TAJIHM の 兵庫の山めぐり <南但馬 
 
粟鹿山    あわがやま 962.3m 朝来市・丹波市
 
1/2.5万地図 : 矢名瀬
 
【2016年12月】 No.5 2016-126(TAJI&HM)
 
    山東町粟鹿より  2016 / 12

 粟鹿山を初めて登ったのは1992年のことで、但馬地方の案内書「但馬の自然」を参考として「山東町少年自然の家」からのコースで登っていた。その翌年もバリエーションルートとしながらも「山東町少年自然の家」から登っていた。その北側のコースを写した写真が少なかったこともあって、どうも印象が曖昧になってきた。そこで改めて北麓側からのコースを登ろうと向かったのは2016年12月の最初の土曜日のことだった。この日は別の山を予定していたのだが、快晴の空を見て展望の良い山に登りたいと気持ちが変わり、そして思い付いたのが粟鹿山で、久々に北麓側からのコースを登ることにしたものである。
 国道312号線を北上すると、和田山町に入ったとき霧の上に姿を現した竹田城跡が望まれた。竹田交差点で県道277号線に入って坂を登りだしたとき、大勢の人が坂を下りて来るのを見た。その姿からして観光客のようで、どうやら雲海に浮かぶ竹田城跡を見てきたようだった。その人の多さに竹田城跡の人気のほどが窺われた。山東町に入り粟鹿地区で県道を離れると、「山東町少年自然の家」への道に入った。その自然の家だが名称が変わっており、今は「山東自然の家」になっていた。その入口に駐車場があったので、そこに駐車とした。この日は周回コースを考えており、登山コースは下山時に歩くとして、往路は最短距離で登れる南尾根を登る予定だった。自然の家の前を通って滝ノ口林道に入ると、すぐにゲートが現れて抜けることになった。さほど歩かずまだログハウスが見える位置で、右手に山道が分かれた。その山道が南尾根に通じていると思えたので、林道を離れて山道に入った。なぜか重機も入って雑然としていたが、気にせず登って行くと尾根がはっきりしてきた。そして尾根の傾斜が増してきたとき、小径は消えてしまった。後は尾根筋を適当に登って行くことになったが、登るほどに傾斜は更にきつくなり、木に捕まりながらでないと登って行けなくなった。これがけっこう長く続いた。漸く一息つけたのは尾根が少し緩んで一部が平らになった所で、そこに四等三角点(点名・元粟鹿)を見た。そこからは少し展望があり、北の空に床尾山が望めた。この日の視界は澄んでおり、稜線がくっきりと見えていた。その三角点の位置から今少し登った所が741mピークで、漸く粟鹿山の山頂が望めて、さほど離れていないとの印象を受けた。その先はアセビが増えてきたが、尾根としては緩やかになっていた。そして突然のように林道に出会った。林道がすっぱりと尾根を横切っており、その手前は小さな広場になっていた。そこに建っていた石碑を見ると、それは粟鹿山林道の開通記念碑で、本年に建てられたものだった。そこは好展望地でもあり、北西に氷ノ山がすっきりと見えていた。その先は林道を歩くのでは無く、林道を横切った先の急斜面に登山道が付いていた。斜面を登りきると尾根歩きの続きとなったが、一段とアセビが増えてきた。歩き難い所は巻くようにして進んだ。山頂が一段と大きく見えるようになっていたが、小さなピークに着いた先からそれまで以上に歩き難くなった。山頂まですっかりススキの原になっており、登山道はもう無いと言ってよい状態だった。仕方なくススキをかき分けながら歩き易そうな所を探った。それがずっと続いて、山頂そばの車道(管理道路)に出てきたときは、ほっとする思いだった。山頂は幾つか電波塔が建っており、休めるスペースも広くあって、一気にのんびりムードとなった。最高点に立って一等三角点(点名・粟鹿山)を見た後は、車道そばの平らなスペースで休憩とした。他に人影は無く大展望をパートナーと二人して楽しむことになった。但馬、播州の高山が一望で、この快晴の日に粟鹿山を登ったのは正解のようだった。山頂で50分ほど過ごすと、下山は「山東自然の家」へと通じる一般コースを下った。始めは管理道路歩きだった。管理道路からは東の方向に展望があり、それを楽しみながら歩いた。その管理道路の周囲は灌木が伐られてすっきりとしていた。残った切り口を見ると真新しいので、いつ伐られたのかと思っていると、少し下った所でまさにその伐採作業が行われていた。そこを過ぎて今少し下ると展望台が現れた。コンクリート造りの立派なものだったが、周囲の樹林が生長したことにより、展望はすっかり悪くなっていた。その展望台の位置で管理道路を離れて登山道に入った。もう登山道のままに下るのみだった。周囲は自然林であったり植林であったりしたが、展望はほとんど無く、ひたすら樹林に囲まれた中を下った。二度ばかり林道に出会ったが、そこは横切るだけでずっと登山道を歩いた。堰堤前を横切ったり植林地を歩いたりしながら高度を下げて、最後は滝ノ口林道に下り着いた。後は林道を下って行くと、朝に登った登山道の前を通り過ぎ、そして「山東自然の家」へと近づいた。
(2017/3記)(2020/6改訂)(2023/5写真改訂)
<登山日> 2016年12月3日 9:25「山東自然の家」駐車場スタート/9:32ゲート/9:38登山道に入る/10:39〜52点名・元粟鹿/11:32〜39石碑/12:12〜13:00山頂/13:37展望台/14:04堰堤/14:35登山口/14:51エンド。
(天気) 快晴。雲は南東方向に少し見るものの、ほとんど無いと言ってよかった。上空は青空が広がるのみ。尾根を登り出した頃は6℃ほどだったが、山頂では13℃まで上がっていた。風が少しあったが、陽射しの暖かさが相殺していた。視界は十分に澄んでいた。終日、快晴が続いた。
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粟鹿山の北麓に着くと「山東自然の家」の駐車場に車を止めた 「山東自然の家」の前を通って先へと進んだ 「山東自然の家」の先は林道に繋がっていた 林道滝ノ口線だった
少し進むとゲートが現れた 林道は立派な舗装路だった 緩やかな道で続いた 登山口標識が現れたが、林道の先にあることを示し
ていた
その標識の近くから小径が始まっていた 北尾根に通じると思えて、登山口に向かわず小径に入った 小径のままに歩くと、開けた所に出た 予定通り北尾根に取り付けたが、小径ははっきりしなくなった 
尾根筋を辿って登った 尾根には赤テープの目印が点々とあった 尾根の傾斜は増して急斜面と言えるまでになってきた
急斜面の登りが続く 周囲は自然林のため、その落ち葉で滑り易かった 一歩一歩しっかりと登っていたとき、前方が少し明るくなった そこに着くと一帯は平らになっていた そこに四等三角点(点名・元粟鹿)を見た
三角点の辺りは少し展望があり、北の床尾山がすっきりと眺められた 三角点を過ぎると、また急斜面の登りだった 山頂
との標高差はまだ340mあった
急尾根が続くが、自然林の佇まいは悪くなかった
木立の切れ目から山頂が眺められた 少し木々が減ってきた 再び展望が現れると、北西方向に氷ノ山が眺められた

(←)
氷ノ山を大きく見


 (→)
  尾根が緩んでくる
  と灌木が増えてき
  た
優しげな自然林になったと思ったが 灌木のヤブを歩くことになった 再び急尾根となると、背後に展望が広がってきた
床尾山の尾根が先ほどより一段と良く見えていた 左の写真に写る深山を大きく見る
(←)
突然のように広場
になった所に出た
足下に真新しい林
道が通っていた

 (→)
  そばにあった石碑
  は粟鹿山林道の開
  通記念碑だった
そこも好展望地だったので、一休みとした 左の写真に写る須留ヶ峰を大きく見る
林道を横切ると、階段を登って尾根の続きに入った 階段の途中で後ろを振り返った 雑木の尾根を登って行く
また展望が現れると、今度は京都の山並みだった 三岳山を中心に少し大きく見る
丈の低い笹の中を歩いた 裸木を通して山頂を見る 今度はススキが現れた 逆光を受けて光っていた

そのススキの中
を歩いて小さな
ピークに近づい


ピークに着くと
山頂がすっきり
と眺められた
山頂へと近づくとヤブコギになってしまった ヤブコギは山頂の直前まで続くことになった 漸く管理道路に出て後から来るパートナーを待った

管理道路の先、
一段高くなった
所が山頂だった

山頂に立つと、
そこに一等三角
点(点名・粟鹿
山)を見た

管理道路に立って
南から西にかけて
を眺めた

同じく管理道路に
立って西から北西
にかけてを眺めた

北から北東にかけ
てを眺めた

電波塔のそばに移
動して北東から南
東にかけてを眺め

同じく電波塔のそばから南の方向を眺めた 左の写真に写る篠ヶ峰の辺りを大きく見る

笠杉山を大きく見


三室山から後山に
かけてを見る
東床尾山の左に来日岳を見る 来日岳を大きく見る 高畑山を少し大きく見る

山頂から改めて
氷ノ山を眺めた

足下に粟鹿山林
道開通記念碑が
見えていた
下山はまずは管理道路を歩いた 前方に見える建物は公衆トイレだった 山頂を前方に見ることがあった

展望が現れると東
の方向が広く眺め
られた
上の写真に写る大箕山を大きく見る 上の写真の右手に五台山の尾根を見る
管理道路の法面は灌木がきれいに伐られていた 車道歩きを続ける 法面の伐採作業に遭遇した
車道歩きを40分近く続けると展望台への道が分かれた 立派な展望台に上がってみたが 木々の生長があって、すっかり展望は悪くなっていた
(←)
展望台への道が始
まる位置は、麓に
戻れる登山道の始
まる位置でもあっ


 (→)
  落ち葉の積もる道
  を下って行く
易しい登山道だった 林道に出ると、林道を歩いたが すぐに登山道に続きに入った
また林道が現れたが、横切るだけだった ときおりコース標識を見た 植林地の中を歩いて行く
足下に堰堤が現れた その堰堤の前を通過した ごく緩やかな道が続く 陽射しを受けながら歩いた
薄暗い植林地を歩くこともあった 前方が開けてくると登山口は近かった 小屋が現れると、その先が登山口だった
登山口に下りてきた 後は滝ノ口林道を歩いて行くだけだった 林道は終始緩やかだった
ゲートの位置まで戻ってきた 「山東自然の家」の前を通る 駐車場へと近づいた