TAJIHM の 兵庫の山めぐり <南但馬 
 
トンガリ山  (生野槍) 981.4m 朝来市
 
1/2.5万地図 : 但馬新井
 
【2021年3月】 No.3 2021-48(TAJI&HM)
 
    朝来市山口より  2021 / 3

 生野のトンガリ山を「但馬新井」の地図だけを頼りに、栃原川沿いを歩いて登ったのは1996年のこと。その後に「たじまハイキング」が出版されて、その栃原川のコースが紹介されていた。そのガイド本で山名がトンガリ山であることを知ったとき、その平凡な名に少々がっかりしたものである。それから25年経って、その栃原川コース(菖蒲沢コース)の印象が薄れてきたことで再度歩くことにした。向かったのは桜が咲き始めた3月26日のことだった。
 この日は快晴。青空の色は淡かったが、雲はほとんど見られなかった。栃原川沿いの菖蒲沢林道を採石置き場の位置から歩き出すとなっていたが、菖蒲沢林道に入ってみると、その採石置き場まで行かないうちに通行止めの看板が現れた。その先で工事が行われているようだった。そこで看板の近くにあった路肩スペースに車を止めて、そこからスタートとした。歩き始めると数軒の民家が現れたが、いずれも廃屋になっていた。林道を進んでいると数台のダンプカーとすれ違った。ダンプカーは林道の幅とほぼ同じとあって、通行止めに納得した。歩き始めてから20分ほどで採石置き場に着いた。その位置から少し離れた所に何台もの車が止まっていた。そばの栃原川では堰堤作りの最中だった。そこは林道の分岐点でもあり、直進の道と左にカーブして橋を渡る道とに分かれた。そこは左手の道を進むべきだったのだが、直進してしまった。林道は程なく不確かになってきたので地図で確認すると、地図では実線から破線となるもその先で右岸側の林道に合流するようだった。そこで細々とした小径を辿ったのだが、その小径も不確かになってきた。これでは時間ばかりかかると思い、沢そばに下りると適当に沢を渡って右岸側の林道に出た。そちらの林道は荒れてはいるもののはっきりとした道だった。その林道が大きく曲がる位置に標識があり、そこが段ヶ峰への一つの登山口だった。トンガリ山の標識もあり、それは林道を進む方向を示していた。トンガリ山へとそのまま林道歩きを続けた。登山口標識の位置から更に10分ほど歩いて林道は終点となった。その先は沢沿いの小径へと入ったが、そこにも段ヶ峰の標識があり、山頂まで3.9kmだった。ガイド本では暫くは沢沿いを歩くとなっており、そのつもりで進んで行った。沢沿いには目印テープも点々と付いており、それを追う形でもあった。目印テープのおかげで道の不確かな所や沢を横切る所も迷わず進んで行けた。広く平坦な所が現れると、そこは段ヶ峰コースとトンガリ山コースの分岐点で、段ヶ峰まで2.7km、トンガリ山まで1.1kmだった。その地点より6分ほど歩いたとき、登山コースは沢そばを離れることになった。そしていきなり急斜面の登りが始まった。そこにも目印テープがあり、それを頼りに登って行った。急斜面を登りきった後、今少し北へと歩いてトンガリ山の南東尾根に合流した。その合流点にあった木に赤テープが4本巻かれており、分岐点の目印になっていた。そこからは山頂へと北西方向に登って行く。尾根に出てからはときおり強い風を受けるようになった。冷たい風だった。その尾根上にアセビが増えてきたが、目印テープはそのアセビを避けるようにして付いていた。特に急坂になることも無く、合流点の位置から10分ほどで山頂到着となった。その山頂は前回と同じく東に向かって好展望が広がっていた。北東の粟鹿山から南のフトウガ峰まですっきりと眺められた。その山頂では本来は強い風を受けるはずだったが、この日の風は西風のようで、山頂西側の植林がその冷たい風を防いでいた。おかげで陽射しの暖かさを甘受しながら、のんびり昼どきを過ごせた。ところで山頂には山名標識が付いており、そこにはトンガリ山の名だけでなく、「生野槍」の名も付いていた。どうもこちらの名の方がこの山に似合っているように思えた。山頂で30分余り過ごすと下山に移った。下山は往路を戻るのみ。注意が必要なのは、尾根からの分岐点とその先の急斜面だけだった。急斜面を下りきると、沢沿いの小径も林道もほぼ緩やかな下り坂とあって、気楽な下山だった。おかげで往路では110分かかっていたが、下山では90分で駐車地点に戻ってきた。快晴に恵まれたこともあり、この菖蒲沢コースは25年前よりもずっと印象は良くなっていた。
(2021/4記)
<登山日> 2021年3月26日 9:30通行止めの手前よりスタート/9:53採石置き場/10:28林道終点/11:00沢筋を離れる/11:09南東尾根に出る/11:19〜54山頂/12:04南東尾根を離れる/12:12沢筋に下りて来る/12:37林道終点/13:01採石置き場 /13:23駐車地点エンド。
(天気) 快晴。雲は僅かだった。樹林帯の気温は13℃、山頂は18℃だった。風が強かったが、山頂では西側の樹林が風を防いでおり、陽射しの暖かさを甘受出来た。視界はややうっすらとしていた。
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全面通行止め位置より少し手前、この建物が見える辺
りに駐車した
採石置き場からスタートする予定が、ずっと手前から
のスタートになってしまった
全面通行止めの看板の位置を過ぎる ここまでは2分
だった
菖蒲沢林道は緩やかな道だった 右手に小さな祠を見た 祠の周囲はミツマタが満開だった
数件の民家が現れたが、総て廃屋になっていた 廃屋のそばを抜けて行く 林道は栃原川沿いに続いていた
林道の周囲ではミツマタをよく見た きれいな色で咲くミツマタを見た 採石置き場までに23分かかっていた
工事現場が現れた 大勢の人がおり、堰堤作りの最中
だった
工事現場で林道は二手に分かれており、そこを直進し
た 直進の道に入ったとき、後ろを振り返った
直進しても分岐した道とはこの先で合流出来ると思っ
ていたのだが
林道は終わってしまった 地図では破線の道がその先
にあるはずだったが、はっきりした道は無かった
斜面をただトラバースするだけになってしまった そ
こで対岸の林道に向かうことにした
沢そばに下りると、適当な位置で沢を渡った
林道に上がってきた その先で斜面が崩壊していた これで漸く正しいコースに戻ったことになった 林道が大きく曲がる位置に標識があった
一つは段ヶ峰コースの登山口を示す標識だった フト
ウガ峰と達磨ヶ峰との鞍部に出るようだった 
林道を直進すれば、こちらも段ヶ峰で、トンガリ山だ
った
林道を更に直進した
林道終点に着いた ここまで1時間かかっていた そこに標識があり、段ヶ峰まで3.9kmだった 終点からは、沢に沿って小径が続いていた
目印テープに従って沢を横切ることもあった 周囲は植林地が多かった 広々とした所が現れた
水溜まりがあり、そこに大量のカエルの卵を見た そこにはトンガリ山の標識があり、山頂まで1.1km
だった
その位置で段ヶ峰コースが分かれており、山頂まで
2.7kmだった
トンガリ山に向かうと、ネットに沿って歩いた 目印に従っていると、沢を離れることになった いきなりと言った感じで、急斜面の植林地を登った
尾根が緩むと、南東尾根は間近だった 南東尾根に着くと、分かり易い目印があった 尾根歩きに移った アセビの目立つ尾根だった
前方に山頂が見えてきた アセビの茂る所があると目印は避ける形で付いていた 山頂が目前になった

(←)
トンガリ山の山頂
に着いた

 (→)
  三等三角点(点名
  ・辻ヶ淵)を見る

以前と変わらず東
に向かって好展望
が広がっていた
上の写真に写る千ヶ峰を大きく見る 上の写真に写る高畑山を大きく見る 上の写真に写る笠形山を大きく見る
南の方向を望む フトウガ峰が間近に見上げられた 左の写真に写る入炭山を少し大きく見る
雲須山から三国岳へと続く尾根を眺める 雲須山の左には粟鹿山が望めた
木々の隙間からながら建屋山の山頂が望めた 同じく北東に馬場山を見た 山頂では樹林が西風を防いでくれていた
山名標識には「生野槍」の名もあった 下山は往路を戻った アセビの中を抜けて行く
目印テープを追いながら尾根を下った この目印のおかげで、安心して南東尾根を離れた 沢を目指して急斜面を下った
足下に沢が見えてきた 広々とした所まで戻ってきた 山頂から1.1kmだった 植林地を抜けて行く
沢を渡った 基本的には沢沿いを歩いた 林道の終点位置まで戻ってきた
林道歩きに移った 段ヶ峰登山口の前を通った 前方に千ヶ峰を見た
周囲の木々はまだ新緑からは遠かった 車が林道を塞いでいた 工事現場に来たようだった 堰堤工事を橋の上から眺めた
採石置き場に戻ってきた ミツマタの花を見るようになった 栃原川に沿って林道を歩いた
廃屋の位置まで戻ってきた 集落を過ぎたとき、後ろを振り返った 駐車地点が見えてきた