TAJIHM の 兵庫の山めぐり <西播磨
 
東山    ひがしやま 1015.9m 宍粟市
 
1/2.5万地図 : 音水湖
 
【2010年2月】 No.10 2010-15(TAJI&HM)
 
    波賀町齋木より  2010 / 2

 兵庫の冬山としては、東山をメイプルプラザから登るのは雪山の入門コース。メイプルプラザまでのアクセスは容易であり、山頂まで通じる遊歩道に急傾斜は少なく、また時間も雪の条件で違うが2時間ほどと手頃である。そして山頂の展望台からは360度の展望が楽しめるので、スノーシュー・ハイキングを楽しむ山としての条件は揃っている。但し雪があってのことで、奥播州の千メートルを越える山と言えども比較的南に位置するため、好天が続くと雪は一気に減ってしまうことになる。そこでどっと雪の降った後に訪れるのが良さそうだった。ただそうなると雪が柔らかすぎて、スノーシューでもけっこう潜ってしまう難点はあった。この狙いで東山に向かったのは、2010年2月の第一日曜日で、前日に宍粟市は本格的な雪になっていた。
 この日、国道29号線を北に向かっていると、姫路市の林田町辺りからもう田畑は白くなっていた。東山のメイプルプラザに通じる車道は谷・水谷林道で、南の谷集落側からと北の水谷集落側から向かうことになるが、この日は谷集落側から走ることにした。ところが国道29号線こそしっかり除雪されていたが、集落への道はすっかり白かった。そして林道の入口には通行止めの標識が立っていた。ただ轍は続いていたので、そのまま走って行くことにした。轍を忠実に辿って行くものの、雪は20センチほどあり、車の底が何度も雪にこすれてブレーキとなった。それにABSが何度も働いた。どうも四駆でないと無理な状況だったが、何とかメイプルプラザの入口に着いて一安心だった。メイプルプラザの駐車場に着いたのは10時前。周囲の木立は雪化粧しており、すっかり雪山の姿だった。訪れる人は少ないと見ていたが、雪の広場で遊ぶためか、小さな子供を連れた家族連れをちらほら見かけた。駐車場の一隅に車を止めて、いざ準備をしようとしたとき、二つのものを忘れているのに気が付いた。一つは地形図で、もう一つはロングスパッツだった。何度となく登っている東山なので地形図は要らないとしても、ロングスパッツの無いのは少々痛かった。ただスノーシューを履くので、大きく潜り込まない限り大丈夫ではと思うことにした。雪はメイプルプラザの先のコテージ村までしか除雪されておらず、その先からスノーシューを履くことになった。車道の雪は30センチほどあり、そこに足跡は無かったので、新雪にトレースを付けて行くことになった。いざスノーシューで歩き出すと、積もったばかりとあって、すっと20センチほど潜ったが、雪は軽いためさほど気にはならなかった。またスノーシューが広く雪を押さえるため、ロングスパッツが無くとも、雪が靴に入ることは無かった。但しレインウェアを着て、多少の防御はしていたが。この日の登山の様子は、以下に写真日記としてまとめたので省略するが、この日に東山を登ったのは、こちらとパートナー、そして他に一名だけのようだった。その一人は早い登山だったようで、はやメイプルロード2号線の中ほどで下山してくるのとすれ違った。その足下にはスノーシューは無く、どうやらツボ足で登ったようだった。その登山者はこちらとはコースが違ったようで、遊歩道1号が始まる登山口に着いたとき、南回りのコースを下りて来たことが分かった。こちらは北回りコースを考えていたので、そちらに入ると、こちらがトレースを付けて行くことになった。新雪の尾根上で再びトレースを目にしたのは、遊歩道1号の北回りコースと南回りコースが合流する「山頂まで1.3km」の地点だった。トレースは先の登山者のものだった。後で分かったが、その登山者は東山へは最短コースとなる西コースを登って山頂に立ち、下山は尾根コースを歩いて遊歩道1号の南回りコースを下ったようだった。尾根の雪は50センチ以上あり、そこまでスノーシューと言えども30センチ以上潜ったりしてけっこう歩度は落ちていたのだが、トレースに出会えたことで歩度は上がり、気楽な登山となった。山頂に着いたときは、メイプルプラザ前をスタートしてから2時間22分が経過していた。やはり新雪では時間がかかるようだった。山頂は風も無く穏やで、そして展望台に立つと澄んだ視界のもとに360度の展望が広がっていた。雪山として絶好の登山日和と言えそうで、この東山山頂をパートナーと二人だけで過ごすのは何とも贅沢な思いだった。下山は地図を持っていないこともあり、すんなりと登ってきたコースを引き返した。トレースのままに下るとあって至って楽で、下りは1時間25分でメイプルプラザの前に戻ってきた。登りよりも1時間早いことになる。そして下山後はメイプルプラザの東山温泉に浸かって冷えた体を十分に暖めることが出来た。それにしても雪山登山として好条件の日に、登ったのは3名だけだったのは意外だった。
(2010/2記)(2020/9改訂)
<登山日> 2010年2月7日 10:00スタート/10:05〜12除雪区間の終わりでスノーシューの準備/10:32メイプルロード2号線分岐点/10:48登山口/11:24〜29[928m]ピーク/11:36あと1.3km地点/11:56あと600m地点/12:12あと200m地点/12:22〜13:07山頂/13:38あと1.3km地点/14:07登山口/14:49メイプルロード2号線分岐点/14:32エンド。
(天気) 晴れ。少し雲が多かったが、澄んだ空だった。雪は林道上は30cmほど、登山道では50cmまで増える。尾根でも山頂でも風は無く穏やかだった。気温は午前はおおむね5℃ほど。山頂では陽射しの下では10℃近くまで上がって過ごし易かった。それが下山中は雲が広がったこともあり、0℃まで下がってきた。但し林道に出たときは5℃に戻っていた。視界は澄んでいた。
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メイプルプラザの駐車場を10時に歩き始めた コテージ村から先は除雪されていなかった コテージ村もすっかり雪景色だった
メイン道路をスノーシューで歩いて行く 上空は澄んだ青空だった メイプルロード2号線の分岐点に着く
2号線の途中で、はや下山者とすれ違った そこから先はトレースが付くことになった 2号線の終点にある作業小屋が見えてきた
    
遊歩道1号の起点に着いて登山口標識を見る 遊歩道1号を北回りで登ることにした
先ほどの登山者は南回りで下ったようで、北回りのコースにはトレースは無かった 気温が上がったためか、頭上から木に付いていた雪がよく落ちてきた 途中ではアカマツの林が現れた
    
周囲にゆったりとした自然林が広がるようにな
った
木の影が真っ白な雪面にくっきりと映る すっかりスノーハイキングの雰囲気だった
928mピークに近づく  雪は50センチ以
上あった
928mピークは展望があって西が広く眺めら
れた
木立を通して東に見えたのは千町ヶ峰だった
木立の影を眺めながら尾根歩きを続けた
   
山頂まで1.3km地点を過ぎて、またトレースと出会った 行く手に東山の山頂を見る 程なく植林地の中を歩くようになった この辺りの尾根はごく緩やかだった
木立がばらけて少し傾斜がきつくなった また植林地の中を歩いて行く 伐採地はすっかり雪原になっていた
山頂まで200mとなる 山頂が近づいてアセビが目立ってきた 山頂の展望台が現れた
山頂に人影は無かった さっそく展望台に上がると、澄んだ視界に播州、但馬の高峰群が一望だった 西から北、東にかけてを眺める

 氷ノ山を大きく
 見る

   氷ノ山の山頂のみ
   強く光が当たるこ
   とがあった
沖ノ山の方向を大きく見る 一つ山の方向を大きく見る
日名倉山を大きく見る 三室山を大きく見る 赤谷山の山頂にのみ光が当たっている
展望台に立って東から南にかけてを眺める 南方遠くには瀬戸の島も眺められた
上の写真の暁晴山を大きく見る 展望台から北の方向の足元を見る 北東の須留ヶ峰を大きく見る
南東に黒尾山から深山へと続く尾根を見る うっすらと見えた瀬戸の島を大きく見る
山頂を離れるとき、改めて展望台を見た 空には大きく雲が広がっている 下山は十分に付いているトレースを辿るだけなので、いたって気楽だった 前方に氷ノ山が見えたとき、その山頂にはガスがかかろうとしていた
尾根の途中で東に笠杉山を見る 振り返って山頂を見る 陽射しが少ないため気温は0℃まで下がってきた
928mピーク付近から北に一山を間近く見る 作業小屋が見えてきた メイン道路は除雪されていた