前日は藤無山登山に出かけたが、好天の予想はみごと裏切られて、霧雨とガスの中の登山になってしまった。その天気はずれ込んだようで、翌日の朝に見たその日の天気予報は快晴で、午後に入って雲が増えるようだった。そうなると前日より抱いていた胸のモヤモヤを消したいと思った。そこで前日の疲れも考慮して、比較的高度感を楽しめるものの、易しく登れる山を登ることにした。その考えで決めたのが笠杉山だった。山の天気は変わり目が早いので、決めるとすぐに自宅を離れた。6時半だった。この日はパートナーは連れず、単独行動だった。早朝の国道29号線は空いており、千町集落には8時過ぎに着くことが出来た。そのまま林道へと入り、千町小屋を左手に見て更に進んだところ、林道は悪路になってきた。そこで少し戻って千町小屋に近い位置にあった路肩スペースに駐車とした。予定では林道を峠まで歩くことにしていたのだが、歩き出してすぐに右手に支林道が分かれると、その支林道に入ってすぐの位置に登山口標識が立っていた。そのコースは林道の迂回コースと思えたため、その登山道を登って行くことにした。概ね植林地を登ることになったが、10分も歩くと林道に合流した。そこからは林道を歩いて行く。その林道も少し歩くだけで登山口標識が現れて、登山道を歩けることになった。その登山道を少し登ると尾根上に出た。杉山から続く尾根で、後は尾根を真っ直ぐ北へと歩いて行くだけだった。自然林の美しい尾根で、小さなアップダウンがあった。新緑の美しさを楽しみながら歩いて行く。その尾根も以前と比べて小さな変化があり、やはりアセビが確実に増えていた。左手から千町小屋コースが合流すると、山頂は目前だった。そこは以前と変わらず小ぢんまりとした範囲で開けており、陽射しをいっぱい受けて明るかった。期待通りに視界は澄んでおり、氷ノ山がくっきりと眺められた。他にも大甲山から瀞川山までの展望が楽しめたが、それ以外の方向は自然林が育っており、以前より見える範囲は減っているようだった。それでも爽やかな空気の中で心行くまで笠杉山の山頂を楽しんだ。その笠杉山の山頂に立っている間に西から薄雲が広がってきて、白っぽい空に変わってきた。その空を見て下山とする。下山は千町小屋コースを下った。前回の2011年1月の登山時と同じ下山コースだった。前回は雪の季節だったが、今回は緑の季節とあって、新鮮な気持ちで下れた。まずは林道に下り着くと、林道は横切るだけで沢コースに入った。沢コースは始めのうちは植林地を歩くため単調さがあったが、途中から周囲は雑木林に替わってきた。その雑木林は手入れがされているために樹間は空いており、優しげな佇まいを見せていた。まさに森林浴を楽しめる所だった。そこを含めて千町小屋周辺は遊歩道が巡っているので、木陰の散歩道として散策のためだけでも訪れる価値はありそうだった。山頂で過ごした時間を除くと1時間半ほどのミニハイキングだったが、ここに来て良かったとの思いを十分に持てて駐車地点に近づいた。
(2015/6記)(2020/7改訂)(2023/9写真改訂) |