笠形山の一番ポピュラーな登山コースは、南麓の瀬加地区から始まる笠形神社経由で登るコースだろうが、その次となると北西麓のグリーンエコー笠形からのコースではと思われる。そのグリーンエコー笠形からの登山道を2001年以来12年ぶりに登ろうと向かったのは2013年3月3日の雛祭りの日だった。晴れの予想だったが雲の広がる空で、青空の部分は少なかった。グリーンエコー笠形内を通る車道を上へ上へと走って、キャンプエリアの手前にある広い駐車場に車を止めた。既に2台の車が止まっており、登山準備をしていた。そのグループはてっきりコテージが並ぶ中にある登山口に向かうものと思っていると、扁妙の滝へのコースへ全員向かってしまった。こちらはコテージの方向へと向かい、案内標識に従って登山道へと入った。雪がどれくらいあるのかがこの日の登山ポイントで、一応20センチ程度は想定して、スパッツだけ準備していた。そのスパッツも雪が多くなってから付けようと、ザックの中に入れて歩き出した。雪はごくうっすらとあるだけで、登山道を登るうちに少しずつ増えてきた。ただ増えたと言っても足跡が付く程度だった。植林が主体のコースで、展望はほとんど無かった。途中からずっと雪面を踏むようになったが、雪は3〜4センチ程度で、ごく普通に歩いて行けた。その雪面に踏み跡は付いていなかったので、雪は昨夜に降ったものと思われた。コースは一定間隔で何合目の標識が立っており、一合目、二合目と進んで四合目を過ぎた先から沢沿いを歩くようになった。ナメと呼べそうな沢で、流れは速かった。始めは右岸を歩き、途中から左岸を歩くようになった。その沢を離れてやや急な尾根を登るようになったが、その急尾根に取り付くとき、すっかり白くなった登山コースを真っ直ぐ進んでしまい、途中で気が付いて引き返した。周囲の木立はときおり雑木林になるものの、やはり植林が主体と言えた。八合目を過ぎた先でメインコースと言える瀬加コースに合流するが、そこは山頂と笠ノ丸の中間地点だった。合流してもそこに踏み跡を見なかったので、どうやらこちらがこの日の山頂に一番早く着くことになるようだった。そこより少し進んで九合目の標識が現れた。そこまで来ても雪の量は3センチほどだった。最後の一踏ん張りとばかりに休まず登って山頂に出た。歩き始めてから1時間と34分が経っていた。やはり先着者はいなかった。山頂の雪は更に少なく、1センチ程度で、地表の見えている所もあった。気温はずっと0〜1℃で来ていたが、山頂の気温も0℃で、風が無いためか少し冷えている程度に感じられた。この日の視界は少しうっすらとしており、特に北は雪雲が広がってはっきり見えていなかった。千ヶ峰も山頂はガス雲に隠されていた。その山頂で休むうちに、他のハイカーが順次到着しだして、瞬く間に5〜6人が現れたので、笠形山は人気の山と言えそうだった。空は陽射しが現れたり消えたりを繰り返していたが、そのうちに北の視界が少し良くなって、千ヶ峰の山頂がうっすらとながら確認出来るようになった。何度も来ている山頂なので展望も特に珍しくもないので、早めの昼食をとると、30分ほど休憩しただけで下山とした。下山は往路を引き返すのみ。急坂で滑らないようにだけ注意して下った。ときおり現れる陽射しが雪を溶かしたようで、はや消えてしまった所もちらほら見かけた。この下山では滝見台に立ち寄った。雪解けの水が流れるとあって、扁妙の滝はけっこう迫力をもって眺められた。久々のグリーンエコー笠形コースだったが、周囲の樹林が植林が主体だった上に、展望が少なかったので、瀬加コースと比べるとやはりマイナー感は否めなかった。それでも途中では扁妙の滝とナメの沢はこのコースのアピール出来るところであり、静かな登山道歩きを楽しみたいときは、こちらのコースも良いかも知れないと思った。
(2013/3記)(2021/3改訂)(2023/4写真改訂) |