2014年7月に鹿ヶ壷からウリュウドを登ったが、鹿ヶ壷から千畳平に出ると、そこからは鉾立山へのコースが始まっている。そのコースの案内板を見ると、千畳平コース以外に、東カニワコースとして、カニワ林道からのコースも描かれていた。その東カニワコースに興味を持って向かったのは、3ヶ月後の10月11日のことだった。この日は雲が多いものの青空は澄んでおり、好視界が期待出来た。鹿ヶ壷山荘のそばを通って、カニワ林道へと入った。「千寿の水」があり、その先で林道は道幅が細くなってきた。しかも悪路となり、急坂にもなってきた。そのために車は途中でスリップして進めなくなった。仕方なくバックして、路肩が広くなっている所に駐車とした。そしてそこよりハイキングを開始した。林道は15分ほど歩くと終点となり、その後はカニワ渓谷沿いの小径を歩いて行った。コースとしては沢を何度も横切ったりしてけっこうワイルドだったが、標識は適度にあり、また赤テープがずっと続いていたため、道を誤ることは無かった。それとカニワ渓谷は滝が多くあって、なかなか美しい沢だった。渓谷沿いを40分ほど歩くと、沢を離れることになった。今度は植林地の急坂登りが続いた。その道は巡視路でもあるようで、プラ階段になっている所もあった。傾斜が緩んでくると一度樹林を抜け出て、送電塔に出会った。関西電力の播磨中央線12番鉄塔で、そこは好展望地でもあった。宍粟市との市境尾根や西には水剣山から黒尾山に続く尾根がくっきりと眺められた。その先は尾根歩きとなって、左手に姫路市最高峰の黒滝が望めるようになった。そして雪彦峰山縦走路に合流した。そこまでは少しマイナーな登山道だったが、縦走路歩きとなって、はっきりとした登山道を歩くようになった。程なく前方が開けて、また送電塔(13番鉄塔)が現れた。そこは一段と展望が良く、今度は東に千ヶ峰まで眺められた。ただ風がけっこう強くあり、その風に煽られながら展望を楽しんだ。尾根歩きを続けると、942mピークに着いた。もう鉾立山まで300mほどだった。その鉾立山が前方に見えていた。標高差はあまり無いので、緩く下ってきつくもなく登り返す感じだった。そしてスタートしてから2時間、最初の送電塔の位置から1時間弱で鉾立山の山頂に到着となった。鉾立山は以前から北の展望が良かったが、その北側の木立は更に伐られたようで、以前よりも広々と西から北へと展望が楽しめた。好視界とあって、氷ノ山もくっきりと眺められた。その展望を十分に味わった後、昼食とした。昼となって青空の部分が広がっており、陽射しを受ける時間が長くなっていた。鉾立山の山頂で過ごした時間は30分ほど。次は四等三角点ピークに向かった。地図ではそこが雪彦山とされている。その雪彦山との鞍部へと下っていると、登山道の様子がすっかり変わってしまっていた。20年前はクマザサが登山道に被さって、ヤブコギ状態で登ったのだが、クマザサは痕跡も無く、替わりにアセビが繁茂していた。これも鹿の食害による結果だろうが、時の移ろいを感じた。三角点雪彦山の山頂部は南北に長く、その南側ピークで四等三角点(点名・雪彦山)を見ると、引き続き尾根を南へと歩いた。60mほど下ると、右手に登山道が分岐した。それが千畳平コースで、尾根を離れてそちらに入った。植林地を抜け谷筋を下って行くと、尾根を離れてから25分で林道に出た。後はその廃道となった林道をずっと歩くと、千畳平の登山口に下り着いた。そこからは舗装林道を起点まで歩いてカニワ林道へと入るので、暫くは林道歩きを続けることになる。そう思っていたところ、20分ほど歩いたとき、「大桂の木」の方向を示す標識を見た。大桂はカニワ林道側にあるので、そこから始まる遊歩道は、カニワ林道への近道になるのではと思えた。そこで右手に分かれた湯歩道にに入ると、これが思っていた以上に良く整備された小径で、気楽に下って行けた。10分ほど下ると、予測通りにカニワ林道に出た。そしてそこから数分も歩けば、そこが駐車地点だった。十分にショートカットコースの恩恵を受けて、意外に早く着いたの思いで帰り支度をした。結局、鉾立山を周回で歩くことが出来た上に、新たな鉾立山の一面に触れられたの思いも持てて、けっこう楽しめた鉾立山だった。
(2014/10記)(2018/1改訂)(2020/12改訂2) |