TAJIHM の 兵庫の山めぐり <南但馬 
 
須留ヶ峰    するがみね 1053.5m No.6
大杉山    おおすぎやま 1048m No.3
 
 
1/2.5万地図 : 大屋市場 養父市・朝来市
 
【2016年7月】 2016-68(TAJI)
 
    大屋町大屋市場より  2016 / 7

 須留ヶ峰の主な登山コースとして田淵コース、宮本コース、餅耕地コースの三つがあるが、宮本コースは冬季に歩いたため変則なルートを歩いてしまい、まだコース通りに歩いたことは無かった。そこで宮本コースを正しく歩いてみたくなった。向かったのは2016年7月中旬のこと。まだ梅雨は明けていなかったが、この日の天気予報は晴れ後曇りで、雨の心配は無さそうだった。早く登山口に着こうと、大屋町へは冨土野峠を越えるルートでは無く、播但道を朝来ICまで走り、その先は八代坂トンネルを抜けてカカナベ峠越えで大屋町に入るルートを選んだ。峠道は細いながらも対向車は無く、スムーズに走れた。峠を越えて大屋町へと下り出すと、真新しい林道が左手より分岐した。須留ヶ峰林道とあり、まだ工事中のようで通行禁止になっていた。それを横目に今少し下ると、登山口の標識が現れた。そこが宮本登山口だった。数台分の駐車スペースを見たので、そこに駐車とした。壊れかけた小橋を渡ってコースに入ると、大きな案内図が立っていた。それを眺めたもののあまり参考にはならなかった。すぐに斜面を登ると、作業道に合流した。その作業道は南へと沢沿いに続いており、緩やかな道だった。もう廃道となっており、路上は雑草が茂っていた。右手の沢では砂防ダムをときおり見かけた。雑草をヒザで押し退けながら歩くのだが、前夜に雨があったのかけっこう濡れていた。そのためズボンの裾はすぐに濡れてしまった。雑草の多くはイワヒメワラビで、段々と茂り方が半端でなくなってきた。それをかき分けるようにして進むため、歩度は上がらなかった。更にやっかいなのは鋭いトゲを付けたジャケツイバラが混じり出して、それを切りながら進むことになったので、更に歩度は落ちてきた。近くで建設中の林道を走るダンプの音が聞こえたので、沢を離れて林道に上がろうかと思ったが、沢沿いを歩ける所まで歩くことにした。廃道は土砂崩れで埋まっていたり、崩壊によって消えている所も現れる始末で、全く悪路と言ってよさそうだった。沢には点々と砂防ダムが作られていたが、沢の先が急斜面になり出した所でも現れて、そこより廃道は右手の斜面に移った。その頃には単なる山道になっていた。廃道は沢から離れるようになり、一部で崩壊している所が現れた。そこは斜面を適当に登って廃道の続きに出た。廃道歩きを続けていると、標識が現れた。そこには須留ヶ峰まで3.5kmと書かれていたので、まだまだ歩かなければならないようだった。山の斜面を横切る形で南へと向かって行くと、真新しい林道に合流した。工事中の須留ヶ峰林道だった。そこまで歩き初めてから一時間半が経っていた。ずいぶん歩度は遅かったようである。その須留ヶ峰林道が廃道を寸断しており、廃道の続きが見えなかった。そこで林道を歩いて宮本コースの続きに向かうことにした。須留ヶ峰林道は立派な舗装林道で、北に向かっての展望が良く、端正な姿の御祓山が眺められた。林道を歩いているとコンクリート舗装された作業道が左手に分かれたが、それを気にせず直進してしまった。その作業道が実は宮本コースの続きだった。やがて林道は未舗装路となり、その先は工事中だった。そこまで来るとコースを離れてしまっていることに気付いた。先ほど見た左手から分かれた作業道が気になったが、左手の急斜面を登って尾根の方向に向かうことにした。始めは小さな沢に沿って歩き、そして急斜面に取り付いた。登り易そうな所を選びながら登るも、けっこうな急斜面とあって木に掴まりながら登ることになった。何とか宮本コースとなる廃道に着いたときは、林道を離れてから20分ほどが経っていた。もう後は廃道を終点まで歩くだけだった。廃道は尾根に対してつづら道になっていたので、緩やかに登ることになった。これで楽に登れるかと思っていると、廃道だけに雑草や灌木に覆われた所があって、やはり楽には歩けなかった。小石も煩わしかった。それも登るほどに減ってきた。その廃道は大杉山の北尾根に付いているのだが、地図では尾根の途中に三角点記号が付いていた。そこに立ち寄ろうと注意しながら歩くと、ごく小さなピークが右手に現れた。そこで廃道を離れて尾根筋を登ると、小さなピークに四等三角点(点名・倉谷)を見た。その三角点から廃道に戻ると、程なく廃道は終点となった。その位置で大杉山まで500m、須留ヶ峰まで1.5kmだった。その先は目の前の尾根を適当に登ることになった。漸く登山らしくなったが、そこまでで十分に足を使っていたため、一歩一歩が重かった。それでも特に急斜面でもなかったので、ゆっくりとながら休まず登った。大杉山に着いたのは廃道の終点から34分、歩き始めてからなら3時間20分が経っていた。やはり悪路にかなりの時間を使ったようだった。大杉山の山頂はなだらかになっており、展望もあって休むには良い所だった。東の方向はまずまず遠くまで見えていたが、北の空はガスがかかっているようで、氷ノ山はガスに隠されていた。それでも妙見山は姿を見せており、それを眺めながら昼休憩とした。まだ須留ヶ峰まで1kmあったが、昼を済ませると予定通り須留ヶ峰に向かった。この尾根はいつ来ても感じの良い尾根で、山上のプロムナードと言った雰囲気でだった。但し以前に比べると、イワヒメワラビなど鹿の嫌う植物が増えていた。緩やかな下りの後に緩やかに登り返して1020mピークに着くと、その先も緩やかな下りと上りがあり、大杉山を離れてから30分ほどで須留ヶ峰に到着となった。前回もアセビが増えたことに驚かされたが、そのアセビは更に増えたようで、展望はほとんど無くなっていた。但し大杉山と同様に休むには良い所で、落ち着いた雰囲気があった。それにしても夏の須留ヶ峰を登る人は少ないようで、ここまで誰に会うこともなく須留ヶ峰も静かな山頂だった。暫時の休憩を済ませると大杉山へと引き返した。その間に北のガス雲が広がっていたようで、大杉山に戻ってみると、北の風景はガスに閉ざされていた。いずれこちらにも広がってきそうに見えたので、すぐに下山に移った。下山は往路を引き返す。この下山では標高860m地点から始まった廃道をずっと歩いたのだが、最後はコンクリート舗装となって真新しい林道に合流した。やはり往路でこれではと思った作業道が宮本コースだったようである。後は谷筋の廃道には下りずに新しい林道をずっと歩いた。舗装林道とあって歩き易かったが、陽射しを受けることになった。それでも林道からは展望があり、御祓山を眺めながら歩けることになった。その林道を最後まで歩くと沢筋から離れて駐車地点からは遠くなってしまうので、途中で林道を離れて登山口に近づける尾根に入った。ヤブ尾根ではなかったので気楽に下って行けた。それでも最後は急斜面を下ることになり、慎重さを要した。尾根なりに下って下り着いた所は、登山口にごく近い作業道だった。もう駐車地点は目の前だった。この日の登山を終えて思ったことは、次に宮本コースを登るのなら沢の廃道は歩かず、新しい林道を車で進んで尾根の作業道が始まる位置から登山開始するのが良さそうだった。そこからなら大杉山まで1時間少々で登れそうなので、須留ヶ峰登山としては最短コースになりそうだった。
(2016/7記)(2020/4改訂)(2023/7写真改訂)
<登山日> 2016年7月18日 8:56宮本コース登山口スタート/10:25林道に出る/10:33林道を離れる/10:55作業道に出る/11:36点名・倉谷/11:41作業道終点/12:15〜34大杉山/13:01〜16須留ヶ峰/13:43大杉山/14:01作業道終点/14:43林道に出る/15:13林道を離れる/15:37登山口エンド。
(天気) 雲が多いものの空の3割ほどは青空だった。青空の色は薄かった。樹林帯の気温は24℃、大杉山も24℃だったが、その後に雲が増えてきたこともあり、須留ヶ峰では22℃まで下がっていた。風は弱く吹いており、涼しさがあった。視界はうっすらとしていた。
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宮本コースは壊
れかけた小橋を
渡ることから始
まった

雑草の中に案内
図が立っていた

案内図を見るも
参考程度のもの
だった 
細々とした小径を伝うと斜面を登るようになった すぐに作業道に合流した
作業道は廃道になっており、いきなり草藪になった 道はヤブだったが、沢は渓谷美を見せていた 廃道が少し歩き易くなったと思ったが
すぐに廃道はまた草藪となった 沢に堰堤を見る 草の露によりズボンはすっかり濡れてしまった 沢に導水管が並んでいるのを見た
イワヒメワラビの群落をかき分けて進んだ 標識が現れた 左斜面で林道工事が進められていた 災害により土砂の積もっている所があった
前方に尾根が見えるも、はるか先だった 鋭いトゲのあるジャケツイバラが増えてきた 廃道を歩くと言うよりも単に沢沿いを歩く感じになった
ミツマタの群落に出会った もう草藪は消えていた 道がはっきりしなくなったため、この堰堤の前で右手の斜面に取り付いた 少し登ると廃道に出会って、再び廃道を歩いて行くことになったが
すぐに崩壊箇所が現れた そこで右手の斜面を登ることにした 再び廃道に出会うと、今度は無理なく歩けた
陽射しが現れると、緑が美しかった 標識が現れると、須留ヶ峰までまだ3.5kmあった 前方に林道が見えてきた

林道は現在工事中
の須留ヶ峰林道だ
った 廃道の続き
が分からなかった
ので、林道を少し
歩くことにした
 

林道からは御祓山
が姿良く眺められ


舗装部分が終わっ
て未舗装となった

林道を歩き過ぎた
ようだったので、
林道を離れて適当
に南の斜面を登っ
て廃道の続きを目
指した
始めに小さな沢を歩いた 尾根の方向を目指して急斜面を登った 期待通り廃道に出会って、廃道歩きを再開した
廃道だけにアセビが茂って道を塞ぐ所が現れた 背後を振り返ると御祓山が望まれた 小石が少し煩わしかったが、易く歩けるようになった
周囲の緑を楽しみながら歩いた 標高800mを過ぎたとき、そばの尾根に取り付いた ごく小さなピークに出ることになった
小ピークに着いて四等三角点(点名・倉谷)を見た 廃道に下りて、廃道歩きを続ける 廃道の終点に着いた 須留ヶ峰まで1.5kmだった
目の前の尾根を登って行く 尾根の先が大杉山だった 緩やかな尾根で、無理なく登って行けた ブナの木を見かけるようになった
大杉山の山頂が目前になった 大杉山の山頂に着いた 展望もあり休むには良い所だった
山頂に立つ標識を見る 山頂から東の方向を眺めた うっすらとした視界ながらまずまず遠くまで見えていた

右上の写真に写る
建屋山を大きく見


上の写真に写る粟
鹿山を大きく見る
南の方向を見る 左の写真に写る笠杉山と千町ヶ峰を大きく見る

北の空はうっすら
としており、氷ノ
山はガス雲に隠さ
れていた

氷ノ山の手前の和
田山は姿を見せて
いた

妙見山を大きく見

明延川沿いの風景を見る 苔地に生えていたのはテングダケの仲間だった ナツツバキがよく咲いていた
大杉山の山頂もアセビをよく見た 山頂から少し西の位置で杉の大木を見た 須留ヶ峰を目指して山稜歩きを開始する
尾根は緩やかで、山上のプロムナードだった アセビの茂るそばを通った 中間ピークの1020mピークへと緩やかに登る
1020mピークを通過する 優しい尾根が続いた 右手前方に須留ヶ峰の山頂を見る
イワヒメワラビが茂る中を登ることがあった オオホウライタケを見た 須留ヶ峰の山頂へと緩やかに登る

(←)
山頂が目前になっ


 (→)
  9年ぶりの山頂は
  以前と変わらず、
  落ち着きの感じら
  れる山頂だった

(←)
山頂の二等三角点
(点名・須留ヶ峰)
を見る

 (→)
  頂のアセビは一段
  増えたようだった
山頂の展望は悪く、無理なく見えたのは大杉山ぐらいだった 苔地に生えていたのはタマゴダケだった 須留ヶ峰では15分ほどの休憩をしたのみで、大杉山に引き返した
また易しい尾根歩きだった 前方に大杉山を見る 左手に見えたのは和田山だった
ブナの根が地表を這っていた 足下にヤマジノホトトギスを見る プロムナードの雰囲気を味わいながら戻った
大杉山に戻ってきた 上空はすっかり曇り空だった 北はガス雲が広がっており、展望は消えていた すぐに下山に移った 往路を引き返す
ブナ林を抜けて行く 廃道の終点位置まで下りてきた 廃道をずっと辿って林道の位置まで歩くことにした
下るうちに廃道は次第に荒れてきたものの、無事に林道に合流出来るものと思っていたところ 林道が近くなったとき、大きく崩壊している所が現れた 慎重に渡ったが滑落の危険があった 崩壊箇所の先には林道が見えていた

廃道(作業道)は
林道が間近になる
と、コンクリート
舗装となった

林道に下り着いて
作業道との合流部
を見る

林道が開通すれば
ここまで車を進め
るのが良さそうだ
った
林道をずっと歩いて登山口に戻ることにした 林道の途中に現れた建物は、林道工事の事務所だった 林道からは御祓山がよく眺められた
林道が沢筋から離れ出したので、林道をはなれることにした 北西に向かえる尾根に入った 尾根の先は登山口に近い位置だった ヤブ尾根では無かったので、無理なく下って行けた
麓が近づいて急斜面となった 作業道に下り着いた 登山口はごく近くだった 登山口に戻ってきた