TAJIHM の 兵庫の山めぐり <西播磨
 
三久安山   さんきゅうあんざん 1123.2m 宍粟市
 
1/2.5万地図 : 音水湖
 
【2014年3月】 No.5 2014-23(TAJI&HM)
 
    阿舎利山より  2014 / 3

 2014年の3月に入ったとき、雪のあるうちに三久安山を登りたくなった。向かったのは15日の土曜日で、この日は午後から晴れるとの予報だった。そのためか午前の宍粟市の空は雲が広がっていた。それでも晴れ間も覗いており、晴れて来そうなことは分かった。コースとしては一宮町側からで無く波賀町側から登ろうと、国道29号線を北上した。そして音水湖まで来たとき、野外活動センターに近づき、そのそばから始まる三久安林道に入った。林道上に雪はほとんど見られなかったため、このまま登山口まで行けるのではと思え始めたとき、突然のように倒木に行く手を阻まれた。大きな木で少々のことでは動かなかったため、仕方なくその手前の路肩に駐車することにした。そして林道歩きでハイキングを開始した。どこまで車を進めていたのか分からなかったが、少し歩くとヘアピンカーブが現れたので、登山口の近いことが分かった。そして駐車地点から12分で登山口に着いた。途中では雪が林道を隠している所もあったが、登山口の辺りは陽当たりが良いようで、雪は消えていた。登山コースに入ると、始めにミツマタの群落を抜けて行った。どの木も蕾を膨らませており、花が咲けば一帯は黄色で染められるのではと思われた。登山コースは既に廃道となっている作業道を登るようになったが、最初は雪は全く見られなかった。その作業道の傾斜が次第に増してきた。また道の上に徐々に雪を見るようになった。少し登ると周囲が開けてきて、前方に三久安山と阿舎利山をつなぐ尾根が眺められるようになった。左手に見える尾根はこれから向かう南西尾根だった。一帯は草地だったが、枯れ草が押しつぶされたようになっているのは、雪解けの結果かと思われた。作業道が終わると植林地と伐採地の境目を登って行くことになった。そこは急斜面だったので、雪に足を滑らさないように慎重に登って行くと、その先は平坦になって林が広がっていた。その地表はすっかり雪に隠されていた。ツボ足で歩いていたため、けっこう潜りながら林を抜けると、その先が南西尾根だった。後は南西尾根をひたすら辿って三久安山に近づくだけだった。尾根は陽当たりが良く、雪は僅かだった。南側は開けており、阿舎利山の尾根がすっきりと眺められた。その尾根の背後で白い頂を覗かせているのは一山だった。最初のピークは四等三角点(点名・新道)がある982mピークで、そこまで来てもまだ雪は10センチ程度だった。緩く下って緩く登り返した所が1010mピークで、雪は多い所で20センチほどになっていた。けっこう靴は潜るようになっていたので、漸くスノーシューを履くことにした。但しパートナーは体重が軽いこともあって、ツボ足のまま山頂まで歩くとのことだった。その先は少し痩せ尾根気味になっており、また岩も見られるようになったが、歩く上で特に問題は無かった。主稜に近づいて急斜面となってきたが、そこは凍った古い雪の上に新雪が載った状態だったため、少し登り辛かった。両ストックに力を込めて登った。主稜に合流した位置は1110mピークで、歩いてきた南西尾根コースもトレースは無かったが、主稜にもトレースの跡は無く、やはり三久安山は人の訪れは少ないようだった。その合流点からは緩く下ることになったが、一部で地表の現れている所があり、パートナーはその部分を伝って歩いた。鞍部に着いて最後の登りにかかる。周囲はブナ林の風景で雪も増えてきたため、けっこう雪山を登っている実感を持てた。山頂に着いたときは登山口から2時間が経っていた。「宍粟50名山」の山名標識が立つ山頂は、その標識辺りはなぜか雪が多く、標識はほぼ雪に埋もれて先端を少し覗かせているだけだった。その辺りを除くと雪は40センチまでで、地表の見えている所もあった。まさに雪解けがどんどん進んでいると言った感じだった。その頃には空は青空の方が多くなっており、陽射しをよく受けるようになっていた。風がほとんど無かったこともあり、春の暖かさを甘受出来た。その中でのんびりと昼どきを過ごした。昼食後に辺りを少し歩いてみると、東の方向へ少し下った位置で北への展望が現れて、氷ノ山から鉢伏山までをすっきりと眺めることが出来た。以前よりも展望が良くなったのではと思えた。他にも藤無山や妙見山が眺めたりして、三久安山の山頂を楽しんだ。山頂では30分余り過ごしてから下山に移った。下山はすんなりと往路を引き返す。陽射しの下では10℃ほどに上がった気温の中を下るとあって、春の雪山の雰囲気を味わいながら下った。南西尾根を離れるとショートカットをして下ったりしたので、山頂から登山口まで80分ほどだった。やはり三久安山のこのコースは易しいコースと言えそうだった。林道に出ると雪は朝よりも確実に溶けており、また凍った路面は無くなっていたので、すたすたと言った感じで歩いた。そして三久安山を十分に楽しんだと言う思いを持って駐車地点に近づいた。
(2014/3記)(2020/8改訂)
<登山日> 2014年3月15日 10:21倒木に阻まれた手前よりスタート/10:33登山口/11:30点名・新道/12:29〜13:02山頂/13:47点名・新道/14:26登山口/14:37エンド。
(天気) ハイキング開始時は雲の多い空だったが、徐々に雲は減ってきた。午後はほぼ快晴の空となった。朝の気温は2℃ほど。山頂では4℃になっていた。午後に入ると、陽溜まりでは9℃ほどの暖かさになっていた。風はほとんど無し。視界は遠方がうっすらとしていた。
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三久安林道の雪は少なかったが、倒木に阻まれ
てしまい、途中から歩き出すことになった
この木が林道を塞いでいたため、車を進められ
なかった
倒木の位置を過ぎると小さな祠が現れたが、ま
だ現在地点を掴めなかった
少し歩くと、林道を雪が隠すようになった ヘアピンカーブが現れて現在地を知ることが出来た  雪面の足跡はタヌキではと思えた

 歩き始めてから12分
 で登山口に着いた そ
 こは陽当たりが良いた
 めか雪はほとんど無か
 った

    始めにミツマタの群
    落を抜けて行く

廃道となった作業道を登って行く 作業道に雪は見られなかった 南には阿舎利山の尾根が望めた
作業道を雪が隠すようになった 鹿の足跡を見る 雪面に木の影を見る トレースは無かった

 登るほどに阿舎利
 山の尾根が広く眺
 められるようにな
 った
 

 北の方向にはこれ
 から向かう南西尾
 根が見えていた

 西の方向にも少し
 展望を得た

 ヒルガタワから植
 松山へと続く尾根
 を大きく見る
案内標識が現れて、山頂まで1700mだった 植林と草地の境を登るようになった けっこう急坂で、後から付いてくるパートナーを待つ
地表からは盛んに水蒸気が上がっていた 南西尾根には雪で覆われた樹林を渡って近づいた 南西尾根に着いた 雪は少なかった

 尾根は緩やかだ
 った

 尾根からは阿舎利
 山の姿が良く見え
 た

 982mピーク
 が近づいたとき
 アンテナが立っ
 ていた

 982mピーク
 に着いた 写真
 の左隅に四等三
 角点が写ってい
 る
982mピークを越えて鞍部へと下る 次の小ピークでスノーシューを履いた 痩せ尾根の所は雪庇が出来ていた
大きな岩のそばを通る 分かり易い尾根で、ひたすら前方に向かうのみ その前方に見えているのは1110mピークだった
雪面にトレースは無かった その上に自分がト
ースを付けていく
1110mピークが近づいて尾根の傾斜が増し
きた 氷った雪の上に新雪が載っていた
1110mピークに着いて一宮町コースと合流
する 山頂まで450mだった
北へと向かって行く 前方に山頂が見えた 尾根ではブナが目立った 枝をいっぱい広げたブナを見上げる

 三久安山の山頂が
 近づいた

 山頂が目前になると
 一帯は真っ白だった

 三久安山の山頂に
 着いた

 山名標柱は雪に隠
 されて、先端を少
 し覗かすだけだっ
 た
山頂の木は霧氷になっているものもあった 霧氷を付けた枝を間近に見る 大きなブナも霧氷になっていた

 山頂より少し東に
 下ると北に向かっ
 て展望が現れた


   氷ノ山を大きく見
   る

 上の写真の右に続
 く風景を見る

 三久安山から北に
 続く尾根の先に
 1067mピーク
 を望む

 鉢伏山を大きく見
 る 氷ノ山に負け
 ず白かった
山頂へと引き返す 陽当たりが良いためか地表
の現れている所もあった
山頂に戻って南の方向を見ると、一山と東山が
並んで見えていた
山頂からは木立の切れ目から藤無山も望まれた
パートナーは地表の現れたブナの所で休んでいた 山頂で30分過ごした後、往路を引き返した 南西尾根に入って、急斜面をシリセードで下った
木立の隙間から赤谷山の山頂が望めた 下っているとき、木立を通して阿舎利山を見る 982mピークに着いたとき四等三角点を見る
南西尾根の展望地まで下りてきた 午前と違って阿舎利山は陽射しを受けていた 左の写真に写る一山の山頂を大きく見る
西の山並みを大きく見る 植松山はヒルガタワに隠されていた 南西尾根を離れたとき、東の空を見ると、青空が広がっていた
作業道に着くと適当に斜面を下ってショートカ
ットした
登山口に戻ってきた 後は林道を歩いて駐車地点へと戻って行った