千町ヶ峰を一番簡単に登るのなら千町峠に近い東尾根からのコースとなるが、半時間ほどで登れてしまうので、山頂には立てるものの登山としての面白味は少ないコースだった。それでも段ヶ峰と併せて登るとなると二つの山頂を味わえることになるので、それは悪くないのではと思えて向かったのは2017年6月の第三土曜日のことだった。この日は別の山を目指して播但道を走ったのだが、澄んだ空を見て山頂展望を楽しめる山に向かいたくなった。そのとき思い浮かんだのが段ヶ峰だったが、千町峠まで車を進めれば千町ヶ峰も併せて楽しめることになるのではと思えたとき、即実行に移した。
先に段ヶ峰を登って千町峠に戻っていたのは11時25分だった。車は千町峠のそばに止めていたのだが、千町ヶ峰の登山口は峠から1km近く離れていたので車で移動した。そして登山口そばの路肩スペースに車を止めた。その登山口で標高は910mあり、山頂との標高差は230mでしかなかった。登山道は易しい道で、自然林の中を登るので雰囲気は良かった。30分も歩けば山頂の東端にある無線小屋の前に着いて、そこからは西ピークにある三角点までごく緩やかな尾根歩きだった。その尾根道の周囲はアセビが茂っていたが、道を歩く妨げにはなっていなかった。またアセビではなくススキの茂っている所もあったが、以前のようにクマザサの茂っている所は無かった。三角点ピークに着くと、そこはまずまず展望地だった。この日の視界は澄んでおり、南は淡路島まで見えていた。北の方向も氷ノ山がくっきりと見えていた。視界が良いだけでなく、快いばかりの風もあって、その涼しさに暫し昼寝を楽しんだ。そして十分な休憩を終えると、往路を引き返して登山口に戻った。それにしても千町段ヶ峰林道のおかげで気軽に段ヶ峰と千町ヶ峰を楽しんだが、登山としては物足りなさがあった。やはり段ヶ峰は生野高原を縦走して、千町ヶ峰は下千町からのコースを登ってこそ登山の楽しさを味わえると思った。そしてその上で展望を楽しむべきだと思った。
(2017/7記)(2020/4改訂) |