フォレストステーション波賀が出来るまでは、東山を登るのは東麓にある高野集落から登るコースしか思い付かなかったが、フォレストステーション波賀が出来て以降は、とんと東側からは登らなくなっていた。ただ東山の大きさを味わうのに高野集落から登るのも悪くないもので、そこで久々に登ろうと向かったのは、2013年6月の第二土曜日のことだった。高野集落の近くに不動滝があり、そこまでは遊歩道が通じており、また遊歩道の入口には駐車場もあるので、その駐車場に車を止めた。まずは不動滝へと歩き、不動明王のそばで暫し滝見物を楽しんだ。そこから登山道が沢の左岸側に通じているので、それを歩いて行こうと登山道を歩き始めたところ、地図に無い作業道に出会った。その作業道がどこまで通じているか分からなかったが、それを歩いて行くことにした。ただ期待したほどに長くは続かず終点となり、そこからは作業道の続きとしての登山道を歩いて行った。その登山道が不確かになってきたとき、また別の作業道に出会った。東山の方向に向かいそうに思えたので、その作業道を歩いて行くことにした。その作業道も小さなピークまでで、その位置から東山まではまだまだ距離があった。その終点辺りは伐採地のため開けており、辺りの様子を眺めることが出来たもで、そこからどう進むか考えることにした。小径が北西方向の尾根に見えていたが、当初に考えていた沢沿いに戻ることにした。斜面を少し下って沢そばに出ると、沢に沿って適当に歩いた。歩くうちに辺りは植林地になり、緩斜面とあって無理鳴く進んで行けた。その登りを続けていると、またまた作業道に出会った。まだ作りかけのようで、地面にキャタピラの跡がくっきりと付いていた。その作業道で尾根に近づこうとしたところ、その作業道もすぐに終わってしまった。もう東へと登れば確実に東尾根コースに合流出来ると思われたので、そばの斜面に取り付くと、歩き所を選んで登って行った。やや急斜面だったが、尾根が近づくと次第に緩くなってきた。周囲は自然林が広がっており、緑の色が濃かった。その木陰の気温は22℃ながら湿度は低いようで、適度な涼しさがあった。そして尾根に出ると、予想通りそこに東尾根コースの登山道を見た。近くに見えた標識には山頂まで600mと書かれていた。もう一気に易しい道を歩くことになり、のんびりとハイキング気分で歩いて行くと、尾根に着いてから14分で山頂到着となった。山頂には先着のハイカーが何人かおり、まずまずの賑わいだった。山頂のアセビは一段と茂ったようで、そのアセビが新緑の萌黄色となっており、山頂を明るくしていた。また花を付けた木も多くあり、サラサドウダンツツジやウツギ、タニウツギが山頂を彩っていた。その山頂では陽射しを避けるため、展望台の下のベンチで昼休憩とした。涼しいばかりの風が吹いており、何とも快いばかりだった。昼食をとっている間に他のハイカーは皆下山に向かってしまったため、パートナーと二人きりになった。そこで展望台に上がって展望を楽しむことにした。ややうっすらとした視界ながらもまずまず遠くまで眺められて、兵庫の高峰群を目に納めることが出来た。その山頂からの下山では往路を戻ることにしたのだが、適当に登ってきたことでもあり、下山も適当に下った。下るうちに沢に沿うようになり、そして作業道に出た。この下山では出来るだけ作業道を歩かないことにした。最初に出会った作業道こそ少し歩いたが、それもすぐに離れて、基本として沢沿いを下って行った。下るうちに依然に歩いた沢沿いの登山道に出会えて安心していたところ、途中が崩壊していた。作業道が近くに見えていたが、あくまでも沢沿い歩きを続けようと、沢の中を歩いて行くことにした。その辺りの沢は緩やかになっており、ただ岩で滑らないことだけを注意した。そのうちにまた登山道が左岸側に見られるようになって、登山道に戻った。その登山道を下って行くと、不動滝の近くで作業道に合流した。不動滝のそばに出ると、後は遊歩道を歩いて駐車場に戻るだけだった。以前に歩いたときと比べると、沢沿いのコースは災害で荒れていたため登山コースの体を成さなくなっていたが、特に無理もなく登れて、予定通り東山の大きさを実感することが出来た。
(2013/6記)(2020/9改訂) |