TAJIHM の 兵庫の山めぐり <西播磨
 
東山    ひがしやま 1015.9m 宍粟市
1/2.5万地図 : 音水湖
 
【2012年2月】 No.12 2012-18(TAJI)
 
    鳥ヶ乢トンネルの近くより  2012 / 2

 兵庫の雪山で入門コースと言えば東山。雪山に登るとなれば天気の良い日に登りたいものだが、東山なら多少雪がちらついて視界が悪くなっていても、無理なく登れる山なので、雪の感触を味わうことを目的とするときは、好都合の山と言えそうだった。その考えで向かったのは2012年2月の最終日曜日のこと。パートナーは用事があって、単独で向かった。但馬は大雪となっていたが、波賀町南部は少し雪が見られる程度だった。フォレストステーションまでの道も、雪はほとんど見られなかった。但し山の方向はまだまだ雪が残っていた。メイプルプラザの駐車場に着くと、3割程度は埋まっていた。辺りを見ると、小さな子供を連れたファミリーがソリ遊びを楽しんでいた。天気は曇り空で小雪がちらついており、展望は期待出来そうになかったが、どうやら雪は締まっているようで、登る苦労は少なそうだった。雪の季節にこの東山に来ると、いつも尾根コースを登っていたので、この日は変えることにした。山頂への最短コースとなる東山コースで登る考えだった。始め車道に雪は無く、スノーシューはザックに付けて歩いて行った。途中からうっすら雪が現れると、そこに多くの足跡が付いていた。どうやら先にグループが歩いているようだった。メイプル1号線が分岐する位置に着いたとき、コースを変えることを思い付いた。グループの付けたトレースを歩くよりも、自分でトレースを付けたいと考えたからである。グループの足跡は東山コースに向かっており、こちらはメイプルロード1号線に入った。車道はうっすらながら雪に覆われており、足跡は付いていなかった。暫く登ると雪は20センチほどになり、靴が潜るようになった。そこでスノーシューを履くことにした。その先で一度雪は少なくなったが、かまわずスノースシューのまま歩くと、そのうちに車道はすっかり雪に覆われるようになった。雪は表面が固くなっており、スノーシューで踏むと、割れる感じで数センチ沈んだ。つぼ足では苦しいが、スノーシューでは楽に歩けるので、絶好のスノーシューハイキングと言えそうだった。歩くうちに空の雲が薄くなって、ときおり陽射しが現れることがあり、そのときは雪面がまぶしかった。メイプル1号線は尾根には達しないので、途中で右手に分かれた作業道に入った。その作業道は山腹を巻くようにして、山頂方向に向かっていた。ずっと雪の車道歩きだった。雪は20〜30センチ程度で続く。車道のため急坂は無く、ただ黙々と登るのみ。始め周囲は植林地のため展望は無かったが、伐採地が現れると次第に展望が広がってきた。それは西の方向で、始めは小雪のためにごくうっすらとしか見えなかったが、登るうちに少しずつ視界が良くなって、黒尾山から荒尾山までが眺められるようになった。主尾根が近づくと、一帯はすっかり伐採地で、そこには新たに苗木が植えられていた。その苗木の一本一本に鹿の食害防止のための囲いが付けられていた。主尾根に着くと、作業道は尾根を越えて尾根の東側へと続くが、こちらは作業道コースを離れて尾根コースに入った。尾根コースにはつぼ足の足跡が一人分だけ付いていたが、それは前日以前のものだった。少しの距離で右側から東山コースが合流した。そこには多くの人で歩かれたトレースが付いていた。登山を開始した直後に見た雪面に足跡を付けていたグループは、東山コースを登って先に山頂に着いているようだった。後は山頂までの200mを、トレースを見ながら歩を進めた。ブナの混じる林を抜けて行くと、山頂に建つ展望台が見えてきた。また周囲の裸木がうっすら霧氷を付いているのが見られるようになった。山頂到着は歩き始めてから歩き始めてから1時間40分ほどと、少し長くかかったようだった。これは車道がくねくねとしていたため、他のコースと比べて歩く距離が長かったためかと思われる。山頂には10人ほどのグループがいたが、こちらが山頂に着いて数分もしないうちに山頂を離れた。後は一人だけ。ひっそりとした山頂は冷たい風が吹いており、気温は−2℃だった。相変わらず小雪が舞っていた。展望はうっすらと西の山並みが見えるだけだった。山頂の霧氷風景を漠然と眺めていると、うっすらとながら陽射しが現れてきた。空を見ると、ごく薄く青空も見えている。それでも小雪は舞っていた。展望台の上に立つと、着いたときよりも視界は良くなっており、三室山の手前の尾根もうっすらと見えるまでになっていた。そのうちに明るくなっていた山頂が、再び厚みを増した雲のために薄暗くなってきたので、それをしおに下山とする。下山はグループが登ってきた東山コースを下ることにした。その分岐点まで来ると、グループは尾根コースに向かったようで、そちらに太いトレースが出来ていた。こちらは東山コースに入る。はっきりとしたトレースを踏むだけなので、いたって楽だった。はじめは自然林の中を下り、途中から植林帯へと入った。植林帯の雪は少なく、スノーシューはほとんど必要なさそうだった。その植林帯を下る途中で、軽く昼食とした。そして下山を続ける。小雪はいつの間にか止んでいた。下るうちに地肌の見えた所が現れ出したので、スノーシューを脱ぐことにした。そうすると今度は雪の凍った所で滑りそうになった。そのためスノーシューを脱いでも、歩度を上げる訳にもいかなかった。そしてずっと周囲は植林が続くので、どうも東山コースは少々退屈なコースと言えた。登山口に着くと、そこからは右手の方向に林道(作業道上東山下環状線)を歩いて行く。その林道はメイプルプラザの手前までは緩やかな登り坂が続くので、これも気分的に楽しいとは言えなかった。メイプルプラザが見えてくると、辺りで雪遊びをするファミリーの姿が眺められた。その頃には一時止んでいた小雪が再び舞い出しており、その中をメイプルプラザへと近づいた。
(2012/4記)(2020/9改訂)
<登山日> 2012年2月26日 9:33メイプルプラザ駐車場スタート/9:50メイプルロード1号線入口/10:13作業道に入る/11:07尾根コースに合流する/11:16〜43山頂/11:50尾根を離れて東山コースに入る/植林地に入ったとき昼食をとる/12:40東山コース登山口/12:49メイプルロード1号線入口/13:05エンド。
(天気) 曇り空。絶え間なく小雪がちらついていた。但し空の雲は薄いようで、ときおり太陽の輪郭が現れて、うっすら陽射しが現れた。気温は尾根に出るまでは2℃ほど。尾根に着く頃は0℃まで下がっていた。山頂は少し北風があり、気温もー2℃まで下がってきた。山頂も小雪が舞っていたが、一時的に薄い青空となり、陽射しが現れた。視界は悪いながらも、西の山並みを眺められるときがあった。下山するうちに雪は小止みとなったが、駐車場に着く頃に再び小雪がちらつき出した。
<< Photo Album 2012/02/26 >>
小雪の中をメイプルプラザの駐車場から歩き始
めた
後ろを振り返ってメイプルプラザを見る 芝生広場もすっかり白かった
車道に積もる雪に幾人もの足跡が付いていた 車道が二手に分かれたとき、左手の道に入っ
こちらはメイプルロード1号線で、足跡は無か
った
 車道は登るほどに
 すっかり白くなっ
 たが、雪は多くは
 無く、20センチ
 ほどだった

  途中で作業道が右手
  に分かれたので、そ
  ちらに入った
左手の斜面は、幼木が植林されたばかりだっ
前方に作業道がくねくねと続くのが眺められた 登るうちにごくうっすらと西の方向が眺めら
れた
西にごくうっすらと見えて来たのは大甲山だった 作業道の雪は多くても30センチまでだった 主稜線が近づいて、広々とした伐採地に出た

 西の尾根が広く眺
 められるようにな
 った

   日名倉山を大きく
   見る

 荒尾山の右手も見
 えてきた 植松山
 も三室山もガスに
 隠されていた

   主稜線に出て、尾
   根コースを歩く
山頂まで200m ここで尾根コースに右手から東山コースが合流した 東山コースはグループが歩いており、山頂まではっきりとしたトレースが出来ていた 自然林の中を歩くようになった
山頂が近づいて、周囲の木立は霧氷を付けていた 山頂の展望台を見る そこに10人ほどのグループがいたが、すぐに下山した
山頂の山名標識を見る 雪は少ないようだった 視界が悪いため、暫くは周囲の霧氷を眺めていた
展望台を西側から眺める 山頂で佇むうちに植松山が姿を現した 一時だったが、薄く青空も現れた

 少しは視界も良く
 なったので、展望
 台に上がって西の
 尾根を眺めた

 上の写真の黒尾山
 を大きく見る

 上の写真の植松山
 を大きく見る
展望台から霧氷の木立を見る 東の方向は近くの尾根を見るだけだった 山頂を離れて登ってきた道を引き返す
下山は東山登山コースに入った 始めは木立が疎らな中を歩いた 植林帯の中を下るようになった
松林帯の中でいっとき足を止めて昼食をとった 左手に沢を見るようになった 地表が見えてきたのでスノーシューを脱いだ
林道が見えてきた 林道(作業道上東山下環状線)に下り着く コースの入口には登山口標識が立っていた
登山口の標識は、山頂まで2kmとあった 林道を右の方向に向かう 再び小雪がちらつく中、メイプルプラザに近づいた