易しい尾根歩きが出来て展望も楽しめる山を考えたとき、三辻山から黒滝へと続く尾根が思い浮かんだ。向かったのは2025年5月の中旬、快晴の日だった。快晴ながらも青空の色は淡く、遠くの山はうっすらとしていた。一宮町に入ると東市場交差点で右折した。坂ノ辻峠まで走ると、そこからは南の方向、雪彦峰山林道に入った。林道で三辻山登山口まで行けるのだが、少し手前から歩きだそうと、登山口から200mほど離れた路肩スペースに駐車した。そして林道歩きでスタートした。緩やかな舗装林道を6分ほど歩いて登山口に着くと、その先の登山道も緩やかだった。目印もあって気楽な感じで登って行く。登山口と山頂との標高差は100mでしかなく、20分ほど歩いて山頂到着となった。15年ぶりの山頂だった。期待通りの好展望の山頂だったが、山頂からの視界もうっすらしており、十分には楽しめなかった。ただ気温に対して風の涼しさは格別で、その涼しさを味わいながらの休憩だった。この日は易しい登山をしたいと考えていたので、三辻山からの尾根歩きは黒滝までに止めることにした。引き返す形で尾根歩きを開始した。巡視路だけにプラ階段になっている所が多くあり、厳しさは全く無かった。巡視路のままに歩くと中間ピークは巻き道で通り過ぎた。そして黒滝との鞍部に着くと、巡視路とは別に作業道が尾根まで来ており、そこは三差路になっていた。その作業道を見て、下山は作業道を歩いて戻ることにした。まずは黒滝へと登って行く。鞍部との標高差100mはほぼプラ階段の登りだった。プラ階段が終わって道の傾斜が緩むと、程なく黒滝の山頂に到着した。三角点は無く山名標識を見るだけだった。その黒滝の山頂は三辻山よりもずっと好展望地で、西の方向が広く眺められた。そちらもうっすらとした視界ながら姿の良い黒尾山が眺められた。その黒滝で昼休憩とした。縦走は黒滝までだったので、下山は歩いてきた道を引き返して中間ピークとの鞍部へと戻った。鞍部からは作業道に入った。作業道は緩やかな下り坂で、所々で崩壊していた。どうやら使われていないようだった。始めは土がむき出しの道だったが、途中から地表は小さな草に覆われるようになって、絨毯の上を歩いている感触となった。その悪くない雰囲気のまま作業道を進むと、最後は雪彦峰山林道に合流した。その合流点は広場になっており、駐車地点まではごく僅かな距離だった。
(2025/6記) |