◆ TAJI&HM の 兵庫の山めぐり <西播磨編> ★ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
赤谷山 (落折山) | 1216.6m | 宍粟市 若桜町(鳥取県) |
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あかたにやま おちおりやま | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1/2.5万地図 : 戸倉峠 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
【2010年2月】 No.5 | 2010-20(TAJI) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
阿舎利山より 2010 / 2 |
笹地の広がる山頂を持つ山は、雪が積もるとすっかり白くなるが、播州では一山が代表的と言えそうだった。その一山は白くはなるものの、近年は好天が続くとすぐに地表が現れてしまい、雪山らしさが消えるのは残念だった。その点、赤谷山は氷ノ山が近いだけに雪の量は十分にあり、春先に入ってもまだまだ白い頂を見せてくれる。この赤谷山は新戸倉トンネルのそばを起点に歩き始めるのが一般的だが、その国道からのコースだと雪山としてのアクセスは他の山と比べてずっと容易な上に、戸倉峠からの尾根に厳しい所は少なく、雪山として楽しく登る山としての評価は高いと言えそうだった。その雪山としての赤谷山を2009年に引き続いて2010年も登ることにした。パートナーを誘って向かったのは2月20日の土曜日のことだった。ところが北の空は雲が広がっており、どうも天気は悪そうだった。そこでぎりぎり晴れの期待出来そうな阿舎利山にこの日は目的を切り替えて登ったのだが、阿舎利山の山頂から赤谷山が真っ白な姿で眺められた。その翌日の日曜日は兵庫全域で晴れが期待された。そこで改めて赤谷山を目指そうと考えた。但しパートナーはそれほど暇では無いとのことで、単独で向かうことにした。ただこちらも午後に用事があったので、正午頃には下山を終えていなければならなかった。そこで登山時間を余裕を持って計算してみたところ、7時過ぎのスタートが望まれた。ただ日曜日は天気が良いと言っても、晴れ間が広がるのは午後からで、登山中の晴れは期待出来ないかもしれなかった。 翌21日は朝早い5時過ぎに自宅を離れた。これだけ早いと途中で朝食をとっても、余裕を持って7時前には新戸倉トンネルそばの駐車場に着くことが出来た。その空はどんよりと曇っており、ほんの僅かだが粉雪も降っていた。それを見てすぐには行動せず、暫く車の中で待っていると、程なく粉雪は止んで空に薄い部分も見えるようになった。そこでこれからの天気の回復を期待して歩き始めることにした。始めは旧国道を歩いて行くのだが、除雪は当然されておらず、始めから50センチ以上の雪が積もっていた。最初からスノーシューを履いてのスタートだった。雪面には数人のトレースが付いていたが、雪は締まっていたので、どこを歩いてもさほど潜らなかった。そこでトレースを気にせず歩いて行った。最初のヘアピンカーブの位置で、車道を離れて沢沿いにショートカットコースが出来ていたので、それに従ってこちらも沢沿いを歩くことにした。途中で一ヶ所、水の流れを越すことになったが、スノーシューのまま進んで行く。すぐに登り坂となって車道に出た。後は車道のままに進んで行く。ごく普通に歩けたため、登山口標識の立つ戸倉峠には40分で着くことが出来た。そこからは急坂となるため、スノーシューのヒールアップ機能を使って登って行く。なぜか峠まで続いていたスノーシューの跡は、ツボ足の跡に変わっていた。その足跡にかまわず適当に登って尾根上に出た。後は県境尾根をただ南へと登るだけだった。雪質は車道とは違って少し軟らかめで、スノーシューが少し潜り気味になった。一年前の登山のときとはちょうど逆だった。そのためゆっくり目で登ることになった。尾根のトレースはツボ足以外にスキーの跡が付いていた。どちらも前日のものかも知れなかった。尾根の木立は植林だったり自然林だったりで、どちらも白い姿だったが、霧氷にはなっておらず単に雪が載っているだけだった。最初のピークに出て南の方向に1150mピークが木の間越しに見えると、そちらには朝日が当たっており、真っ白な姿が明るく眺められた。尾根は一部に急坂があるものの全体的には緩やかに続いているのだが、途中でツボ足のトレースが消えているのに気が付いた。スキーの跡はあるのだが、そのトレースは追っても意味がないので、以後は自分でトレースを付けることになった。周囲の木立はブナ混じりの自然林が多くなり、霧氷の木も見られるようになった。またときおり陽射しが現れるようになり、そのときは霧氷の木立がきらきらと輝いた。1143mピークを過ぎると本格的な雪山の景色となり、雪も1メートル近くはありそうだった。また天気は確実に良くなっており、ときに上空の雲が切れて青空が覗くこともあった。そのうちに背後に展望が広がり出すと、三ノ丸辺りのガスが薄れ出しており、半分ほど山肌が現れていた。気温は0℃まで下がってきたが、尾根に出ても風は僅かに吹くだけだった。雪山としての条件は良いようで、軽く汗をかきながら登って行った。山頂手前のピークは低木が多くあって山頂方向が分かりにくいが、目印が続くので方向を間違うことは無かった。その木立を通して見える赤谷山の山頂はすっかり白く、また疎らにある木立も樹氷になっており、冬山の雰囲気は十分だった。山頂への最後の登りは、雪面の広がる中を登って行く。うっすらとスキーの跡があるだけで、それとは関係無く真っ直ぐに山頂へと登った。その山頂はひたすら白い山頂で、そこに見えるのは半分ほど埋まった山名標柱だけだった。ただ上空はまだまだ雲が多く、少し薄暗さのある山頂だった。周囲の山も薄暗かったが、西の方向は天気の回復が早いようで、くらますと東山の山頂には陽が当たっていた。下山にかかる時間から逆算して、一時間は過ごせそうだったので、ゆっくりすることにした。山頂に立っても風は僅かにあるだけで、ごく穏やかな雰囲気だったのは有り難かった。徐々にだったが天気は回復を進めており、30分ほどすると上空に青空が広がり出した。そして陽射しが山頂に当たり出すと、周囲の樹氷が一気に鮮やかに見えるようになった。そうなると少し動き回りたくなるもので、狭い範囲ながらも尾根を南に下ったり、北に戻ったりと僅かな時間ながらうろついたりもした。北の方向はいつしか三ノ丸が現れていたが、氷ノ山が見えるまでにはまだ時間がかかりそうだった。ただそうやって天気の移り変わる様を眺めているのも悪く無かった。一時間で切り上げる予定を15分ほどオーバーした後、下山開始とした。まだまだ天気は良くなると分かっていたが、仕方がない。下山は自分で付けたトレースを追って下るだけなので、ずいぶん楽だった。但しスタスタとは歩かなかった。陽射しが現れてきたことで尾根の霧氷が光り出しており、その風情を楽しみながらだった。そして植林が目立ちだしてからスタスタ歩きとした。下山では3人グループとすれ違っただけで、この好条件の日にしては登山者は少ないと思った。但し戸倉スキー場からの登山者があるかも知れなかったが。新戸倉トンネルそばに下り着いたのは、予定の正午を10分過ぎた時間で、ちょうど一時間半での下山だった。前日の阿舎利山に続いて二日連続の雪山となったが、足に疲れはさほど感じなかった。それだけ赤谷山が雪山としては入門コースだと言えそうだった。次回は時間に余裕を持って登りたいものだと思いながら、駐車地点に戻り着いた。 (2010/3記)(2021/2写真改訂) |
<登山日> | 2010年2月21日 | 7:06旧国道入口スタート/7:26旧トンネル入口/7:47〜51戸倉峠登山口/8:18[1010m]地点/8:48[1143m]地点/9:10手前のピーク/9:24〜10:40山頂/11:40戸倉峠登山口/11:55旧トンネル入口/12:10エンド。 | |
(天気) | スタート時は曇り空で、一部にうっすら青空が見える程度だった。登るほどに青空の部分が広がってきた。山頂に立ったときはまだまだ雲がかったが、山頂に立っている間に次第に良くなり、雲の多い晴れと言えるまでになった。雪は林道でも尾根でも50cm程度か。山頂でも1mまでだった。風は微風程度で、山頂は穏やかだった。視界は東の空がややうっすらしているものの、西の方向は良く見えていた。 | ||
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