何度と登っている赤谷山だが、5月6月の新緑が美しい季節に登っていなかったことに気が付いて、急に登りたくなった。2014年の6月に入ってのことで、早速7日の土曜日に向かうことにした。梅雨に入ったばかりとあって、雲の多い空だったが、天気予報では午前は雨は無さそうだった。そこで昼前には山頂に立ってしまおうと、自宅を少し早めに離れた。国道29号線をひた走り、新戸倉トンネルの手前に着いたのは、9時15分だった。旧国道に入って今少し走ってもよかったが、足慣らしとして旧国道を歩こうと、車は新戸倉トンネルの手前にある広い駐車場に駐車とした。そこからのハイキングの様子は下の写真帳をご覧いただきたいが、県境尾根は期待通りに新緑の美しい尾根だった。この県境尾根を紅葉の季節や落葉した後に歩くことが多かったが、濃い緑に包まれた姿を見て、紅葉の美しい樹林は新緑も美しいと改めて思った。昼が近づいて雲は暗さを増すと思っていたのだが、その逆で青空の部分が増えて、陽射しを受けることが多くなった。おかげで自然林を鮮やかに眺めることが出来た。山頂に着いたのは、登山口に入ってから1時間少々経ったときだった。陽射しを受けてすっかり明るい山頂だった。但し北の空はまだまだ雲が多く、氷ノ山の山頂はすっかりガス雲に隠されていた。他の山はと言うと東山にも雲がかかっていたが、それ以外の山はうっすらとながら姿を見せていたので、少しは展望を楽しめることになった。その展望のことよりも山頂で目を惹いたのは、小粒の白い花をいっぱい付けた木だった。一本や二本で無く、あちらこちらで見かけられた。葉の姿からしてナナカマドのようだったが、赤谷山の山頂にナナカマドの木がこんなに多かったことに、新鮮な驚きを覚えた。山頂では涼しい風があったこともあり、陽射しの下でも過ごし易かった。他に人影の無い山頂で、パートナーと二人きりでひたすらのんびりと過ごした。山頂で30分ほど休むと、下山はすんなりと往路を引き返した。そして再び新緑の尾根を楽しんだ。その下山中も陽射しを受けることが多く、天気の悪化する兆しが見えなかったのは幸いだった。こうして赤谷山を登ってみると、山は季節を変えるだけで改めて新鮮さを味わえることを知らされた。
(2014/6記)(2020/12改訂) |