2022年は12月に入って漸く氷ノ山に雪が訪れた。奥播州の山並みにも降ったようだったが、その後は晴れの日が続いていた。9日も兵庫全域で晴れの予想だった。播州北部で降った雪は既に消えているだろうと思え、そこで段ヶ峰と杉山の両山を一番易しいコースで登ることにした。それは大谷コースのことで、杉山と段ヶ峰の鞍部まで作業道を歩くコースだった。この日、上千町集落に入ると、その上空に雲は欠片も見られなかった。千町林道を走って千町段ヶ峰林道に合流すると、南へと向かった。500mほど走ると大谷コースの登山口標識が現れた。その登山口の近くにあった駐車スペースに車を止めた。作業道に入ると、入口には鎖があり一般車は進入禁止となっていた。但し鎖は地表に付いており、車止めの役目をしていなかった。作業道は鎖の先から砂利道となった。道幅はたっぷりあり、大型の重機も十分に通れそうだった。周囲は植林地で、緩やかな道として続いた。そして登山口から14分で終点となった。そこから杉山と段ヶ峰の鞍部までは十メートルと離れていなかった。鞍部に出ると登山道があり、先に杉山へと向かった。細々とした登山道だったが、目印テープが点々と付いていたので、目印テープを追って登った。周囲の自然林はすっかり葉を落としていた。鞍部と杉山との標高差は100mと無かった。やや急坂の所もあったが、山頂が近づくと縦走コースに合流した。標識が立っており、北の方向を示す標識には笠杉山が書かれていた。反対の杉山の方向へと向かう。もうごく緩やかな尾根歩きで、下草として笹が増えてきた。そしてアセビ帯が現れた。登山道には霜柱の立っている所もあった。振り返ると段ヶ峰の姿が大きかった。そして尾根道に合流してから17分で杉山山頂に到着となった。道中もそうだったが、山頂にも雪は全く無かった。その杉山山頂はほぼ360度の展望があり、ぐるりと山並みを眺めて分かったのは、雪を纏っている山は氷ノ山と鳥取県の東山だけのようで他は黒い姿だった。視界は十分に澄んでおり、どの山もくっきりと眺められた。やはり冬の視界は良いものだと改めて思った。但し冷たい空気に包まれてだった。杉山の山頂で30分近く休むと鞍部へと戻った。そして段ヶ峰へと登り返した。その上り坂は杉山のときと比べて幾分緩やかで、鞍部から17分で三角点ピークに着いた。そこまで来れば、山頂は指呼の距離だった。段ヶ峰の山頂も雪は全くなく、あっけらかんと明るかった。杉山と同様に人影は無く、こちらでも思いっきり展望を楽しんだ。休むうちにハイカーが到着して、着いてから半時間ほどすると5人ほどになっていた。他のハイカーは達磨ヶ峰からの尾根歩きで来ていた。山頂での休憩を終えると、下山は千町峠に向かった。もう勝手知ったる道とあって、のんびりと下った。それでも山頂から30分とかからず悠友山荘の建つ千町峠に下り立った。後は駐車地点まで林道歩きだった。舗装路歩きの上に緩やかな下り坂とあって、こちらもいたって気楽だった。15分ほど歩くと駐車地点に到着となった。その上空に雲は無く、快晴は終日続くようだった
(2023/1記) |