TAJIHM の 兵庫の山めぐり <西播磨編
 
一山    ひとつやま 1064.6m 宍粟市
 
1/2.5万地図 : 音水湖
 
【2011年11月】 No.5 2011-112(TAJI&HM)
 
    笠ヶ城山より  2011 / 11

 紅葉の山の探し方として確実なのは、一つの山に登ったときに、その山から眺めて色付きの良さそうな山に次ぎに向かうとする方法があるが、2011年の紅葉の季節は、まず11月3日の文化の日に笠ヶ城山を登ったのだが、10月に暖かい日が続いたためか、モミジ谷はほとんど紅葉していなかった。少し拍子抜けする思いで笠ヶ城山の山頂に立ったところ、そこから見えた一山がまずまずの色付きをしていた。そこで一山を登ってみようと思い付いたものである。
 向かったのは9日後の土曜日で、朝から快晴の空が広がっていた。紅葉見物には絶好の日と言えそうだった。一山に登るには幾つかコースがあるが、色付いていたのは南の斜面のため、国道429号線の高野峠から歩き始めるコースを選んだ。その高野峠に着くと、伐採作業のために何台もの車が止まっていたが、峠は広いため、車を止める場所には困らなかった。峠の地蔵さんに挨拶して登り始める。始めに植林地を登り出すが、すぐに伐採地が右手に広がった。その伐採地を囲むようにネットが尾根沿いに張られており、そのネット沿いを登って行く。すっかり展望が良くなっており、東の方向だけで無く、振り返ると東山がすっきりと眺められた。尾根の東側は伐採地だったが、西側が自然林になっており、紅葉はと見ると、もう半分ほどは散っているようで、残った紅葉もあまりきれいとは言えなかった。緑から黄色となっておらず、緑からいきなり茶色になっている木が多いようだった。10月に暖かい日が続いたことで、きれいな紅葉にはならなかったようである。それでも探せば色付きの良い木もちらほら見られた。ネットが尾根から離れて東に続き出すと、尾根歩きを続けるべくネットを離れた。また植林地を登るようになり、小さなピークに着いた。そこには四等三角点(点名・馬見塚)が置かれていた。その先で尾根の向きは北東方向となり、鞍部へと下った。その鞍部の辺りから周囲に自然林が広がり出した。ここも半分は落葉しており、また紅葉も茶枯れたような色が多く見られたが、ここはカエデの木が多いのか、けっこう赤い色が目に付いた。その赤も鮮やかさがあって、良い感じの紅葉だった。足下には落ち葉が積もっており、サクサクと音をたてながら紅葉の森を歩いた。その自然林の中で濃い緑を見せるのがアセビで、ここもクマザサに替わってアセビが増え出そうとしていた。クマザサがごく疎らになったことで、以前よりもずっと歩き易くなって気楽な感じで登って行く。自然林を抜けると、もう山頂は間近だった。その辺りは伐採の跡地で、今度はススキが広がっていた。それを横目に山頂に着く。空は快晴で、雲はほとんど無く、そして澄んだ視界が広がっている。まさに登山日和だったが、山頂は他に人はおらず、パートナーと二人で過ごすことになった。山頂は展望に関しては文句無く素晴らしい所なので、まずは展望を楽しんだ。この季節は色付いた自然林と、緑濃い人工林がはっきり区別出来るので、どこが紅葉の尾根かがよく分かった。特に紅葉が鮮やかに見えたのは三久安山で、山頂一帯が黄と赤に染まっていた対照的に阿舎利山はほとんど緑色だった。山頂では早めの昼食を済ませると、少しばかり昼寝も楽しんで、好天の一山を満喫した。この日は紅葉を楽しむのが目的なので、一時間ばかり山頂で過ごした後は、往路コースをすんなり引き返して、再び自然林の森を楽しんだ。一週間前は雨の赤谷山で紅葉を楽しんだのだが、澄んだ青空の下で見るカエデの鮮やかさはやはりきれいだった。自然林が終わって植林地へと入ったとき、振り返ると一山の上空は雲が広がろうとしていた。どうやら曇り空になるように見えたので、晴れているうちに紅葉を楽しめたようだった。紅葉を愛でるだけが目的なら寺社の森の方が手入れが良いだけに洗練された紅葉を楽しめるが、こうして山の空気をいっぱい吸いながら自然林の不揃いな紅葉を味わう方がずっと楽しいと思いながら、登山口へと下りて行った。
(2011/12記)(2021/7改訂)
<登山日> 2011年11月12日 9:30高野峠スタート/9:52点名・馬見塚/10:44〜11:38山頂/12:25点名・馬見塚/12:40エンド。
(天気) 快晴。澄んだ青空に雲が僅かに浮かんでいた。気温は登り始めたときは木陰で14℃ほどだったが、山頂手前の木陰では17℃ほどに上がっていた。山頂は風がほとんど無く、陽射しの下では20℃ほどあり、十分な暖かさだった。視界は良く澄んでいた。昼が近づいて、少し雲が増えてくる。下山を終えると、北の空は雲が広がっていた。
<< Photo Album 2011/11/12 >>
高野峠の一山登山口を見る 最初に植林地の中を登る 伐採地が東側に広がり出した

 伐採地だけに展望
 は良かった

   振り返って少し遅
   れるパートナーを
   見る

 西側は自然林だっ
 た 鮮やかな紅葉
 は少なかったが、
 色鮮やかなカエデ
 を見た

   振り返ると東山が
   現れていた
伐採地を離れて、尾根を辿って行く 標識がときおり現れた 895mピークに着く 周囲は樹林が囲んでいる
その中央に四等三角点(点名・馬見塚)を見る 三角点の周囲で、ちらほらクリタケを見た 緩やかな尾根を北東に歩いて行く

 前方に一山が現れ
 た 山肌は紅葉し
 ていた

   この日は澄んだ青空
   だった
鞍部へと下って行くと、自然林が広がり出した 落葉が進んでおり、足下は落ち葉が積もっていた 鮮やかな紅葉は少なく、茶枯れた色が多かった

 一山へと緩やか
 な斜面を登って
 行く

   ここにきて漸く
   紅葉ハイキング
   の雰囲気となっ
   た
見頃のカエデはやはりきれいだった 黄色いカエデも見かけた 逆光に紅葉が繊細な美しさを見せていた
落ち葉に木の影が映る アセビが茂り出している所を見る ササはささやかに見るだけだった
登るほどに落葉の済んだ木が増えてきた 樹林帯を抜けると、ススキの原が現れた 山頂へと切り開きの道を登る

 一山の山頂に着く
 陽射しが暖かかっ
 た

  山頂の三等三角点
  (点名・水谷)を
  見る
    
山頂に立って西から北、北東へと広がる山並みを見る 良く澄んだ視界だった
植松山の方向を大きく見る 後山を大きく見る 三室山を大きく見る
東山の方向を大きく見る 赤谷山を大きく見る 氷ノ山を大きく見る
三久安山の山頂を大きく見る 藤無山を大きく見る 紅葉の山肌を見る
北東から南東にかけてを眺める
須留ヶ峰の左手に御祓山を見る 笠杉山を大きく見る
山頂の東側ではススキが穂を光らせていた 山頂の西に広がる笹の風景を見る パートナーが切り株に座って風景を眺めている
下山は高野峠へと、登ってきた道を引き返す 紅葉の森に入ると、地表が落ち葉で赤くなっている所を見た 頭上を見上げると、カエデの葉が今にも枝を離
れようとしていた
また紅葉の森を楽しんだ 澄んだ空にカエデの紅葉が映える 僅かに残る紅葉を見る
きれいな紅葉を見る度に足を止めた 明るい陽射しの中で落ち葉を踏む 優しげな風景だった
一枚だけ残る黄葉の葉を見る 森を逍遙する気分で戻って行った 一山を振り返ると、雲が広がろうとしていた
紅葉の森が終わって植林地に入る 伐採地まで戻ってくると東の空も雲が多かった 登山口に戻ると午後の光が地蔵さんに当たっていた