深山は山容が地味な上に展望も良くないとあって人の訪れは少ないと思えるが、その深山で気に入っているのが、山頂の少し西の位置にある展望地だった。そこに立つと北向かいの大甲山から植松山へと続く尾根が対峙しており、その展望が気に入っていたのだが、2018年に深山を訪れたとき、その展望地に立つことを省略していた。下山を終えた後でそのことが心残りになっていた。そこでそのモヤモヤを解消しようと、2年後の2020年10月のこの日に向かった次第だった。この日は朝から快晴だった。前回と同じく岩上神社からのコースを登ろうと、県道429号線を走って岩上神社へと向かった。但しこの日は岩上神社を訪れる気持ちは無かったので、岩上神社のそばを通り過ぎて神社の少し先となる県道の終点位置まで車を走らせた。終点位置には広い駐車スペースがあり、そこに駐車とした。その先も車道が続いていたが、それは林道と言ってよく、標識には通行不能と書かれていた。その林道歩きを開始すると、すぐに本谷橋を渡った。林道はそばの谷川に沿ってずっと続いており、ごく緩やかな道だった。舗装路はいつしか砂利道となり、その砂利道には悪路部分もあった。周囲は自然林で続いていたが、40分ほど歩いたとき左手の斜面が伐採地となった。その伐採地を過ぎて更に17分ほど歩いて漸く登山口が現れた。林道はまだ続いていたが、登山口の近くでロープが張られていた。登山道に入ると赤テープ、赤マーキングに従って小径を歩いた。ときに枯れ沢の中を歩くこともあった。この日は深山への最短コースを登る予定だったが、沢筋を歩いているときに分岐点を見落として、前回と同様に北東方向へと歩いてしまった。そして斜面を登って尾根に着いた位置は南深山の近くだった。前回と同じく南深山のピークに立ってから深山へと向かった。その途中で最短コースが左手より合流した。南深山から深山まではおよそ16分だった。深山に立って三角点を確認すると、そこは展望が無かったのですぐに西へと向かった。そちらの道は波賀町齋木からのコースで、緩やかに下って行くと、程なく展望地に着いた。木々の生長により展望は若干狭くなっていたが、以前と変わらず北向かいに植松山がすっきりと眺められた。大甲山の右手には氷ノ山、植松山の左手に見えるのは後山だった。その風景を前にして昼休憩とした。その辺りはどこも展望が良く、今少し西へと歩くと、今度は東の方向が開けて、一山も眺められた。その展望地で40分ほど過ごすと深山へと引き返し、そして南深山との中間地点から登山口への最短コースに入った。そのコースはやはり短く、斜面を下って沢筋に出るとそこから登山口までは僅かな距離だった。深山山頂から16分での到着となった。後は往路と同じく長い林道歩きを続けて駐車地点へと戻って行った。
(2020/11記) |