TAJIHM の 兵庫の山めぐり <西播磨編 
 
大甲山    おおこうざん 1035.4m 宍粟市
 
1/2.5万地図 : 音水湖
 
【2019年3月】 No.5 2019-50(TAJI&HM)
 
    波賀町小野より  2019 / 3

 大甲山を2014年に登ったとき、山頂近くで見た齋木下山道が気になっていた。お滝さんルートとも書かれていた。どうやら東尾根を歩くコースのように思えた。2019年3月に4年半ぶりに大甲山を登ろうと考えたとき、往路こそ一般コースを登るものの、下山では齋木下山道を歩くことにした。
 向かったのは3月20日のこと。薄い青空だったが、まずは快晴と呼べる空だった。中村集落から林道を走って前地カンカケ林道に合流したとき、その合流点に「迎え行者」の祠が作られており、そこにも登山口があった。そのコースの名が「お滝さん登山口」となっているのを見て、先にそのコースで滝見物をすることにした。小さな沢に沿った小径に入ると、行者道の丁石を見た。その丁石は中村集落からの車道でも見ていたので、このコースでも行者山に向かえるようだった。登るうちに小さな滝に出会い、その先でもう一つ小さな滝を見た。二つ目の滝の方が立派で、こちらを小滝と呼んでいるように思われた。その先にもうっすらと小径があり、山腹を横切る形で大甲山コースの方に向かっていた。そのコースが行者道のようで、辿るとその細々とした小径にも丁石を見た。予想通り大甲山コースとなる作業道に合流して作業道歩きに移った。作業道はジグザグ道になっていたので、易しく登って行けた。展望も少しあって東山や一山が眺められた。作業道に入ってから20分で作業道は終点となり、その先に建っていたのは行者堂だった。その位置で三十丁になっていた。行者堂は2014年の前回登山では古びた祠だったが、3年前に新しく立て替えられており、堂々としたお堂になっていた。その建て替えられたときに周囲の樹林が伐られたようで、東から南、南西へと遮るものの無く、素晴らしい展望地に変わっていた。その行者堂は行者山の直下に建っており、行者堂の上はそそり立つ岩場だった。登山道はその岩場を巻く形で始まっていた。急斜面とあってロープが張られており、それに掴まって登った。周囲は自然林が広がっており、雰囲気は悪くなかった。尾根に出ると標識があり、北に向かえば大甲山で南はすぐ目の前が行者岩だった。行者岩のある所が行者山のピークで、前回はそこに立って好展望を楽しんだものだった。ところが岩の手前にロープが張られており立入禁止になっていた。聖地であることが理由だった。それを無視して入る気にはなれず、すぐに大甲山を目指した。始めは裸木の広がる自然林の中を歩いたが、尾根は緩やかなため散策気分で歩けた。そのうちに植林地を登るようになった。尾根の傾斜もきつくなってきた。ただ登山道はつづら道になっていたので、あえぐ感じにはならずに登って行けた。この植林地の登りは途中で雑木林になることもあったが、最後はまた植林地となってそこを抜け出した所が山頂だった。山頂は北こそ植林に閉ざされていたが、南に向かっては広く展望が開けていた。ただ山頂に着いて分かったことは、空がいつの間にか薄晴れに変わっていたことだった。そのため風景は白っぽくフラットな見え方になっていた。それでもうっすらと小豆島が見えていたので、視界は悪くなかった。陽射しが微かとあって、昼休憩は少し肌寒さを感じながらとなった。その休憩を25分ほどで切り上げて下山に移った。始めに荒尾山の方向へと歩くと、すぐに齋木下山道の標識が現れた。別名としてお滝さんルートと書かれていた。そこからは北斜面に入るのだが、北斜面には少し雪が残っていた。ただもう一週間もあれば消えてしまうのではと思える程度だった。その雪を踏んで北斜面を下った。始めは尾根筋がはっきりしなかったが、目印もあってそれを追うと東に向かうようになり、はっきり東尾根を辿るようになった。この東尾根は終始緩やかな上に木々は疎らとあってごく気楽な下りだった。樹林も自然林が主体とあって地表は落ち葉に覆われており、雰囲気も良かった。木々に囲まれての下りのため展望は木々の隙間から望める程度だったが、ときに木々の切れ目があって氷ノ山をはっきり見ることがあった。その東尾根をずっと辿れば前地カンカケ林道に合流するのだが、お滝さんルートとされていたので、途中でお滝さんの方向にコースは尾根から分かれると見ていた。そのつもりで歩いているとその通りで、871m地点を過ぎると右手の斜面に目印テープを見た。地図を見ると小さな尾根があり、尾根の先はお滝さん登山口に近かった。そこで南斜面に入ったところ、ロープが張られており、それに掴まって下った。そのうちに小さな尾根を辿るようになったが、急斜面は変わらずロープもずっと張られていた。どうもお滝さんコースとして無理やり作ったコースではと思えた。滑り易い所もあって、ロープに掴まりながらでも何度かバランスを崩した。ややこしいのは造林用の作業道がときおり現れることで、途中で目印を見なくなったと思うと、小さな沢に出てそこで小径は消えてしまった。いつしか目印は見なくなっていたので、どうもコースを外れてしまったようだった。それでも歩いてきた道を戻らず、登山口方向へと適当に下ることにした。始めは沢筋を歩いたが、歩き難くなってきたのでそばの植林地内に入って植林地を下った。そのまま下ると林道に下り着くはずと思って下って行くと、植林地を抜け出た所はお滝さん登山口の位置だった。ドンピシャの形で下りてきたことになった。
(2019/3記)
<登山日> 2019年3月20日 9:34お滝さん登山口スタート/9:53二つ目の滝/10:07大甲山コースに合流/10:28〜33行者堂/10:40行者岩/11:14〜39山頂/お滝さんルートを下る/12:19東尾根を離れる/13:10エンド。
(天気) 始めは快晴だったが、次第に薄雲が増えてきて、山頂に着いたときは薄晴れの空に変わっていた。山頂の気温は10℃。風は僅かだったが冷たかった。視界はまずまず良かった。
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中村集落を抜け
て林道に入ると
ゲートを抜ける
ことになった

前地カンカケ林道
に合流するとそこ
にも登山口があっ


この日はそこから
お滝さんに向かっ

登山口の名は「お滝さん登山口」だった 登山口に建っていたのは「迎え行者」の祠だった 登山コースに行者道の丁石を見た 十八丁だった
小さな沢に沿って登った 周囲はすっかり植林地だった 二十丁の標石の先に小さな滝を見た
その小さな滝まで歩いてきた その先でも滝を見た こちらが「お滝さん」と思えた お滝さんの近くに二十二丁がありそちらに小径を見た
小径に入ると「お滝さんコース」の標識を見た 植林地の斜面を西へとトラバースした トラバース道に行者道二十三丁の丁石を見る

(←)
大甲山コースが近
づいて南に展望が
現れた

 (→)
  足下に作業道を見
  る その作業道が
  大甲山コースだっ
  た
合流点の標識を見る 作業道歩きに移った 東に見えていたのは東山だった

作業道はジグザ
グ道になってお
り、易しく登っ
て行けた

作業道が少し荒れ
てきた
北東には一山が望めた 作業道の終点に着いた その先に行者堂を見た 行者堂は3年前に改築されたもので真新しさがあった

行者堂の周囲は皆
伐されており、行
者堂の前は素晴ら
しい展望地になっ
ていた
上の写真に写る暁晴山を少し大きく見る 行者堂の上は行者山直下の岩場だった 行者堂の中を覗いた
行者堂の位置が三十丁だった 行者堂のそばから大甲山登山道が始まっていた 登山道はやや急坂とあってロープが張られていた
登るうちに登山道の傾斜は更に増してきた 尾根が近づくと、傾斜は緩んできた 尾根に着くと、左手が行者岩だった
間近に行者岩が見えていたが、立入禁止になっていた すぐに山頂に向かった 前方に大甲山が見えていた 尾根は始めは緩やかで、自然林が広がっていた
植林の中を歩くようになった 尾根の傾斜が増してきたが、登山道はつづら折れにな
っており、無理なく登れた
山頂まで300mの標識を見る その辺りは自然林に
なっていた

山頂が間近にな
った 周囲はま
た植林地だった

大甲山の山頂に着
いた 以前と変わ
らず展望の広がる
山頂だった

(←)
山頂を別の角度か
ら眺めた

 (→)
  山頂では三等三角
  点(点名・斉木)
  を見た

山頂では昼食をと
ると共に南に向か
って開けている展
望を楽しんだ

(←)
上の写真に写る
水剣山を大きく
見る

 (→)
  瀬戸に島が二つ
  見えたが小豆島
  の稜線と思えた
下山は齋木下山道を歩くことにした 荒尾山の方向に
歩き出すとすぐに標識が現れた
北斜面へと入ることになったが、北斜面側は少し雪が
残っていた
雪を踏んで北へと下ったが、道としてははっきりとし
ていなかった
木々の隙間から見えていたのは三室山だった すぐに雪は減ってきた 目印を追って下った はっきりと東尾根を歩くようになった

自然林の尾根か
らの展望は悪か
ったが、氷ノ山
がすっきりと望
めるときがあっ


氷ノ山はまだまだ
白い姿だった
北東には阿舎利やまと一山の並ぶ姿が望めた 下るほどに木々はばらけて尾根の雰囲気は良くなった 尾根の途中で一休みとした
三室山が比較的良く見えるときがあった 尾根に松の木が増えてきた 木々の切れ目から一山がはっきり見えるときがあった
同じく阿舎利山をはっきり見る 尾根にお滝ルートの標識を見た 前方を見ると、木々の隙間から皆木集落が望めた
871m地点の先で南斜面に入った 南尾根を下って行くが、けっこう急傾斜だった 途中から植林地に入った
途中でコースを示す標識を見る 順調に登山コースを歩いていると思っていたのだが 沢そばに出てきて、道は消えてしまった
途中でコースを外したと思われた 仕方なく沢筋を下
ったが歩き難かった
途中で植林地に入ると、登山口を目指して適当に下っ
ドンピシャの形でお滝さん登山口に戻ってきた