六甲最高峰への人気コースを登ろうと向かったのは、2015年1月の第二土曜日だった。そのコースとは阪急芦屋川駅を起点として高座の滝からロックガーデンを通るコースで、風吹岩で住吉道に合流して、後は雨ヶ峠を経て六甲最高峰に向かうことになる。六甲最高峰からは魚屋道で北へと下り、神鉄有馬温泉駅をゴールとすることにした。多くのガイドブックに紹介されているコースなので、コースについてはここには書かないが、概ね易しいコースだった。特に下山の有馬への魚屋道は、六甲最高峰への一番易しいコースと言えそうだった。この日の誤算は天気だった。予報では曇り程度で終始するとなっていたので、そのつもりで歩いていたところ、途中から小雪がちらつくようになった。小雪は降ったり止んだりを繰り返していたが、山頂が近づく頃には周囲が見えなくなるほどの降りになることがあった。そのため、途中からは雨具を着込んで登った。登山道は途中からすっかり白くなっており、山頂では3センチ程度の積雪になっていた。山頂に着いて程なく雪は止んでいたものの、厚い雲の広がる空だった。その薄暗い空の下、山頂では少しばかり霧氷風景が見られた。雪のちらつく天気だったために視界は悪く、山頂からは港の辺りがごくうっすらと眺められる程度だった。その山頂では30分ほど過ごしたが、その間に山頂に到着した人は15人前後だったと思えたが、その半数はトレイルランナーのようだった。六甲山はトレイルコースとしても人気があるようだった。ところで、山頂に着いてみると、予定していた有馬への魚屋道は、災害により通行禁止と標識があった。そこで躊躇しながらコースの入口に近づくと、そこには多くの足跡があった。そこで予定通り有馬温泉へと下った。なるほど登山道の一部が崩れていたものの、禁止と書くほどでは無いようだった。その下山中にも何人ものハイカーとすれ違ったので、通れるのであればいつまでも通行禁止にしなくてもと思った。易しい道のままに魚屋道は続き、コースの入口から1時間ほどで登山口に到着となった。魚屋道に入ったときは日陰とあって気温は0℃まで下がっていたのだが、その後は天気が回復してきたこともあって、5℃まで上がってきた。有馬温泉に入ると、始めは静かな散策だったが、駅が近づくと次第に人が増え、太閤橋が近づくと、さすが一級の温泉地と思える賑わいとなった。神鉄の有馬温泉駅に着いたのは午後一時に近い時間だった。山頂での休憩を覗くと阪急芦屋川駅から4時間と20分ほどかかっていた。六甲山をじっくりと味わうには、この縦断コースは悪くないと思いながらハイキングを終了した。
(2015/1記)(2020/9改訂) |