TAJIHM の 兵庫の山めぐり <中播磨
 
高畑山    たかはたやま 983.7m 神河町・朝来市
 
1/2.5万地図 : 生野
 
【2013年11月】 No.4 2013-91(TAJI&HM)
 
    小畑山より  2013 / 11

 「生野」の地図を広げて高畑山の一帯を眺めると、西麓の白口側から破線路が延びている。その破線のコースに興味を持って向かったのは2010年3月のことだった。静かな山歩きを楽しめたのだが、その日の山頂はガスがかかっており、展望を楽しめなかったのは残念だった。そこで季節を変えて再び白口側から登ろうと考えていた。出来ればその年でと思っていたのだが、結局は3年半後の2013年11月に四度目の高畑山に向かうことになった。まだ里では紅葉は始まったばかりだったが、高畑山では紅葉が進んでいるのではと思えて、紅葉を眺めるのも楽しみとして向かった。生野町に入ると、猪野々の先で白口集落への道(県道367号線)に入った。以前は林道だった細い道を走って行くと、白口種楽が近づいたとき、右手に支林道が分かれた。前回はその分岐点のそばに車を止めて歩き出していたが、今回は支林道を1kmほど走って、白綾の滝へのコースが分岐する位置に駐車とした。今回は復路は前回と同じく山頂から北東に延びる尾根を下って白綾の滝に下りる予定だったが、往路はコースを変えて、南に向かう林道をずっと歩いて尾根に出ることにした。その林道だが駐車地点のすぐ先でクサリが張られており、車は進入出来なくなっていた。そのクサリをまたいで林道を歩き出した。林道は次第に荒れだして、一般車ではクサリが無くとも車の進行は厳しいように思われた。途中からはガレ場のようになり、廃道と呼べるまでになった。周囲は自然林が多く、歩くうちに紅葉した木が見られだした。赤いものが少ないために鮮やかとは言えなかったが、落ち着いた黄葉の色も悪くなかった。その紅葉風景を愛でながらのんびりと歩いた。林道は沢沿いを南へと続いていたが、意外と早く終わってしまった。沢では大きな災害があったのか、土中に埋められていた大きな配水管が幾つもむき出しになっていた。そこで林道の続きを歩く感じで林に入ったところ、どうもヤブコギになってしまった。小さな沢に沿って歩いたりその沢の中を歩いたりしていたのだが、時間がかかりそうなので沢そばを離れて山頂方向に向かうことにした。右手の斜面を登ると、何とすぐ先に林道が見えていた。林道は沢を跨いでいたのだが、どうやら大きな災害でその部分が崩壊していたようだった。沢を渡って再び林道歩きを始めた。紅葉の風景は続き、途中では鮮やかな赤い色も眺められた。その林道が漸く終わると、沢沿いの小径を歩いて行った。そばの沢に小ぶりな滝が見られたり、左手の斜面に落差のある滝が現れたりした。その小径がはっきりしなくなると、沢に下りて沢の中を歩いたり沢に沿って斜面を歩いたりしていたが、途中から面倒くさくなってきた。そこで右手の斜面に取り付いて尾根を目指すことにした。現在地がはっきり掴めなかったが、尾根にさえ出れば後は尾根道を歩いて無理なく山頂に立てるはずだった。植林の支尾根を登るようになり、植林から自然林に変わってくると、次第に大きな木が減ってきた。展望が現れて南に小畑山が眺められるようになった。どうやら高畑山の南隣りにある981mピークに向かっているようだった。陽当たりが良いためかアセビが増えてきたと思っていると、足下は小笹に覆われるようになった。その小笹を踏みながら、やや急斜面を登るようになった。大岩もみられるようになって、辺りの風景が何となく白岩山の山頂付近に似ていると思えた。登るほどに展望はどんどん良くなり、小畑山の尾根だけでなく、その背後に笠形山や千ヶ峰も現れてきた。更には東の風景も現れて、粟鹿山まで望まれた。もう大展望と言っても良さそうで、その風景を眺めながら昼食をとることにした。風も無く穏やかな中で大展望を楽しめるのは贅沢なことだった。位置としては981mピークの東南になり、981mピークが近くに見えていた。昼食を済ませると、その981mピークに向かって行く。植林の中に入ると、程なく尾根道に合流した。981mピークの少し北の位置で、981mピークに立たずに合流したことになった。もう後は緩やかな尾根道を北へと高畑山に向かうだけだった。高畑山は前方の木立を通して輪郭が見えていた。上り坂が始まると、程なく高畑山の山頂に着いた。反射板の建つ山頂は周囲の樹林が生長して展望は年々狭くなっていたが、それでも東から東南にかけては開けており、まずまず展望を楽しめた。但しそれ以外の方向は全く見えていなかった。そこで初めて訪れたときと同じく反射板に登ってみることにした。この高畑山の反射板はフェンスで囲まれていないので、取り付くのは容易だった。また鉄の骨組みを登るのは木に登ることと比べるとずっと楽なので、特に危険と思うこともなく反射板の上部まで登れた。そして期待に違わない大展望が得られた。遠方は雲が広がってはっきりとしていなかったものの、生野高原の全体が眺められるなど十分に満足出来る展望だった。この日の目的である高畑山の展望は叶えられたので、下山の途につくことにした。下山は前回と同じく北東尾根を下って行く。この尾根も紅葉が進んでおり、それを愛でながら下った。足下は落ち葉が積もっており、ふかふかとした歩きごこちは悪くなかった。途中で別の尾根に入ってしまったが、宮の谷ダムが見えたことで誤りに気付き、軌道修正した。途中からは植林地を下るようになり、尾根のはっきりしない所が現れるようになった。とにかく尾根筋を外さないように、また方向として北東に下ることを心がけて下った。途中では尾根から少し離れた位置に山道を見たので、それを歩いた。その山道も不確かになると、また尾根上を下った。麓が近づくとまた自然林が増えて、紅葉が眺められるようになった。左手に滝が見えてくると、それが白綾の滝で、それを横目に急斜面を下って沢そばに下り着いた。駐車地点にごく近い位置だった。駐車地点に戻る前に、白綾の滝を見物することにした。滝までは遊歩道があり、滝見小屋も建っていた。優美な滝を間近で眺めて、この日のハイキングを締めくくった。
(2013/12記)(2021/3改訂)
<登山日> 2013年11月9日 9:19スタート/9:44林道が寸断されている地点/10:13林道終点/11:28〜12:00展望地で昼休憩/12:04境界尾根に出る/12:17〜41高畑山山頂/14:01〜06白綾の滝/14:10エンド。
(天気) 薄晴れの空から柔らかい陽射しを受けた。ときに青空の広がることもあった。気温は樹林帯ではほぼ12℃で推移した。山頂の気温は15℃。山頂に着くまではほとんど風を受けなかったが、山頂に着いて少し風を受けた。その頃には薄曇りに変わっていた。それも下山中にまた青空が広がりだして、駐車地点に戻ってきたときは、快晴になっていた。
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駐車地点のそばで林道は二手に分かれた 右は白綾の滝への道だった 左手の道を進む すぐに車止めのクサリが現れて、それを越した
沢に沿って南の方向へと歩いた ミツマタが繁茂している所を通った 蕾を付け
ていた
少し広やかな所に出てきた
右手の沢を見る 林道は荒れてガレ場のようになってきた そばの樹林がきれいに紅葉していた
鮮やかな紅葉も見られた もう林道は車は深くえぐれていた 大きな災害があったようで、林道は終わってし
まった
林道の続きを歩く感じで沢沿いを進むことにし
たが、軽いヤブコギだった
歩き易い所をと、沢の左岸側に移って歩いたが
この先は急斜面だった
ときに沢の中を歩いたりもした
沢沿い歩きは時間がかかりそうなので、方向を
定めて山頂方向に向かうことにした
少し登ると対岸に林道が見えていた そこで沢
を渡ることにした 水量は少なく簡単に渡れた
再び林道に出た 災害地の先で林道は続いてい
たようだった

 徐々に林道が荒
 れ出した ここ
 でもミツマタの
 茂る所があった

 谷の方向できれい
 な紅葉を見た

 やはりカエデの紅
 葉は美しかった

   林道の道幅が細く
   なってきた
   
また紅葉の木が増えてきた 林道はまだ続くと思っていたが、この先で終わ
ってしまった
林道の先では小径が続いていた 左手の沢では
小さな滝をよく見た
小径が怪しくなったので、沢を伝った 沢が歩き難くなると、沢から少し離れて歩いた 対岸の斜面に滝を見る
そばの沢にも小ぶりの滝を見た 頭上を見上げると、紅葉が覆っていた カエデの紅葉を多く見るようになった
暫し足を止めて紅葉を愛でた 良い色だった 沢が不確かになると、右手の斜面を登った 尾根に出たので、尾根を登って行く

 次第に高い木が減っ
 て周囲が眺められる
 ようになった

    背後を振り返って見
    えたのは小畑山だっ
    た
   
アセビの茂る所を通る 大きな岩を目にした 尾根をひたすら登った 落葉が進んでいた
辺りは灌木程度となり地表は小笹が覆うようになった 展望が良くなって、南の風景が広く眺められるようになった
辺りは白岩山に似た日本庭園風になってきた 道は無く、ときおり灌木をかき分けることにな
った
登るほどに灌木は減って展望が更に良くなって
きた
北東に粟鹿山を望む また小畑山の尾根の背後に千ヶ峰や笠形山が姿を見せていた

 上の写真に写る
 粟鹿山を大きく
 見る

   千ヶ峰の方向を
   望む

 笠形山を大きく
 見る

 昼どきになってい
 たので、この風景
 を見ながら昼食と
 した
 
小畑山の右手方向では、広く伐採作業が進めら
れていた
高畑山を目指して展望地を離れた 境界尾根に
向かって登った
境界尾根に着くと尾根道に出会った 周囲は植
林地になっていた
前方に木々の隙間より高畑山を望む 高畑山が近づいたとき紅葉のカエデを見かけた 高畑山への登りにかかった
高畑山の山頂が目前になった 山頂に着いた 反射板の手前に三角点を見る 三等三角点(点名・本谷)を見る
山頂は周囲の樹木が大きくなっており、展望は良いとは言えなかった 左の写真の右手となる南東方向には展望があった

 他の方向の展望を
 求めて20年前と
 同じく反射板に登
 ってみることにし
 た

   西に生野高原を望
   む
右上の写真に写る段ヶ峰を大きく見る 上の写真に写る須留ヶ峰を大きく見る
南東に飯森山を、南に白岩山を望む 白岩山を大きく見る
他の方向も望み通り眺められた 北西から北、そして東までを広く眺める
建屋山の方向を大きく見る 北方遠くに床尾山を見る
粟鹿山を大きく見る またに山を大きく見る 千ヶ峰を大きく見る
下山は北東に延びる尾根を下って行くことにした 始めは植林と自然林の混じる尾根だった 自然林の紅葉を見る
途中で北寄りに下ってしまい、宮の谷ダムが見え
たことで北東尾根を外れていることに気付いた
すぐに北東に尾根に戻って下山を続けた 辺り
は自然林が広がる
この尾根からも小畑山が望めた

 後ろを振り返る
 と僅かに山頂が
 望めた

 地表はすっかり
 落ち葉に覆われ
 ていた
ふわふわとした踏み心地を楽しみながら下った 晩秋の味覚クリタケを見つけた 頭上の紅葉を眺める
尾根は植林に囲まれるようになった 植林の中に黄色く色付いた木を見かけた 尾根を外れた所に小径を見たので、そちらを歩いた
小径が別方向に行くと、また尾根を下った 麓が近づくと、けっこう急斜面になってきた 沢のそばに下りてきた 両側が沢だった
左手の沢の上流側に白綾の滝を見た 滝を間近で見ようと、滝に近づく遊歩道に入った 滝のそばに来ると、滝見小屋が建っていた
滝見小屋から白綾の滝を見上げた 滝の左手を見ると、信じられない所に石仏を見た 滝見物の後は駐車地点へと戻って行った