じっくり尾根歩きを楽しもうと考えたとき、荒尾山を思い付いた。荒尾山の鳥ヶ乢コースのことで、向かったのは2024年4月の第一土曜日のことだった。鳥ヶ乢峠に着くと、鳥ヶ乢のモニュメントの前に駐車とした。そこから登山口までは僅かな距離で、登山口に入ると始めは作業道歩きだった。すぐに害獣避けゲートを抜けることになり、今少し歩いてから登山道に入った。標識が的確にあり、スムーズに尾根に向かえた。日光寺跡のそばを通った先で尾根に上がった。後はひたすら尾根歩きだった。始めは雑木帯だったが、程なく植林に囲まれるようになった。厳密に言えば尾根筋のごく狭い範囲は松林になっていた。ほぼ展望の無い尾根歩きで、やや急坂があってそこを登った先で四等三角点(点名・荒尾)に出会った。そこが細尾山だった。松林の尾根は続き、ときにアセビ帯の現れることがあった。尾根は緩やかだったり、やや急坂だったりを繰り返しながら、ほぼ真っ直ぐ北へと登った。そして1080mピークを越すと、その先で山頂到着となった。登山口から1時間34分かかていたので、まずは適度な尾根歩きを楽しめたと言えそうだった。相変わらず展望は良いとは言えず、梢越しに植松山を、木々の空いた所から氷ノ山を見る程度だった。氷ノ山には雪が残っていたが、例年と比べると少ないようだった。山頂で昼食を済ませると、以前の記憶で三角点の位置に好展望があったので、その展望を求めて西へと下った。鞍部近くまで下ると四等三角点(点名・岩野辺)が現れた。北の方向が広く眺められたが、木々の生長で以前よりも見える範囲は狭まっているように思われた。まずは展望を楽しむと山頂へと引き返した。そして下山へと移った。下山はほぼ下る一方だったので、気楽な尾根歩きだった。淡々と尾根の下りを続けると、往路タイムとほぼ同タイムで登山口に戻ってきた。まずは期待通りに尾根歩きを楽しめた荒尾山だった。
(2024/4記) |