段ヶ峰への最短コースは千町峠からのコースで、標高差は130mしかないとあって、低山を登るよりも楽な感じで登ることが出来るので、千メートル峰を味わうにはどうかと思えて敬遠していた。但し栃原からのコースの下山コースとしては歩いたことはあり、千町峠から長い林道歩きで戻ったものである。その千町峠コースを急な思い付きで登ったのは2017年6月の快晴の日だった。この日は別の山を登る予定で播但道に入ったのだが、澄んだ空を見て急に展望の良い山を登ってみたくなった。そして思い付いたのが段ヶ峰だった。段ヶ峰なら栃原からのコースが山の大きさを味わうのに最適なのだが、山頂展望だけで考えたとき、千町峠まで車を進めれば段ヶ峰と千町ヶ峰の両山を味わえると思えて、千町峠を目指すことにした。ただちょっと失敗だったのは千町峠へは長谷地区側からアプローチせず栃原側からアプローチしたことだった。林道は少し荒れている程度ではと思っていたのだが、広域基幹林道が出来たことで放置されてしまったのかすっかり悪路になっていた。部分的に舗装部分はあるものの、未舗装部は抉れた所もあって何度も車の底を擦ってしまった。それでも何とか千町峠に着くことが出来て一安心だった。峠には悠友山荘が建っており、そのそばが段ヶ峰の登山口だった。車は峠の近くにあった広い空き地に止めて、そこから歩き出した。特に急坂もなく散策のような感じで登ると、30分で山頂だった。この日の視界は澄んでおり、瀬戸の島まで見えていた。また空気感は最高で、快いばかりの風を受けながら展望を楽しんだ。ただ北の空は雲が広がっており、氷ノ山は雲に隠されていた。山頂に広がるササは鹿の食害が進んでいると思っていたのだが、そのようなことは無く青々としたササが広がって以前よりも美しいのではと思えた。新たにネットが張られており、その影響によるものかも知れなかった。空気感と素晴らしい展望を25分ばかり楽しむと、次の千町ヶ峰へと向かうべく、千町峠へと戻って行った。その下山時に氷ノ山の方向を望むと、雲は消えて氷ノ山が姿を現していた。
(2017/7記)(2018/11写真改訂) |