雪の季節の段ヶ峰は生野町側から達磨ヶ峰経由でのコースとなるので、雪の多いときはけっこうな時間がかかることになるが、千町峠には悠友山荘が建っているので、上千町集落から始まる千町林道が除雪されておれば、一気に易しい雪山となる。2021年1月は但馬の山はもちろん播州北部の高峰も雪山になっていた。その中で易しくスノーハイクを楽しめる山はないかと考えたとき、千町峠から段ヶ峰を登ることを思い付いた。そこで千町峠まで除雪されておればと淡い期待を持って出かけたのは、好天が約束された20日のことだった。但し北部は午前中は雲が多い天気予報だった。林道が除雪されていなければ別の山を登ろうと腹案を持って出かけた。
この日の播州南部の空は朝から快晴だった。国道29号線を北上し、一宮町に入って安積橋交差点で県道6号線に入った。道そばに雪を見ることはほとんど無いまま進んでいたところ、草木千町への坂道に入ったとき雪は一気に現れた。路面は除雪はされているもののスタッドレスタイヤでないと走れない状態になっていた。上千町集落に着くと、そこは雪国の世界だった。そして千町峠へと通じる千町林道はと見ると、真っ白ながらも期待通りに除雪されていた。勇躍林道へと入った。林道は除雪されていたものの、その上に新しい雪が積もっていた。進むうちに新雪は10センチ以上となってきたが、この日に走ったと思われる新しい轍があり、その轍を外さないようにして走った。上り坂が続くも新雪の上を走るとあって、滑るようなことはなく無事千町峠に到着した。そこに着いて分かったことは悠友山荘は無人であり。除雪は峠から南へと延びている支林道もされていたことで、轍はその支林道上に続いていた。どうやら除雪は山仕事の人のために行われていたようで、それに便乗して走って来られたのが事実のようだった。車は悠友山荘の前、林道上の通行の妨げにならない位置に止めた。林道上の積雪は15センチ程度だったが、そこにトレースは全く無かった。登るほどに雪が増えてくることを考慮して、始めからスノーシューを履いてスタートした。そこからのハイキングの様子は下の写真帳をご覧いただきたい。上空は雲は多いものの晴れとは言える空だった。登山道上にもトレースは全く無し。始めに植林地の急坂があり、その後は易しく登って行けた。登るほどに周囲の木々は霧氷風景になってきた。雲の多い空が幸いして霧氷は落ちずに残っているようだった。予想通り登るほどに雪は増えて、30センチ以上になってきた。始めに杉山が見えてきて、次に段ヶ峰が見えてきた。どちらの山頂もすっかり白かった。緩やかな尾根筋を登るため、きつい感じは全く無かった。段ヶ峰山頂に着いたときは、登山口から27分だったので、まさに兵庫の雪山の入門コースと言えそうだった。その山頂に着いて分かったことは、フトウガ峰があまり白くなっていないことだった。達磨ヶ峰も同様だった。宍粟市側に比べて朝来市側の雪は少なかったようだった。時間はたっぷりあったので、フトウガ峰まで歩くことにした。そちらもトレースは全く無かった。ただ歩いている途中で、うっすらワカンの跡を見たときが一度だけあった。新雪の量は増えてきて、スノーシューでも20センチ以上潜ることがあったが、尾根としては緩いのでスノーハイクを楽しむ気持ちで歩いた。途中は樹林帯を抜けて行くが、こちらの樹林帯の霧氷はうっすら付いている程度だった。次第に陽射しは減ってきて、上空の青空は僅かになっていた。緩やかに下って登り返していると、フトウガ峰が近づいたとき少し傾斜のきつい所が現れた。それでもフトウガ峰の西端に出ると、もうその先はごく緩やかな高原風景だった。フトウガ峰一帯の雪は少なく20センチほどだった。フトウガ峰の山頂に着いたのは、段ヶ峰を離れてから43分後で、そこは広く地表が現れていた。その頃にはほぼ曇り空に変わっていた。そのフトウガ峰で昼休憩とした。フトウガ峰で休んでいたのは20分ほどだったが、その間に急速に雲が減ってきた。段ヶ峰へと戻り始めたときは、南の空はもう快晴だった。自分が付けたトレースを辿るだけなので、すっかり気楽なスノーハイクだった。ただ晴れてくると霧氷はどんどん落ちてきた。段ヶ峰に戻ってきたときには、上空だけでなく北の空も快晴になっていた。新雪上のスノーハイクを楽しめただけでなく、快晴の天気となったことで、この日の段ヶ峰には十分な思いとなって千町峠へと戻って行った。その千町峠への尾根の木々は霧氷が多く付いていただけに快晴となってもまだ残っており、青空の下で霧氷風景を楽しめた。
(2021/2記) |