TAJIHM の 兵庫の山めぐり <西播磨
 
長義山    なぎさん 1105.4m 宍粟市
西粟倉村(岡山県)
1/2.5万地図 : 西河内
 
【2009年3月】 No.3 2009-33(TAJI)
 
    峰越峠のそばの1050mピークより  2009 / 3

 2008年にこの長義山が宍粟50山に選ばれて、その読み方が「なぎさん」と知ったとき、多くの登山者が驚いたのではなかろうか。これまでは点の記にも書かれていた「ちょうぎやま」の読み方で信じて疑わなかったのだが、忽然と現れたこの読み方には今でも半信半疑である。但しもう公表されてしまったことで、「なぎさん」で定着するのであろう。この長義山も登山となればごく簡単で、車道の走る兵庫県側から登ると、15分ほどで山頂に立ててしまうのではと思える。これでは単独でこの山を目指してとは考え難く、登るとすると近くの山の登山のついでとして登るか、ここを起点の県境尾根歩きとして登るかのどちらかになるのではと思われる。この考えを応用する形で、雪の季節の長義山に登ったのは2009年の3月だった。この日は峰越峠から天児屋山を登ったのだが、雪の天児屋山はいたって楽で、特に疲れることも無く、13時には峰越峠に戻ってきてしまった。車は「ラドンの泉」に近い所に置いていた。そのまま雪の車道を歩けば20分とかからず戻り着くことになるので、何か時間がもったいなく思えた。そのとき思い付いたのが、そばに位置する長義山を登ることだった。ちょっと回り道して駐車地点に戻るだけと言ってよい。早速このアイデアを実行することにした。目の前の車道を横切ると、県境尾根を目指して山裾に取り付いた。雪は例年と比べて少なかったが、それでもササを隠すほどにはあり、適当に登って行けた。ほんの一登りと言った感じで尾根の上に出ると、そこからは先ほどまで登っていた天児屋山がすっきりと眺められた。尾根の雪は少なく木々は疎らだったが、間伐材が放置されており、それをまたいでとなるので意外と歩き難かった。峰越峠のそばの1050mピークを越すと、長義山の全姿が眺められた。鞍部への下りは南面を下るため、雪解けが進んでいた。そこで雪の消えている笹地を下って行くことにした。鞍部からの登り返しは北斜面となるため、そちらはすっかり雪に覆われていた。その雪が昼となって緩んでおり、一歩一歩が潜ることになった。そこでスノーシューを履いて登って行くことにした。その斜面はけっこう急角度になっており、距離は短いながらも踏ん張って登ることになった。ずっと大きな天児屋山ではほとんど足を使わなかったのに、この長義山の方が足には厳しいのではと思ってしまった。山頂に着くと、そこはすっかり植林に囲まれており、三角点は雪に埋もれて見えていなかった。すぐに引き返して植林の縁でひと休みとする。そこから車道までの広い範囲は総て伐採地になっており、雪面が広がっていた。おかげで好展望を楽しめた。天児屋山がすっかり全姿を見せており、その右には三室山、竹呂山、植松山と、千種町の千メートル峰が並んでいた。展望地から高峰群を眺めるのは気持ちの良いもので、これを見たさに登ってきたと言ってもよかった。その展望を楽しむと、眼下に見えている登山口へと一気に下って行った。雪山の急斜面は本当に速く下れるもので、ほんの7、8分で登山口に着いてしまった。何とも呆気ない思いだった。振り返ると長義山がお椀を伏せた姿で佇んでおり、それは山頂だけをぽんと置いた姿だった。おまけの長義山だったが、十分に展望を楽しめたことで、登って良かったの思いを持って駐車地点へと戻って行った。
(2009/3記)(2014/11改訂)(2020/12改訂2) 
<登山日> 2009年3月8日 13:03峰越峠スタート/13:12〜15小ピーク/13:30〜42山頂/13:50登山口/13:58駐車地点エンド。
(天気) 朝の曇り空が昼前には薄晴れまで良くなっていたが、午後はほぼ薄曇りから曇りに戻っていた。但し高曇りで視界はくっきりとしていた。気温は8℃ほどだったが、風は無くさほど寒さは感じず。雪は50センチまでだった。
<< Photo Album 2009/03/08 >>

 越峠のそばから
 南へと雪の斜面
 に取り付いた

   尾根の上に出て
   振り返ると、天
   児屋山が眺めら
   れた
天児屋山を大きく見る 尾根の木立は根明けが近かった 尾根から車道を見下ろす
最初のピークの1050mピークに着くと、長義山がすっきりと眺められた 長義山の左奥に見える駒ノ尾山を大きく見る
次の1050mピークに向かうとき、後ろを振
り返った
二つ目の1050mピークに着いた もう長義山は目前だった
山頂へと登り返していると、背後に展望が広がってきた 三室山も眺められるようになった 三室山は1199mピークの奥に山頂を覗かせていた
上の写真の竹呂山を大きく見る 上の写真の千町ヶ峰を大きく見る 植松山を大きく見る
山頂が近づいて植林地に入った 山頂に着いて山名標識を見た 下山は登ってきた道を途中まで引き返した
手前のピークとの鞍部で尾根を離れた 瞬く間に登山口に下り着いてしまった 雪に覆われた車道を歩いて駐車地点に向かった