2016年の1月、2月は、ほぼ瀬戸内側の山ばかり登っていたので、3月に入って少し北の山を登ろうと、久々に宍粟市北部に向かった。この冬は暖冬だったので、東山の雪は少なかろうと、冬支度としてはスパッツだけを準備した。
メイプルプラザ前に着いてみると林道に雪は無く、山肌にちらりと見る程度だった。気温も10℃を越えており、もう春山の雰囲気だった。この日は登山コース以外を歩こうと、往路は東山コースの手前から分かれるメイプルロード1号線を歩いた。登れども雪は現れず、東山はすっかり冬シーズンを終えていた。途中から作業道に入ると、舗装路からダート道に替わって少し歩き難くなった。そのダート道にも雪は無かった。このコースは展望の良いコースで、登るほどに西の山並みが広く眺められるようになった。この日の視界はうっすらとしており、山の姿は薄ぼんやりとしか見えなかった。三室山も見えていたが、その姿はおぼろげだった。尾根に着くと東山尾根コースの登山道に合流した。もう山頂まで400mほどだった。山頂が近づいてアセビ帯に入るも、雪は無かった。そして山頂もすっかり消えていた。その雪解けの早さには、少々呆気なさを感じた。まずは展望台に上がって一休みとした。山頂は陽射しを受けて十分な暖かさだったが、陽射しが消えると途端に冷たい風が現れて寒さを感じた。展望台から足下を眺めるとアセビが広く茂っている様が眺められたが、雪解け直後のアセビは葉を総て垂らしていた。目を周囲の山並みに向けると、北の空は雲が多いようで、氷ノ山の姿は見えなかった。すっきりとした視界でも無かったので、山頂での休憩は20分ほどにとどめて、あっさり下山に向かった。下山は尾根コースを歩く予定だったので、まずは往路を引き返したが、アセビ帯の途中で登山道を離れてアセビ帯の中に入ってみた。アセビこそ青々としていたが、下生えのイワヒメワラビは枯れている上に雪で押しつぶされており、何となく日本庭園を見る風景になっていた。そこを横切って作業道に出た。作業道で尾根コースへと向かって行くと、作業道は尾根の東側となるためか雪が残っており、残雪期の風景となっていた。尾根コースに入ると尾根道歩きとなるも、その尾根コースを歩道1号線が分岐する位置で離れて、歩道1号線を下った。名の通りに易しい遊歩道で、気楽な下りだった。その歩道1号線がメイプルロード2号線に合流すると、トラバース道の感じで北へと歩いた。メイプルロード2号線は途中で荒れた所もあって、林道としてあまり使われていないように思えた。そのメイプルロード2号線に尾根道コースが合流すると、そのすぐ先が作業小屋だった。そこからは舗装路歩きとなって、メイプルプラザに向かった。この日は主として作業道歩きだったためにハイキングらしい雰囲気は少なかったが、お馴染みのコースではないコースで周回歩きが出来たのは良かったと思いながらメイプルプラザに近づいた。
(2016/3記)(2020/6改訂) |