◆ TAJI&HM の 兵庫の山めぐり <西播磨編> ★ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
三国平 (峰越峠〜若杉峠〜江浪峠) | 1128m | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
みくにだいら | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
宍粟市・若桜町(鳥取県) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1/2.5万地図 : 西河内 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
【2008年7月】 No.1 | 2008-62(TAJI&HM) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
北に位置する1124mピークより 2008 / 7 |
暑い季節でも山に登りたい気持ちの陰ることは無いが、出来れば涼しい樹林の中を歩きたいものである。2008年は7月に入って一気に暑くなった。そこで無理なく涼しい木陰を歩こうと考えて、宍粟市の北西端に位置する峰越(みそぎ)峠から北へと県境尾根を歩くハイキングを思い付いた。ついでに三県(兵庫、岡山、鳥取)の接する位置という意味で名付けられたと思われる三国平をはっきり認識しようと考えた。地図を見てもピークの特徴は無く、「平」の名が付くほどの平原にもなっていないので、直接目で確かめることにした。向かったのは7月第2土曜日の12日だった。 このところ晴れの日でも朝は曇っており、この日も姫路の朝の空は薄曇りだった。ただ宍粟市に入って国道429号線で鳥ヶ乢へと向かう頃には薄晴れの空に変わっていた。その鳥ヶ乢へと登り出す辺りは工事中のようで、どうやら以前から続いている鳥ヶ乢トンネル工事が大詰めに入ったようだった。千種町に入ると、ちくさ高原へと車を進めた。そしてスキー場の横を通り峰越峠へと向かった。その峰越峠の手前で国道から車道が分かれているが、そのダート道は僅かに山の中を通って峠の位置で再び国道に合流している。その枝道に入ると東屋があり、そのそばに駐車スペースを見たのでそこに車を止めた。ダート道を歩き始めると、国道に出る手前で尾根のハイキングコースが始まった。まずは丸太の階段道を登って高度を上げた。木段は古くなって朽ちている所もあったが、尾根としては易しくごく気楽に登って行けた。尾根が緩やかになると周囲は自然林が広がって、のんびりと歩く雰囲気になってきた。そこは期待通りに涼しく、温度計を見ると23℃を指していた。それに風もあって森のありがたさを思わずにいられなかった。その雰囲気に包まれて歩いて行った。木々は緑濃く、ときにはっとさせられるブナの大木が現れた。ただ自然林ばかりでも無く植林も混じっていた。その樹種は杉が多く、途中の案内板には芦生(あしゅう)杉と書かれていた。尾根は小さなアップダウンで続いており、ときおり「源流探訪ツアーコース」の標識を見た。千種川支流の天児屋川の源流を巡るコースが設定されているようだった。周囲が急に明るくなったのは森を抜けて伐採地に出たときだった。そこは小さなピークになっており、足元は小笹が広がるのみで一気に展望が広がった。空を見るとまだ雲が多いものの青空の部分も広くなろうとしていた。その空の下、うっすらとながら東に大きな山がどっしりと姿良く構えているのが見えた。くらますだった。その右手、南東方向の大きな尾根は天児屋山だった。よく見るとその先には三室山が覗いていた。と言うことは鳥取県側に既に入っていることになり、どうも三国平(三県境ピーク)を何となく通過してしまったようだった。その展望ピークで一休みして先へと進んだ。展望はその先も良く、下り坂となって林道に下り着いた。そこで改めて地図を取り出して現在地を確認した。この先に1124mピークがあり、先ほどの展望ピークは三国平の次のピークだったようである。林道を横切って尾根歩きを続ける。次に着いた1124mピークも伐採地になっており、広々と展望が広がっていた。そこでも一休みとした。北には東山が少し暗い空の下に見えており、北西の高い山は沖ノ山だった。くらますも当然見えており、その左には見えるか見えないかと言うぐらいうっすらと氷ノ山が望まれた。再び尾根歩きを続けた。尾根は相変わらず緩いアップダウンで続き、自然林だったり植林だったり、また展望が広がったりとハイキング気分のままに歩いて行けた。時計は11時を回っているとあって気温は上がっていたが、それでも漸く26℃を越えている程度で、じんわりと汗をかくぐらいだった。周囲はセミの声が賑やかだった。やがて前方の小さなピークに東屋の建っているのが見えて来た。その辺りで昼になりそうなので、その位置で折り返し点にしようと考えた。その東屋が近づいて下り坂となり、また林道に出た。その林道も横切って尾根歩きを続けると、ハイキングコースの十字路に着いた。そこが若杉峠で、お地蔵さんが安置されておりベンチも置かれていた。そこより急坂を2分ほど登って東屋の前に出た。若杉峠休憩所の名が付いており、中から喧しい声が聞こえていた。中を覗くと中年女性のグループが昼食の最中だった。その東屋の一隅にこちらもザックを下ろしたが、一休みの前に東屋の前で展望を楽しむことにした。一帯は植林地になっていたが、植林はまだ幼木とあって展望は素晴らしかった。先ほどの1124mピークと甲乙付けがたい好展望が広がっていた。うっすらと見える氷ノ山の左手には更にうっすらと陣鉢山が見えていた。南の彼方には後山も覗いていた。ただこの好展望も幼木が育てばあと数年で消えそうだった。昼食を済ませると、予定通りにそこを尾根ハイキングの折り返し点として峰越峠に引き返すことにした。本当は若杉峠更に先へと進んで中国自然歩道を楽しんでも良かったのだが、改めて三国平を確認したい気持ちもあって引き返すことにしたものである。気温は更に上がって28℃になっていた。陽射しの中では30℃を越えているのではと思えたが、山上を渡る風は相変わらず涼しく、蒸し暑さは感じなかった。風のためか視界も午前に比べるといくぶん良くなっているように思えた。1124mの展望ピークを過ぎて林道を横切ってからは、尾根の形に注意を払いながら足を進めた。そして三国平と覚しき所に着いてみると、そこは周囲よりほんの僅か高くなっている程度で、雑然と木々が茂っていた。またクマザサも茂ってとても山頂と呼べそうな雰囲気では無かった。一休みをして離れた。その先で江浪峠への道が分かれた。まだ13時を回ったばかりなので江浪峠にも立ち寄ることにした。その江浪峠への道が「源流探訪ツアーコース」になっており、江浪峠の先には源流モニュメントも立っているようだった。その江浪峠への道はごく普通の山道の雰囲気で自然林の中を下っていた。そして江浪峠に着くと、若杉峠と同様に峠のお地蔵さんが置かれていた。その峠の位置で山道は東の尾根へ向かう道と天児屋川源流部へと下る道に分かれていた。ここまで来たので、源流モニュメントも覗くことにした。源流部ならさほど下らないだろうと歩いて行くと、2分と歩かずモニュメントの前に出た。そこは明るく開けており、源流と名付けられただけに近くに細々と水の流れが見えていた。小ぶりのモニュメント見ると、その上には小さくイラストが付いており、この上のピークが三国平と記されていた。山道は「源流探訪ツアーコース」としてその先も天児屋川に沿って続いているのでそのまま下っても良かったが、峰越峠へ登り返すことを考えると涼しさのある県境尾根に戻ることにした。戻ると言っても6分ほどの距離だったが。再び県境尾根に戻って尾根の涼しさに接すると、これで良かったと思いながら峰越峠へと下って行った。そしてこのコースは雪の季節も楽しめそうだと新たな計画が頭をかすめた。 ところでこの日の三国平を改めて考えてみると、どうも近頃選ばれた宍粟50名山に入っていることは無理がありそうだった。宍粟50山なら別にかまわないが、何としても名山の姿では無かった。地理的な考えで選ばれたと思われるが、その地理的なことなら断然ここは天児屋山ではと思えた。天児屋山に登山道が無いのなら作れば良いだけのことで、江浪峠やたたらの里と組み合わせれば鉄の歴史もあることでもあり、天児屋の認知度はぐんと上がっていたのではと思われて残念だった。 (2008/7記)(2021/11写真改訂) |
<登山日> | 2008年7月12日 | 9:49峰越峠登山口スタート/10:28〜38三県境ピークを過ぎた位置の伐採地/10:49林道を横切る/10:54〜11:09[1124m]ピーク/11:29林道を横切る/11:40若杉峠/11:42〜12:10若杉峠展望所/12:40〜47[1124m]ピーク/13:00〜16三県境ピーク/13:21〜26江浪峠/13:28〜34源流モニュメント/13:40尾根に戻る/14:10エンド。 | |
(天気) | 午前は薄晴れの空で、ときおり薄黒い雲が広がった。午後は薄晴れから晴れへと良くなった。但しうっすらとした青空だった。尾根は朝は涼しく23℃、午後は27℃まで上がる。陽射しの中では30℃ほどに感じたが、木立の中は涼しい風が通っていた。視界はややうっすらとして、遠い山はかすんで見えなかった。 | ||
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