兵庫の千メートル峰で一番易しく登れるのは暁晴山のホテルリラクシアからのコースではと思える。標高差は150mでしかなく、しかも山頂直前まで舗装路が通じているので、むしろ登山対象として登る山では無いとも言えそうだった。その一番易しいコースを登ろうと向かったのは2021年11月の勤労感謝の日だった。目的は単に骨折した足のリハビリ登山としてで、足に優しいコースとして選んだ次第だった。リラクシアの広い駐車場に着いたのは10時40分のこと。暁晴山では2017年12月にスキー場が出来ており、リラクシアの前がリフトの出発地点だった。そのリフトがシーズンが目前とあって運転開始の準備が行われていた。そろりそろりと動くリフトを横目に舗装路歩きを開始した。標高差150mに対して山頂までの距離は2.2kmあるので、ずっと緩やかな道だった。山頂まで車道は続いているものの途中にゲートがあり、そこからは一般車は進入出来なくなっていた。ずっと緩やかな道とあって休まず歩いた。ただ両ストックを使ってゆっくりとしか歩けず、山頂まで52分かかることになった。播州南部こそこの日は晴れていたが、暁晴山は北部の天気に影響されるのか雲の広がる空だった。しかも寒気も流れてきており、山頂に着いたときは7℃だった気温が休むうちに4℃まで下がってきた。冷たい風もあってもう冬の寒さだった。展望も西の空は時雨れているのかガス雲が山並みを隠していた。北にはかろうじて氷ノ山が見えていた。それに反して南の方向は晴れており、瀬戸の海が光っていた。風の冷たさに体の芯から冷えてきたので、昼食を済ませると下山に移った。歩いて来た道を戻るのみ。緩やかな上り坂は足への負担は少なかったが、それが下り坂となって長々と続くと、治癒途上の足には辛いことで、コース途中からは足の痛みを我慢しながらとなった。それでも休まず歩くと、山頂から53分で駐車場に戻ってきた。往路とほぼ同じ時間だった。リハビリ登山にはもう少し距離の短い山が良さそうだった。
(2021/11記) |