後山の全姿を眺めるのに適した場所としてベルピール自然公園が挙げられるが、2016年7月最初の土曜日に、その目的でベルピール自然公園を訪れた。この日は後山に向かっており、後山キャンプ場からのコースを考えていた。そこで国道429号線を走って志引峠を越えたのだが、そのとき先に後山の姿を見ようと思い立って、ベルピール自然公園を訪れたものである。広い駐車場に着くと、期待通りに後山から駒の尾山までの尾根が間近に眺められることになったが、その上空は黒い雲が広がっていた。それに比べて背後の日名倉山の上空は青空だった。こうなると急に日名倉山を登りたくなった。ただベルピール自然公園からだと山頂までの標高差は200mでしかないので、これはあまりにも簡単なハイキングだった。それでも登りたい気持ちは変わらず、早速実行とした。そのベルピール自然公園はと言えば、好天にも関わらず、他に一台の車も見なかった。まずはリュバンベールの鐘がある鐘楼へと石段を登った。鐘楼の横はレンガ敷きの広場になっており、塑像が三点置かれていた。その広場の一角から木段で日名倉山コースが始まっていた。山頂まで僅か1kmだった。その散策と呼べそうなハイキングの様子は下の写真帳をご覧いただきたい。登山道は緩やかな易しい道で、30分で山頂到着となったが、その道中はイワヒメワラビが群落を作っていた。タケニグサも多く見たので、この日名倉山も鹿の食害によって植生が変わってしまったようだった。山頂もしかり。山頂のクマザサはすっかり消えて、こちらはススキが繁茂していた。この山頂には新たにベンチが設けられており、そこに腰掛けて昼休憩とした。涼しい風が渡っており、快さを感じながらの休憩だった。その頃には日名倉山の上空にも雲が増えていた。後山はと見ると、そちらは相変わらず雲が多いものの、一部で陽射しを受けていた。その姿を見て予定通りに後山を登ってもよかったかと思ったが、後の祭りである。山頂で20分ほど過ごすと、往路を引き返した。下山も30分かからなかったので、やはりベルピール自然公園のコースは散策程度のハイキングと言えそうだった。
(2016/7記)(2019/2写真改訂) |