになった。それでも林道終点から20分ほどで尾根に出た。この尾根は地図で見ると特徴的で、北の波賀町側は急斜面で南の山崎町は比較的緩やかである。そして山崎町側は植林地が占め、尾根筋を含めて波賀町側は自然林が広がっている。尾根に着いた位置はどうやら三角点ピークの少し南と思え、まずは三角点ピークを目指して尾根を辿ることにした。その辺りで40〜50cmの雪だったが、雪が軽いためラッセルもさほど苦では無かった。雑木の疎らな尾根を登っていたが、気が付いたのはすっかりクマザサが枯れていることだった。決して雪の下にあるのでは無く、雪面に現れているササは軒並み枯れており、手で触れると簡単に折れてしまうのである。おかげで歩く分には楽で、雪面の歩き易そうな所を選んで登って行く。小さなピークを越してほぼ山頂に間違いないと思える所に着いたが、三角点は当然雪に埋もれている。ためしに一番高いと思われる位置を掘って見ることにした。すると30cmほど雪を除くと、どんぴしゃりで三角点が現れた。あっけないような見つかり方だった。この三角点ピークに着くまでは展望にはほとんど恵まれなかったが、ここに来て木立が疎らになり、西には日名倉山も望まれるようになった。そしてこの先の尾根が見えていたが、そちらは北面が広く伐採されており、一帯は広く雪面になっていた。そこに立つといかにも展望が良さそうだった。早速、そちらに向かうことにした。樹林を抜け出して伐採地に入ると、やはり雪が深くなった。60〜70cmの雪と思われ、もう膝までもぐってのラッセルになった。それまではワカンの必要性を感じなかったが、こうなると持って来なかったのが残念である。とにかく気力を出して進むのみ。上空の雲は昼が近くなって増えて来ており、陽射しが遮られるととたんに寒くなった。そして風も出て来た。この山上で気温は−1℃ほど、風の中では一気に体が冷えて来た。ただ進むほどに北の展望が広がって来た。そして展望地のピークに着いて漸く休むことにした。まさに大パノラマが前面に広がっていた。西の日名倉山から始まって植松山に荒尾山、大甲山へと尾根は続き、右手の阿舎利山まで遮るものの無い素晴らしい展望である。ただその上空にはすでに雲が広がっており、後山は山頂部が雲に隠されていた。するとこの展望を眺めるうちに後山の雲が広がり出した。そして次第にこちらに向かって来た。この展望地に着いて10分も経たないうちに大パノラマは雪雲に閉ざされてしまった。その雲はその勢いでこちらに向かい、上空に来ると小雪が風と共にちらつき出した。あっと言う間の天気の変わりようである。ただこの深山の上空が天気の境目なのか、暫くすると南の晴れの勢いが盛り返し、上空は晴れているのに小雪が舞う不思議な天気となった。暫くすると雪も小止みとなったので、それをしおに雪上で昼食とした。食後も今少し天気の回復を待ったが、北の雲は厚く、展望は諦めて戻ることにした。ただもう少し尾根を歩いてみたく、まず三角点ピークに戻り、そこより町境尾根を今少し南へと辿って行った。雪は少しは少なくなり、多少は歩き易くなる。尾根は樹林が囲んで展望は悪くなったが、ブナも点在しており、落ち着きのある風情で悪くは無い。次の916mピーク(南深山)まで来ると、梢越しだが南東に黒尾山が見られるようになった。その右手には瀬戸内海が光っていた。また樹間を通して波賀町の中心部やその背後に東山も望まれた。このまま尾根歩きを続けて、深山の尾根の最高点である次の920mのピークまで歩くつもりだったが、そちらを見ると全くの植林地である。ここまでの歩きで足も疲れていることでもあり、そこでこの916mピークから下山することにした。林道に合流しようと、西方向に向かう緩い尾根を下って行く。植林地の中は30cmまでの雪で、気楽な下りである。早足で下ったこともあり10分も下ればうまく林道の終点に下り着いた。後はひたすら林道を歩いて駐車地点を目指すのみ。雪は緩んで滑る心配も無く、楽な下りだった。その頃には上空は北と南の空気が混ざったのか、すっかり薄曇りの空に変わっていた。 (2005/1記)(2010/7改訂)(2020/11改訂2) |
<登山日> | 2005年1月10日 | 9:02スタート/10:18林道終点/10:55三角点ピーク/11:20〜12:25展望地/12:36三角点ピーク/12:58〜13:13「916m]ピーク/14:21エンド。 | |
(天気) | 快晴。山上に出ると雲が増えており、陽が隠されることが多くなった。北西の空は雪雲が広がっており、北東の空は青空が広がっていた。その後、北西の雪雲が南下して上空を覆い出す。そして小雪がちらつき出した。南の空は晴れから薄晴れへ。下山を終えたときは薄曇りの空に変わっていた。 | ||
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