5年ぶりの一山は高野峠から周回で歩くことにした。地図を見ると高野峠より国道429号線を500mほど戻った位置から、一山の方向に作業道が分かれていた。その作業道を終点まで歩いて山頂に立とうと考えた。帰路は高野峠コースを下れば、ほぼ周回で歩けることになりそうだった。
向かったのは2016年9月の第二土曜日のこと。雲が空の半分ほどを占めていたが澄んだ青空が広がっており、いかにも秋空と言った感じの空だった。朝をゆっくりしたため、国道429号線を走って高野峠に着いたときは11時になっていた。峠のそばには広い駐車スペースがあり、そこに駐車とした。高野峠は旧一宮町と旧波賀町の境界に位置しているが、旧波賀町側へと国道429号線を歩いた。緩い下り坂を歩いて行くと、地図通りに右手に未舗装の作業道が分かれた。その作業道を終点まで歩いて行くことにした。作業道は道幅こそたっぷりあったが、補修されないままになっているようで、抉れている所もあって四駆車でないと通行は無理なようだった。登るうちに作業道から更に別の作業道が何度か分岐したが、一山山頂に近づく道を歩いた。もうそろそろ作業道の終点ではと思える所まで来ても。まだ作業道は続いていた。どうやら地図に描かれているよりも延伸しているようだった。次第に周囲は伐採地の風景となってきた。それにつれて背後に風景が広がってきて、黒尾山から三室山までが一望出来るようになった。作業道は車一台分の道幅となってもまだまだ続き、漸く終点となったのは、標高にして900mの辺りで、もう山頂は近いと言えた。その先に小径は無く、適当に右手の斜面を登って行くことにした。一帯は自然林となり、下生えは少ないとあって易しい登りだった。北東方向へと登っていたのだが、作業道の終点から数分も歩くと高野峠コースに合流した。後は登山道を辿って山頂を目指した。自然林に囲まれての登りだったが、長くも歩かず樹林を抜け出した。そこはもう山頂の一角で、ススキの広がる風景となった。そのススキの中の小径を辿ると、程なく山頂到着となった。誰もいない山頂に着くと、そこは三角点を中心に開けていたが、周囲は南の方向を除いてススキの原になっていた。そのススキはちょうど見頃で、陽射しを受けて穂が光っていた。そのススキのために展望は少し妨げられているものの、まだまだ十分に展望を楽しめた。西に三室山、北に氷ノ山、そして東は千町ヶ峰と。展望を楽しんだ後は昼食タイムとした。まだ麓は夏の暑さが残っていたが、山上は秋の空気感だった。空気はからっとしており、風は爽やかそのものだった。昼食後は昼寝をしたりしていたので、結局山頂では一時間ばかり過ごすことになった。その間、新たに現れるハイカーはいなかった。下山は高野峠コースをずっと歩いて高野峠に戻ることにした。自然林の中を下って行くが、途中コースの分かり難い所があって少し東寄りに逸れることがあったが、作業道に出会うと標識があり、後ははっきりとした登山道になった。また標識も的確に見るようになった。高野峠までの中間に939mピークがあるが、コースはピークとは少し離れた位置に付いていたため、コースを離れて939mピークに寄り道した。少しヤブっぽい尾根を辿ってピークに立つと、少し展望があって東山が望めた。コースに戻ると、その後は忠実に登山道を歩いた。三角点ピーク(点名・馬見塚)を過ぎると下る一方となり、途中からは植林地のネットに沿って下った。そこは展望もあって、東山方向を見ながら下った。植林地を過ぎると国道429号線は近くなり、旧町境の登山口に戻ってきた。予定通り一山を高野峠から周回で歩いたが、作業道歩きは少々味気なかったので、高野峠から登るのなら、単純にピストン登山をするのが良いのではと思った。
(2016/9記)(2020/4改訂) |