TAJIHM の 兵庫の山めぐり <南但馬 
 
須留ヶ峰    するがみね 1053.5m No.7
大杉山    おおすぎやま 1048m No.4
 
 
1/2.5万地図 : 大屋市場 養父市・朝来市
 
【2023年6月】 2023-110(TAJI&HM)
 
    大屋町大屋市場より  2023 / 6

 2016年に須留ヶ峰の宮本コースを登ったときは、始めに歩く沢沿いコースが悪路になっており、けっこう時間がかかってしまった。そのとき須留ヶ峰林道が作られており。宮本コースを横切る辺りまでは完成していた。それを見て次に須留ヶ峰を登るときは須留ヶ峰林道を使おうと考えた。ところがいつになっても須留ヶ峰林道が開通したとの声は聞かなかった。林道入口もずっと通行禁止の標識が付いたままだった。業を煮やしと言うか、通行禁止とはなっているが、登山口までなら舗装されており問題なく車が走れることは分かっていたので、登山口近くまで車で行くことにした。それは2023年6月の第三土曜日、五月晴れの日だった。大屋町宮本より県道279号線に入った。県道と言うよりも林道と言った方が相応しい道だった。その細い道で須留ヶ峰林道の起点となるカカナベ峠に着いたのは10時だった。通行止めの標識は相変わらずあったが、簡単に動かせる車止めが置かれているだけだったので、その車止めを除けて須留ヶ峰林道に入った。須留ヶ峰林道は7年前の登山時の下山コースとして歩いており、ずっと舗装路で続くことは分かっていたのだが、その舗装面に何カ所かでもう穴が開いていた。そのため速度を落として走行した。そして林道に入ってから3km近く走って登山口に着いた。林道入口から歩こうと思えば歩ける距離だった。その登山口周辺には駐車可能な場所が無かったので、少し林道を戻って小さな堰堤のそばにあった空き地に駐車とした。登山口までおおよそ300mほど離れた位置だった。登山口まで林道を歩くと、コンクリート舗装された登山道に入った。舗装部分は僅かで、その先は荒れた山道だった。当初は作業道として作られており地図では実線で描かれている道だが、もう作業道の面影は無かった。その山道を後は登って行くだけだったが、すぐに崩壊地が現れた。その崩壊カ所は前回の下山時も通っていたが、修復はされていなかった。そのため今回もけっこう肝を冷やしながら急斜面の崩壊地を横切ったが、どう見ても迂回するのが正しい選択と思えた。その先も崩壊地こそ無かったが、石が多くありアセビなどの灌木も茂って、易しく歩けるとはいかなかった。そのうちにスムーズに歩けるようになって後は楽かと思っていると、またヤブっぽくなったりとチグハグさがあった。その登山道は前回にも歩いているのだが、道なりに歩いているとコースを外してしまった。地図に描かれていない直進コースがあり、その易しく歩ける直進コースを進んでしまったためだった。見慣れない石垣が現れたことで不審に思い、現在地をGPSで確認して道誤りに気付いた。正しいコースに戻るも歩き難さは相変わらずだった。その実線の道を終点まで歩いた。終点に着く頃にはけっこう歩き易くなっていた。終点位置で標高は860mだったので、大杉山山頂との標高差はまだ200m近く残っていた。終点位置からは尾根歩きに移ったが、けっこう急勾配の尾根で、木に掴まりながら登ることもあった。その急坂が一度緩んだのは標高900m辺りで、既に12時を回っていた。そこで適当な場所を見つけて昼休憩とした。20分ほどの休憩を終えると、尾根歩きを再開した。周囲は自然林となっており、ブナ林も現れて雰囲気は悪くなかった。その尾根の先が大杉山だった。山頂が目前になると行く手にアセビが茂り出したのでそこを無理やり突き進んだが、後で考えれば簡単に迂回出来たようだった。アセビ帯を抜けてようようの思いで大杉山の山頂に立った。山頂は適度に開けており、展望もあっていかにも山頂に立てたことを喜べそうな雰囲気があった。まずは一息入れると、暫時展望を楽しんだ。北に氷ノ山を、東は粟鹿山で南は千町ヶ峰の姿を見た。また山頂にはエゴノキの花が咲いており、それが目線の高さで眺められたのが珍しかった。既に12時半を回っていたが、予定通り須留ヶ峰を目指して稜線歩きを開始した。以前と変わらずプロムナードと呼べそうな優しさのある道で、その風情を楽しみながら歩いた。展望もときおり現れて、尾根からも氷ノ山が眺められた。また所々でサワフタギの白い花を見た。中間ピークとなる1020mピークを越して、須留ヶ峰まで30分だった。その須留ヶ峰の山頂は以前と比べると北側の木が伐られていたが、展望が現れるほどには伐られていなかった。ただ山頂は適度な木陰があり、その木陰で小休止とした。涼しさを暫し楽しむと大杉山へと引き返した。大杉山に戻って来ると、再び展望を楽しんだ後、下山に移った。下山は正確に宮本コースを辿るのみ。その下山で気になったのはコースに目印テープが全く無いことだった。登るときは気にならなかったが、尾根筋のはっきりしない所もあったので、GPSを頼りに慎重に下って無事作業道終点に戻ってきた。後はひたすら作業道を歩くのみだったが、下山では標高843地点にある三角点に立ち寄ることにした。その四等三角点(点名・倉谷)は尾根筋に置かれており、作業道からは少し離れた位置だったため、やはりGPSを頼って見つけることになった。作業道歩きの最後は再び崩壊地を通ることになるのだが、下山でも迂回せず強行突破とした。何とか渡ったものの。往路のとき以上に危うさを感じた。登山口に戻ってくると安堵の思いで須留ヶ峰林道を駐車地点へと戻って行った。
 この日の往路は道誤りや途中の昼休憩もあって登山口から2時間かかって大杉山に着いたが、下山は三角点に立ち寄りはしたがそれでも1時間14分だったので、この林道登山口からのコースが一番早く須留ヶ峰に立てそうだった。それを考えると須留ヶ峰林道は未完成部分があって通行禁止にはなっているものの登山口までは出来ているので、カカナベ峠の林道入口は通行禁止と素っ気なくするのではなく、登山口までは通行可の標識は欲しいものだと思った。
(2023/7記)
<登山日> 2023年6月17日 10:28駐車地点スタート/10:34林道登山口/11:50作業道終点/12:04〜22[900m]地点で昼休憩/12:34〜38大杉山/13:08〜31須留ヶ峰/14:01〜27大杉山/14:46作業道終点/14:55点名・倉谷/15:41林道登山口/15:47駐車地点エンド。
(天気) 快晴。山上の気温は22〜23℃。風はほとんど無し。木陰は涼しさがあった。視界はややうっすらしていた。
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カカナベ峠に向かっているとき宮本登山口の前を通ったが、登山口はすっかり草ヤブになっていた カカナベ峠に着くと、そこに標識を見た 宍粟市の方向が須留ヶ峰林道だった 須留ヶ峰林道の入口には車止めが置かれて車両通行禁止になっていた
通行禁止は行き止まりに対する注意と思え、車止めも容易に動かせたので、登山口へと車を進めた 林道の途中で展望が現れたとき、そこから見えていたのは御祓山だった 登山口辺りに駐車スペースは無かったため、少し戻って堰堤前の広いスペースに車を止めた
始めに林道を西へと歩いた 僅かな距離を歩いて林道登山口に着いた 登山道の舗装部分は入口辺りだけだった
登山道は廃道となった作業道だった 登山道の崩壊箇所が現れた 修復はされておらず慎重に斜面を横切ったが、迂回するのが正しいと思えた 廃道歩きを続ける 石ころが多く歩き易いとは言えなかった
周囲の自然林は美しかった 登山道は次第に歩き易くなってきた アセビが道の真ん中に生えていることもあった
ぐんと歩き易くなることがあった 自然林に包まれての登りだった 気が付くと、見覚えの無い道を歩いていた
すぐに引き返して分岐点に戻ってきた 正しい道はそこで大きく右に曲がっていた 多少歩き難い程度で進めた 相変わらず緑が美しかった 尾根筋を越して西斜面側から東斜面側に移った
四等三角点が近い位置を通る 三角点は下山時に訪れることにした 作業道の終点に着いた 「大杉山まで370m」の標識は読めなくなっていた 目の前の尾根に取り付いたが、目印は付いていなかった
やや急坂の上りが続く ときに木に掴まりながらだった 尾根が緩んだとき時計を見ると12時を回っていた 尾根の途中ながら昼休憩とした 昼休憩を終えて尾根歩きを再開した ブナも混じる美しい樹林帯だった
大杉山の山頂に近づく頃には緩やかな尾根歩きになっていた 山頂が間近になるとアセビ帯に突っ込んだが、迂回出来たようだった アセビ帯を抜けると山頂は目前だった
大杉山の山頂に着いた 適度に開けており、展望も楽しめる山頂だった 別の角度から山頂を眺めた
大杉山の山名標識を見る 頭上間近で咲いていたのはエゴノキの花だった 目線の高さで咲いているものもあった
この日の視界はまずまず良く、北の方向には氷ノ山も眺められた 氷ノ山の山頂に建つ避難小屋がちらりと見えていた

(←)
南には生野高原が
眺められた

 (→)
  左の写真に写る千
  町ヶ峰を大きく見
  る

東の方向も良く見
えていた
建屋山の背後の尾根を見る 立つ位置を変えると、三国岳の右手も望まれた
大杉山を離れて須留ヶ峰へと向かった 自然林に囲まれての尾根歩きだった プロムナードと呼びたくなる優しげな風景を見る
頭上を覆う青葉も美しかった 尾根の一部はアセビが茂っていた 季節がらサワフタギの花を良く見た
中間点辺りに展望地があり、そこからも氷ノ山が眺められた 左の写真の右手を見ると、御祓山まで眺められた
御祓山を大きく見る 1020mピークを越えて行く 緩やかに須留ヶ峰に近づいて行った
イワヒメワラビが茂る所を通った また尾根の雰囲気が良くなった 須留ヶ峰の山頂が目前になった
(←)
須留ヶ峰の山頂に
着いた 落ち着き
を感じる山頂だっ


 (→)
  二等三角点(点名
  ・須留ヶ峰)を見
  る
山頂のアセビは一段と茂ったようだった 一部で伐採されていたが、風景が広く現れるまでには伐られていなかった その伐られた所からちらりと建屋山の一部が見えていた
山頂の木陰で休憩とした 休憩を終えると大杉山へと引き返した 自然林の中を戻って行く
サワフタギの花を間近で眺めた プロムナードを歩く 大杉山が近づいて杉の大木を見た
大杉山に戻ってきた 再度展望を楽しむと、下山すべく北尾根に入った 自然林の中を下っているとき、ブナの木を見上げた
尾根筋がはっきりしている所は気楽に歩けたが 目印テープが無いため尾根筋のはっきりしていない所はGPSを見ながら慎重に下った 無事作業道の終点位置に下りてきた
作業道歩きに移った 四等三角点の位置が近づくと、作業道を離れて左手の斜面に取り付いた 尾根筋に出ると、あっさり四等三角点(点名・倉谷)を見た
作業道に戻ると、後は登山口まで作業道歩きだった 道の荒れることはあったが、下る方向はさほど気にならなかった 崩壊地の手前からは、足下に林道が眺められた
崩壊地を再度強行突破したが、改めて迂回すべきだったと思った 林道登山口に戻ってきた 駐車地点までは数分歩くだけだった