2019年の晩秋に入ったとき、快晴の笠形山を楽しみたくなった。向かったのは11月の第二土曜日で、コースとしては東面側となる多可町の竜ヶ滝コースを登ることにした。県道34号線で笠形山の南面側を走って船坂トンネルを抜けた。多可町に入ると県道143号線を北上し、大屋集落でネイチャーパークかさがたキャンプ場への道に入った。キャンプ場に着くと、その先は林道で車一台分の道幅となった。その林道の終点が竜ヶ滝コースの登山口だった。登山口の前には数台分の駐車スペースがあり、古びたトイレが建っていた。そこからのハイキングの様子は下の写真帳をご覧いただきたい。竜ヶ滝コースは沢沿いを登るコースだった。道ははっきりしており、標識も目印テープもあったので、地図を見なくとも登って行けた。沢沿いと言っても沢を右に行ったり左に行ったりするコースで、登る途中で二つの滝に出会った。その一つの竜ヶ滝はコースの名にもなっており、推量は少なめながら優美さのある滝だった。その沢沿いコースの途中で林道を横切ることになった。広域基幹林道の笠形線だった。笠形山を最短で登るのなら竜ヶ滝コースを林道の位置から登り出せば一時間ほどで山頂に立てそうだったが、せっかく竜ヶ滝コースを登るのなら滝に出会わなければ意味が無さそうではあった。林道と交差した先も暫く沢沿いの登りで、「天邪鬼の力水」の位置まで来て沢を離れることになった。そこには取水口もあったので水場かと思って近づくと、取水パイプに「生水不可」のラベルが貼られていた。沢筋を離れて斜面を登って行くと、周囲は始めは植林地が主体だったが次第に自然林に変わってきた。その自然林が色付き出しており、ときにはっきり紅葉した木を見た。斜面を斜めに登る形で西へと向かうと、神河町と多可町との境界尾根に出た。そこには千ヶ峰から笠形山へと続く縦走路が付いており、その縦走路で南西へと向かった。登山道はいっそうはっきりとした道となり、ゆったりと歩けた。笠形山が近づくと「龍の背」が現れて傾斜が増してきた。岩場をロープを使って登る所もあり、そこを登った先で展望地が現れた。北に開けている展望地だったが、山頂は更なる展望地だったので休まず山頂を目指した。程なく前方が開けると山頂は目前となった。山頂に着いたのは11時半のこと。歩き始めてから1時間半が経っていた。この日は快晴とあって山頂には10人ほどのハイカーがおり賑わっていた。山頂には二つの屋根付きの休憩場所があるが、東屋と呼べそうな大きな方で昼休憩とした。そして休憩を終えると快晴の山頂展望を楽しんだ。山頂で休んでいたのは40分ほど。山頂は入れ替わり立ち替わり賑わっており、その賑わいを後にして登ってきた龍ヶ滝コースで下山とした。下山は下る一方なので楽だった。岩場と急斜面だけに注意して休まず下って行くと、山頂から68分で登山口駐車場に戻ってきた。
(2019/12記) |