TAJIHM の 兵庫の山めぐり <西播磨
 
荒尾山    あらおやま 1108m No.4
大甲山    おおこうざん 1035.4m No.3
 
 
1/2.5万地図 : 音水湖 宍粟市
 
【2007年9月】 2007-83(TAJI&HM)
 
    ゴソロ山より  2003 / 5

 宍粟市波賀町齋木の背後にあってすっくと壁のように立っているのが大甲山。山稜は西へと延びて一段高く立つ荒尾山に繋がっている。この二つの山をセットにして登ろうと考えたのは2007年9月のことだった。それも周回で歩こうと考えた。そして決めたのが前地集落を起点として千種町波賀町の町境尾根に向かい、後は尾根なりに登って荒尾山へ、そこより東へと別の尾根を歩いて大甲山へと歩き、起点の前地集落に戻って来るルートだった。
 国道29号線を斉木口交差点で国道429号線に入る。そして道が鳥ヶ乢へと登り始める手前で前地集落へと入った。前地集落を抜けて更に道なりに北西へと向かうと、セドゲ谷川に作られた堰堤の前で車道は終わった。その近くに車を止めて歩き出すことにした。車から出るとかっと陽が照りつけて来た。その陽射しのきつさに温度計を見ると30℃に迫ろうとしていた。とうてい9月の後半に入ったとは思えぬ陽射しだった。堰堤を回り込んで北へと登って行くと、すぐに真新しい林道に出た。そこに小さな橋が架かっており、セドゲ谷橋と書かれていた。平成18年7月完成とあり、その頃に林道も作られたようである。林道は山腹を横切っているだけなので、こちらは林道を越して真っ直ぐ北へと登り続けることにした。やや急勾配の小さな尾根を登るようになり、周囲はすっかり植林が取り巻いていた。登りを続けているうちに樹林はいっとき自然林に変わったが、すぐに植林に戻った。40分ほど登って別の尾根に合流した。その尾根は西に向かっており、地図で確認すると、そのまま歩けばすんなりと千種町と波賀町の町境尾根に合流するようだった。その尾根に入っても相変わらず周囲は植林だったが、尾根は緩やかになっておりぐんと歩き易くなった。そこに点々と国土調査の杭が打たれていた。そして20分ほどで町境尾根に合流した。もうそこからは以前に歩いた道で、尾根なりに北へと歩いて荒尾山を目指すだけだった。尾根にははっきりとした小径があり、木々も空いてけっこう歩き易かった。この尾根歩きの頃には雲が増えており、少し気温が下がったようで暑さはさほど感じなくなって、登るのには良い感じになった。左手はアカマツ主体の林、右手はヒノキの植林地の状態が暫く続いた。アカマツ林がときおり空いてそこから植松山が覗くことがあり、少しうっすらとした感じで眺められた。荒尾山の山頂が近づいたとき、尾根から西に20メートルほど下の辺りで樹林の切れているのが見えた。そこで少し展望を楽しもうと尾根筋を離れた。そこは思惑通りに展望が広がっており、日名倉山から植松山の風景が望めた。尾根に戻ると10分とかからず荒尾山山頂に着いた。セトゲ谷から適当に登って来たのだが、けっこう気楽に来られたと言えそうだった。山頂は三角点は無いものの適度な広さと展望があり、雰囲気としては悪くなかった。そこでも植松山の姿に目をやりながら、暫しのときを過ごした。山頂には風があり少し涼しさもあったので山頂で昼食をしても良かったが、そのとき陽射しが現れたこともあり、樹林の中で昼休憩をすることにした。そこで山頂を離れて大甲山へと続く尾根に移ろうとしたとき、一組の夫婦ハイカーが登って来た。荒尾山のような鄙な山には珍しいことだった。尾根なりに植松山を目指すとのことだった。大甲山への尾根を5分ほど歩いた位置で腰を下ろした。十分な木陰と涼しさの中で昼休憩とした。軽い昼食だったので20分ほどの休みで切り上げ、尾根歩きを進めた。植林が少し混じるものの自然林が主体の尾根は、下生えが少なく樹間も空いていた。また標高の低い位置へと向かうため、ほぼ下り坂で大甲山に向かうことになり、もう下山気分だった。そののんびりとした雰囲気のままに大甲山山頂に着いた。その山頂には3人の先着者がいたが、登山者では無く山仕事の人で、こちらが着くのと入れ違うように山頂を離れて行った。静かになった山頂は以前と比べると少し木が切られたのか、すっきりとした感じになっていた。但し展望はさほど広くなっておらず、南東から西への展望だけだった。それでも黒尾山を中心としたその展望を暫し楽しんだ。ところでこの日、大甲山の山頂に立って確かめたいことがあった。それはヒルガタワのことで、これまでは荒尾山の北に位置する1171mピークを考えていたのだが、この名を初めて目にした多田繁次氏の「兵庫の山やま(総集編)」を改めて読み直し、少し違っているのではとの疑問を持ったためだった。「兵庫の山やま(総集編)」ではヒルガタワの位置は大甲山の項で「ヒルガタワのその奥で半円形の頂上を現す植松山」と記されており、それを念頭に西を見ると1108mピークの左奥に植松山の頂が覗いている。どうやらヒルガタワとしているのは1108mピークのようだった。ただその1108mピークは荒尾山の名で通っているので、ヒルガタワはこのまま1171mピークでも良いのではと思い直した。むしろ1171mピークのなだらかさがヒルガタワの名に相応しいとも思えた。大甲山での一休みを終えると、後は下山するだけだった。下山は山頂から真っ直ぐ南の方向に延びる尾根を下って行くことにした。地図を見てまずまず下っていけるのではとの判断だったが、実際に下り出すと急傾斜ながらも木々は空いており、思っていた以上に無理なく下って行けた。ただ尾根が少し分かり難かったので、外れないようにだけは心がけた。そして急傾斜のおかげで一気に下って行くことが出来て、40分ほどで沢に下り着いた。その下り着いた地点から林道までは僅かな距離だった。まだ工事中の林道で西へと延伸工事が行われていたが、南へは古い林道が延びており、そちらを下って行くと程なくゲートの前に出た。そのゲートを越すとすぐにセドゲ谷と平行する道に出て、そこは駐車地点とは数十メートルと離れていなかった。麓は午後の日盛りで残暑と言える暑さだったが、思惑通りに二つの山を周回で楽しめ、それもけっこう気楽な登山になったことに満足の思いで車へと近づいた。
(2008/1記)(2012/5改訂)(2022/1改訂2)
<登山日> 2007年9月22日 9:52スタート/10:03セドゲ谷橋/10:36〜39西に向かう尾根に合流/10:59調教尾根に合流/11:31〜38荒尾山山頂手前の展望地/11:47〜12:00荒尾山/12:05〜23大甲山につながる尾根の途中で昼休憩/12:45〜13:14大甲山/13:56林道に下り着く/14:15エンド。
(天気) 朝の空は少し雲が多かったが、ほぼ快晴と言えそうで、気温は29℃と夏の温度だった。登るほどに薄雲が広がり、気温も下がって来た。但し蒸し暑さがあり、涼しさは感じられなかった。山上に出るとほぼ薄曇りで、ときおり薄陽が射して来た。大甲山では木陰の気温は21℃で、少し風もあって涼しさが出て来た。視界はまずまず良かった。
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セドゲ谷川沿いの車道を進み、終点となる堰堤
の近くに駐車する
北へ向かって登り出すと、程なく真新しい林道
に出会った
林道を横切って北へと登りを続けた 周囲は植
林地が続く
おおむね植林地を登っていたが、いっとき周囲
に自然林の広がることがあった
パートナーがその自然林の尾根を登る 支尾根に出て、尾根の向きが西へ変わっても、
周囲は植林地のままだった
荒尾山につながる続く尾根に出ると、左手は松
林、右手は植林地となった
山頂方向を望めるときがあった 荒尾山山頂が近づいて展望地が現れた 南西に
日名倉山を望む

 西には植松山が
 はっきりと見え
 ていた

 荒尾山山頂に着く
 少しばかり開けて
 おり、落ち着ける
 場所だった
少し遅れてパートナーが到着した 山頂からは少しは展望があり植松山が望まれた 立つ位置を変えると、日名倉山も望まれた
荒尾山を離れて大甲山に向かうとき、東から南にかけてすっきりと展望の広がる所があった
上の写真の東山を大きく見る 上の写真の黒尾山を大きく見る 尾根歩きを始めると、行く手に大甲山が望まれた
緩やかな下り坂で、のんびりと歩けた 尾根は森の雰囲気で、ブナの大木も見られた 大甲山が近づくと、いっそう歩き易くなった
大甲山山頂に着いた 山頂は広く切り開かれていた 山頂の三等三角点(点名・斉木)を見る 山頂を別の角度から見る

 大甲山山頂からは
 南に展望が広がっ
 ていた
上の写真の明神山を大きく見る 北西を見ると、先ほどまでいた荒尾山が望まれた 大甲山からの下山は南に延びる急尾根を下った

 
 樹間は空いてお
 り、けっこう下
 り易かった

 尾根を下って行
 くと、麓が近づ
 いて真新しい林
 道に出会った